【ハンバーグ】~キッチンたか~

(東京都/新宿区)

「うちのメニューはどれも家庭でできる料理なんですよ」と高橋和男シェフが言うように、なじみ深い洋食メニューが並ぶ正当派の洋食店。ビーフ、ポーク、チキン、ハンバーグというメイン食材を使った料理は、一見、同じデミグラスソースやホワイトソースがかかっているように見えますが、それぞれの食材に合うように微妙にアレンジされ、さまざまなバリエーションで味に変化をつけています。今回は、デミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグをクローズアップ!

クローズアップメニュー
ハンバーグ(目玉焼き付き)/ライス、味噌汁、サラダ付き 920円(税込み)
デミグラスソースのかかったキッチンたかのハンバーグは、合挽肉を使用。割合は、牛豚が6:4。この合挽肉に、みじん切りしたままの玉葱、パン粉、卵、塩、胡椒、香辛料を加える。注文が入るごとにハンバーグを成形し、フライパンで片面を焼き、焼き色がついたところで、ひっくり返し、オーブンに入れ、5分。同時に目玉焼きも焼き、ハンバーグが焼き上がったら、しっかりした味のデミグラソースをかけ、黄身が半熟の目玉焼きをのせて出来上がり。表面がふっくらとふくらんだハンバーグの中から、じゅわーっとジューシーな肉汁が流れ出る。味のしっかりしたデミグラソースが、皿の上で肉汁と混ざり合うことで、ハンバーグに合う絶妙な味のソースが完成する。
  • 技のポイント 1
    挽肉の赤身と脂の状態で、玉葱とパン粉の量を調整
    合挽肉の牛と豚の割合は同じでも、赤身と白身(脂)の割合は毎日の仕入れにより微妙に異なる。時期によって玉葱に含まれる水分量も違う。毎日、挽肉の状態を見て、混ぜるパン粉や玉葱の分量を調節することで、常に変わらないジューシーなハンバーグが出来上がる。
  • 技のポイント 2
    滑らか食感のコツは、手早く、しっかりこねること
    キッチンたかのハンバーグは、粗挽きではなく滑らかなハンバーグ。それには手早く、しっかりこねるのがコツ。温度はそれほど気にしないものの、暑いときは、少量に分けてこねることで手早さをアップする。焼き上げると挽肉の粗さは消え、滑らかでしっとりした生地に仕上がる。
  • 技のポイント 3
    デミグラソースの味を深める自家製のブイヨン
    ブイヨンは、仕込みの時に出る肉の端、玉葱、人参、生姜のほかにセロリ、パセリなど香りの出る野菜を3〜4時間煮込む。煮詰まったら、カットトマトを入れ、仕上げにブランデー。濾した後、冷蔵庫でストック。市販のデミグラスソースにこの自家製ブイヨンを混ぜ、香辛料で味付けすることで、キッチンたかのデミグラスソースの味になる。
オススメメニュー 1
白いソースのオムライス(ペッパーチーズソース)/味噌汁、サラダ付き 960円(税込み)
ご飯に塩、胡椒をふり、軽く炒める。下ごしらえしてある炒めた玉葱、ハム、マッシュルームを入れてさらに炒め、ケチャップを加えて、ライスが完成。卵2個を溶いて、別のフライパンで薄焼き卵を焼き、ライスをくるむ。オムライスにかかる白いソースは、チーズソースに粗挽き胡椒を加えたもの。あっさりめのチーズソースに、たっぷりの黒胡椒がアクセントとなっている。ケチャップは抑えめで、塩、胡椒の味付けがしっかりしたライスに、チーズの優しいソースが合う。
この同じチーズソースをベースにしている「きのこのチーズクリームハンバーグ」のソースは、チーズソースにバターと少なめの胡椒を加えて作る。このように、食材に合わせてソースをアレンジすることで、ソースと食材の組み合わせのバリエーションで豊富なメニューを提供している。
オススメメニュー 2
トマトのビーフ/ライス、味噌汁、サラダ付き 940円(税込み)
牛バラスライスと玉葱を炒め、カットトマトを加える。ここに、自家製のステーキソースを加えて、さっと煮詰めて出来上がり。これは高橋さんが以前働いていた店からのれん分けの形で引き継いだメニューだが、オリジナルの自家製ステーキソースを用いることで、キッチンたかの味になる。このステーキソースは味の要。醤油、白ワインに調味料を加えたソース。いろいろなメニューに使われるが、メニューに合わせて煮詰めて使用したり、さっとかけて炒めたりと使い分けることがポイント。同じステーキソースも調理の仕方で全く違う味に変わる。
  • お店紹介
    高橋 和男 シェフ
    街の洋食屋さん。気軽に入って、お腹が満腹になるお店。ドアを開けるとカウンターが6席。シェフの高橋和男さんと奥様の2人で店を切り盛りしている。日曜、祝日以外は、毎日、開店の11時から休憩なしで20時まで営業しており、近所で働く昼食時間が不規則な会社員に喜ばれている。
    喫茶店、居酒屋、炉端焼き、ベーカリーレストラン、洋食屋…といろいろな飲食店で経験を積んだ高橋さん。創業前に働いていた洋食屋のメニューを引き継いだ料理もあるが、すべてアレンジを加えている。「前のお店の味のまま出しても、お客様は納得しませんから」と言う高橋さんの表情が引き締まる。
    「仕込みは大変ですが毎朝行います。お客様に新鮮なものを出したいし、家庭でもできるメニューだからこそ、一手間をかけた味を提供して、お客様に喜んでもらえる店にしたい」。この高橋さんの想いが、1日に10〜11回転、時には夕方に完売するというほど、多くのファンの心をつかんでいる。
  • 基本情報

    店名 キッチンたか
    住所 東京都新宿区荒木町3-1
    電話 03-3356-2646
    営業時間

    月〜金 11:00〜20:00
    土   11:00〜15:00

    (売り切れ次第閉店あり)

    定休日 日・祝日、年末年始、お盆
    席数

    カウンター6席

    主な客層 幅広い年代。男女比率半々。
    1日の客数 約60人
    開業 2011年
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。