【タイ料理】バーンキラオパラダイス

(東京都/新宿区)

日々の食事としてはもちろん、アルコールのおつまみにもぴったりのタイ料理を、種類豊富に、リーズナブルな価格で提供している「バーンキラオパラダイス」。タイのホテルレストランで腕を振るっていたシェフがつくるメニューは本場の味そのもの。素材のうま味の引き立つ刺激的な味つけが魅力です。

クローズアップメニュー
海老入りスパイシーラーメン(辛) 990円(税抜)
辛くて酸っぱいタイ料理の特徴が全面に出ているおなじみのスープ「トムヤムクン」に、タイのライスヌードルの一種であるセンレックを合わせた人気メニューで、日本で一般にトムヤムラーメンと呼ばれるもの。基本は鶏ガラスープで、タイ産のナンプラーや、ニンニク、タマリンド、エビペーストなどを含むチリインオイル(タイ風ラー油)、レモン果汁で調味し、牛乳でまろやかさをプラス。具はメインのエビのほかアカタマネギ、フクロダケなど。惜しみなく使うハーブ類により香り豊かに仕上がっている。最後にプチトマト、万能ネギをトッピングして鮮やかに。
技のポイント1
ベースは鶏ガラスープ
毎日2時間ほどかけて炊く鶏ガラスープが基本。ダイコンやセロリなどを一緒に炊くことで肉の臭みを取るのがおいしさの秘密。
技のポイント2
 
 

バイマックルー、カー、パクチーファラン、タクライなどで香りづけ
スープが煮立ったら、ハーブや具を順次加えていく。バイマックルー(こぶみかんの葉)、パクチーの根、カー(タイショウガの一種)、パクチーファラン(ノコギリコリアンダー)、タクライ(レモングラス)などはタイ料理独特の香りを出すのに効果的。タイの激辛トウガラシ、プリッキーヌを用いて刺激的な辛味をつけている。

技のポイント3

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タイ料理にはタイの麺
麺はタイのライスヌードルのなかでも中細タイプのセンレックを使用。中華麺を使わずあえてセンレックを用いることでタイらしさを追求している。

オススメメニュー1
ムーガタ 2人前2,200円 3人前3,300円(税抜)
焼肉とタイスキが同時に楽しめる鍋料理。タイではおなじみだが日本で提供しているお店はまだ少ないようだ。専用の鍋は中央が高く、周囲に溝があるつくり。高い部分で肉を焼き、溝の部分には調味した鶏ガラスープを入れて、野菜やキノコのしゃぶしゃぶを楽しむという仕組み。肉は牛ミスジ、牛シマチョウ、豚バラの3種。野菜はキャベツ、ニンジン、長ネギ、季節によってターツァイ、クウシンサイなど。キノコ類はシメジがよく合う。焼肉から鍋をつたって落ちる肉汁がスープと混ざり、しゃぶしゃぶするだけで野菜はうま味たっぷりになるが、ニンニクやパクチーの根などの風味が効いたチリソース風と、シーズニングソース、炒った米の粉、トウガラシ、レモン汁などを混ぜたポン酢風の2種のタレにつけると味のバリエーションが楽しめる。仕上げにごはんと卵、万能ネギを入れれば味わい深い特製雑炊が出来上がる。
オススメメニュー2
ソムタム(青いパパイヤのサラダ) 890円(税抜)
宮古島産のパパイヤを千切りにして、ニンジン、インゲン、トマトなどと一緒にすり鉢の中で調味料をなじませた辛味の強いサラダ。調味に用いるのは、ナンプラー、ニンニク、トウガラシなど。口休めとして添えられた生キャベツが、とても甘く感じて新鮮。
オススメメニュー3
ゴイティオパッキーマオ(太ビーフンのスパイシー炒め) 940円(税抜)
「おすすめメニューを聞かれたら、迷わずこれをすすめます」とオーナーが言うほどの自慢の一品。「素材も味も本当にタイらしい」というのがその理由。フライパンにサラダ油を熱し、卵、ビーフン、茹でた豚肉を炒め、バイマックルー、ガチャイ(タイショウガの一種)、トマト、ピーマン、茹でタケノコなどを加えてさらに炒める。これをナンプラー、砂糖、オイスターソース、シーズニングソースで味つけ。最後にタイ独特の野菜、バイパカオを加えてなじませれば出来上がり。ハーブの香りと辛味、もっちりした食感が印象的。
  • お店紹介
    スタッフのほとんどはタイ人。写真中央がオーナーの福井巌さん、その左が勤続17年になるシェフのナンシリー・ナロンさん
     新宿に「バーンキラオパラダイス」が開業したのはいまから20年以上前。専門店がまだそれほど多くなかった時代にタイ料理に目をつけた理由をオーナーの福井巌さんは、「あるとき人に誘われて行ったタイ料理店の屋台料理がものすごくおいしくて。こんなにおいしいなら多くの日本人に愛されるはず。お店を出せばきっとたくさんの人が来てくれると思ったのです」と説明する。
     当時、福井さんは居酒屋を経営していたが、タイ料理は素人。そこで、日本でタイ料理の先生をしていたタイ人女性を紹介してもらって協力を頼み、さらにその先生からシェフを紹介してもらって開業にこぎつけた。
     開業時からの唯一のこだわりは、現地の味をそのまま提供しつつ、辛さなどは好みに合わせて柔軟に対応すること。「ハーブが効いていて、刺激的で、お酒にもぴったり」と、福井さんがタイ料理の魅力を語る。店名に「酔っぱらいの家」の意味を持つ「バーンキラオ」とつけたのも、「お酒とタイ料理を存分に楽しんでほしい」という思いの表れだ。そしてその思い通り、このお店は評判を呼び、連日賑わう人気店に。ともに働くタイ人も増え、いまでは都内に姉妹店3つを展開している。
     建物の老朽化を機に現在の場所に移転したのが2015年12月。広い店内はテーブルをフレキシブルにレイアウトできるなど大小さまざまなグループに対応可能。また個室もあり、パーティーなどに利用されている。
     周囲の競合店が増えたいま、シェフのナンシリー・ナロンさんとともにメニューの見直しなどを進める福井さん。定期的にタイを訪れて食べ歩き、情報収集も続けている。
  • 基本情報
    店名 バーンキラオパラダイス
    住所 東京都新宿区新宿2-15-15-B1F
    電話 03-3352-1070
    営業時間 17:00~翌2:00
    (日曜日は〜24:00)
    定休日

    年末年始

    席数

    70席(MAX85席)

    主な客層

    女性が多く70%、外国人観光客、タイ料理好き

    1日の客数 ディナー 80人
    予算の目安 3300円
    開業 1995年4月
    (2015年12月に移転)
    HP http://baankirao.com/
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。