【沖縄料理×カジュアルフレンチ&イタリアン】はいさいキッチン 代官山

(東京都/渋谷区)

「カフェでしっかり食事もしたい」「フレンチをカジュアルに楽しみたい」「沖縄料理をもっとおしゃれに!」など、人々のちょっとワガママな欲求をスマートに実現している「はいさいキッチン 代官山」。メニューの大半は、沖縄料理にフレンチやイタリアンの技法を取り入れた“沖縄ヌーベルキュイジーヌ”とも呼べるもので、どれも斬新で見た目にも楽しいものばかり。常連客が多いのもうなずける、個性の光るお店です。

クローズアップメニュー
THE ラフテー 〜代官山スタイル〜 1,500円(税込)
 ワインやバターの風味を効かせ、洋酒にも合うように仕上げた洋風のラフテーで、沖縄の黒糖が生み出すコクのある甘みとやわらかい肉がポイントの看板メニュー。色とりどりの野菜を合わせ、大きな皿に立体的に盛りつけるスタイルにもフレンチの要素が感じられる。仕込みからテーブルに上がるまでに要する時間は3日間。この間に定まった行程を正確にこなすことで、よく味のしみたオリジナルのラフテーができあがる。子どもから高齢者まで、また、ごはんのおかずとしてもお酒のおつまみとしても愛されている一品だ。
技のポイント1
皮付き三枚肉を8時間下茹でする
3日間にわたる行程のうち1日目は豚肉の下茹でを行う。皮付きの豚の三枚肉を、水と一緒に寸胴鍋に入れ、8時間茹で、余分な脂を取り除くと同時に肉をやわらかくする。
技のポイント2
2時間かけて味をつけ、肉とソースを分けて保存
行程の2日目は味つけ。前日に茹でた豚肉を適当な大きさにカットして鍋に並べ、泡盛、赤ワイン、黒糖を加えて2時間煮込む。火から下ろしたら、肉とソースに分けて保存。

技のポイント3

  •  

注文が入ったら、小鍋で一皿分ずつ仕上げる
2日目に保存した肉とソースは1日寝かせて3日目に使用する。注文が入ったら味つけ済みの肉を食べやすい大きさにカットして小鍋に入れ、島豆腐、ニンジン、エリンギ、シイタケ、水を加えて煮る。ある程度火が通ったら、さらにダイコン、ナス、ヤングコーンを、煮えるのに時間のかかる順に加えていく。野菜はなるべく、素材そのものの風味の生きる沖縄産のものを使用。

技のポイント4
ソースを加えて煮詰める
保存したソースはコラーゲンたっぷりでゼリー状になっている。肉が十分温まり、野菜類に火が通ったら、このソースを加えて溶かしながら煮詰める。肉を皿の中心に置き、野菜を飾るようにして盛りつける。

 

オススメメニュー1
マルゲリータ 1,500円
同店では沖縄産の素材を練り込み、ハチミツを多めに入れて甘めに仕上げた手づくりパンを提供している。ピザ類ではそのパン生地を丸く成形して使い、スチームコンベクションオーブンで焼いており、もちもちした食感が最大の特徴。紅芋パウダー入りのパンを使ったマルゲリータは看板メニューのラフテーと並ぶほどの人気。ほかにイカスミ入りのパンを使った「ゴルゴンゾーラのクリームピザ」などもある。
オススメメニュー2
ゴーヤーちゃんぷるー 〜半熟仕上げ〜 980円
フライパンでゴーヤ、タマネギ、島豆腐、豚バラ肉を炒め、ソーキそばなどに用いる自家製スープを加えて少し煮る。ゴーヤの苦味がスープに出たところで卵を加えて一煮立ちして火から下ろす。こうすることで苦味がカバーされまろやかに仕上がる。三日月型の器にこんもりと盛りつけ、鰹節を乗せれば完成だ。さらに生クリームなどを加えてカルボナーラ風にアレンジした裏メニューもある。
自家製スープは、豚骨と軟骨ソーキを一緒にまず8時間炊き、これをいったん濾してスープをとり、残った軟骨ソーキに新しい豚骨を加えてあらためて8時間炊き、ここでできたスープと、最初につくったスープ、さらに別に取ったカツオのスープとを合体させたもの。うま味が強く、さまざまな料理の味つけに活用している。
オススメメニュー3
豚バラ炙りとマヨネーズの海苔巻先生(2貫) 800円
イカスミを練り込んだ自家製のパン、ラフテーの肉、マヨネーズ、カイワレダイコンを重ね、ぱりっとした海苔で巻いたオリジナルメニュー。これらの組み合わせも意外だが、全体の味や食感も意外なほど調和している。開業当初から隠れた人気を誇る一品。
  • お店紹介
    オーナーシェフとしてメニュー開発や店づくりに工夫をこらす奥井直哉さん(写真左)と、ともに働く沖縄出身のシェフ、西野一征さん
    ここで紹介したものはもちろん、ほかにも、沖縄そばの麺とゴーヤをカルボナーラ風に仕上げた、「ゴーヤボナーラ」(1,280円)や、海ぶどうにパルメザンチーズを振って生ハムと合わせた「海ぶどうと生ハムのサラダ」(1,080円)など、他店では見かけない独特のメニューが数多く並ぶ点が「はいさいキッチン 代官山」の最大の特徴。
     「初代シェフが沖縄出身のフレンチシェフだったことから、2010年の開業当初からフランス料理の要素を取り入れた沖縄料理を提供していました。私自身はもともとイタリアンのシェフなので、2014年に2代目として引き継ぐときにイタリアンの要素も加えようと、あらためて、『沖縄料理×カジュアルフレンチ&イタリアン』をメニューのテーマに掲げたのです」と、オーナーシェフの奥井直哉さんが言う。
     開業の経緯はユニークで、たまたま初代シェフが働いていた飲食店に、元オーナーと、職探し中だった奥井さんが居合わせたことから話が進み、3人でこのお店を立ち上げることとなった。当初、奥井さんはホール担当だったが、3年後にシェフを引き継ぐと同時にお店を権利ごと譲り受けオーナーシェフに。このとき26歳。以来、メニュー開発やサービス向上に努め、多くの常連客を獲得している。
     赤ちゃんもOKのソファ席やベビーカースペース、季節を感じるテラス席もあり、カフェとしての利用も可能。充実した食事もでき、アルコール類も豊富、というように、客層や目的を限定しないお店づくりも大きな魅力だ。
  • 基本情報
    店名 はいさいキッチン 代官山
    住所 東京都渋谷区猿楽町26-2-1F 
    電話 03-3770-8131
    営業時間
    ランチ 11:45~16:00(L.O 平日14:00、土日祝日15:00) 
    ディナー 18:00~23:00(L.O 22:00)
    定休日

    火曜

    席数

    室内:26席 テラス:12席

    主な客層

    近隣で働く人、住民、観光客、
    カップル 夜は常連客が大半

    1日の客数 ランチ 15〜20人 ディナー 10人(休日は昼夜とも約2倍)
    予算の目安 ランチ 1,000〜1,300円 
    ディナー 3,000〜4,000円
    開業 2010年11月8日
    HP http://www.haisaikitchen.com/
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。