【ラーメン】鶏白湯麺 蔭山 高田馬場店

(東京都/新宿区)

東京・自由が丘のフカヒレ専門店・蔭山楼が手がけるラーメン店。オーナー総料理長の蔭山健一氏は、有名中国料理店の料理長を歴任した料理人。蔭山氏の技術、観点、感性が活かされた一杯のラーメンには、あたかもコース料理を組み立てるような深い意味が込められています。「今までの経験を1つの器に凝縮させることはプレッシャーですが楽しい作業」と言う蔭山氏。器は1つといえども、スープ、麺、具材それぞれを食すとき、徐々に混ざりあい、味の変化をもたらし、最後まで客の舌を楽しませてくれます。

クローズアップメニュー
名物 鶏白湯スープ 半熟味卵そば プチ御飯付き 850円(税込)
いきなり目に飛び込んでくるのは、トロっとした黄身が色鮮やかなオレンジ色の半熟卵。そのオレンジ色を際立たせるのはたっぷりと盛られたサニーレタスの緑。蒸し鶏、揚げ葱に千切り唐辛子の赤が白い器を美しく彩る。
まずはクリーム色に白濁した濃厚鶏白湯スープを一口。コラーゲンたっぷりで濃厚ながら、すっとのどを通っていく。浅草の開化楼に特注している味のしっかりした中太の少しちぢれた麺はスープによく絡み、たとえ冷めても歯ごたえが変わらない。途中、添えられたレモンをしぼって味の変化を楽しみ、最後はプチ御飯をスープに投入して雑炊に。濃厚でありながらあっさりで、おもわず最後まで完食してしまう一杯。
  • 技のポイント-1
    鶏白湯スープの秘訣は、手羽先と圧力鍋
    鶏白湯スープは、当初丸鶏を使用していたが、現在は手羽先がメイン。弱火で5時間、圧力鍋で煮た後、蓋を取り、さらに約2時間強火にかけて乳化させることで濃厚鶏白湯スープができあがる。
    手羽先を使うのは、肉、脂、コラーゲンが詰まっていることと、丸鶏の半分の時間でできるメリットがある。さらに圧力鍋を使用することで時間短縮を図る。鶏は長時間火を入れすぎると、香り、味が損なわれ、雑味が出るため、調理時間短縮は理にかなった方法。翌日に使用する鶏白湯スープを毎日仕込んでいる。
  • 技のポイント-2
    まろやかで香りのある藻塩
    塩味のかえし(塩ダレ)には、淡路島の藻塩を使用。ミネラルが豊富で、角がなく、甘み、香りがある。直前に塩味を加えても、嫌なえぐみは感じず、まろやかさと香りが活きる。
  • 技のポイント-3
    味の変化を楽しむと同時に、コラーゲンの吸収を高めるレモン
    食べ進める途中で添えられたレモンを絞る。スープに力があるからレモンの香りは主張しないのに、劇的にスープの味は変化し、さっぱりと後半の食が進む。これは、飽きさせないだけの工夫ではない。レモンのビタミンCは、コラーゲンの吸収を高める効果がある。こうした女性を意識したメニュー作りが女性客の心をつかんでいる。
  • 技のポイント-4
    中華料理とラーメンの融合
    サニーレタスをボイルして使う広東料理をイメージ。熱いそばにサニーレタスをトッピングすることにより、少し熱が入った野菜の食感が楽しめる。
    また、中華料理で使う香味油も味のポイントとなる。塩味のかえしには葱油を入れ、完成直前のラーメンの仕上げに海老油をかける。みその入った伊勢海老の頭を油にかけてじっくり作る海老油を最後にかけることで、香ばしい香りが客の面前にふわっと匂い立つ。
オススメメニュー -1
担々麺 プチ御飯付き 850円(税込)
スープは、鶏白湯スープに鶏ガラ、豚骨、モミジでとった鶏ガラスープを混ぜることで、ゴマペーストと鶏白湯の濃厚な味のバランスを調整している。ゴマペーストは、煎った白ゴマを2回ミンチにかけ、ヘーゼルナッツを揚げた大豆油でのばす。
トッピングは、肉みそ、サニーレタス、干しえび、揚げて砕いたヘーゼルナッツ、山椒、揚げ葱。肉みそは、豚挽肉、山クラゲを醤油、香辛料でしっかりとスパイシーに味付けした。仕上げにかけられる煮詰めたバルサミコが味のアクセントとなる。
スープ、麺、肉味噌と順々に味わってから、全体を混ぜて食べることで、味の変化を楽しめる。ゴマの風味のきいた濃厚スープ、肉味噌に入ったコリッとした山クラゲの食感、ヘーゼルナッツの甘さと香辛料のスパイシーさなどが絶妙なバランスで、最後の一口まで楽しめる。
オススメメニュー -2
肉みそ卵かけ御飯 300円(税込)
黄身が濃厚な生卵と肉みそが白御飯をご馳走に! 醤油を少したらし、全体をかき混ぜて食べる。箸がなかなか突き刺さらないほど新鮮で濃厚な黄身を持つ生卵だから、中華スパイスのきいた肉みそにも負けずによく合う。「担々麺の肉みそが出来たときに、この肉みそと卵かけごはんの組み合わせはまちがいなくおいしいと思った」と、蔭山氏のひらめきから生まれた隠れた逸品。
  • お店紹介
    蔭山氏(写真左端)とスタッフの皆さん。右端が店長の加藤氏

    オーナー総料理長の蔭山氏は、ホテルの有名中国料理店やフカヒレ専門店などで中華料理の経験を30年間積み重ねた料理人。生粋のラーメン店とは違う、中華料理という土俵からラーメン作りに挑戦した蔭山氏が、業界最高権威のTRYラーメン大賞「鶏白湯部門」を2年連続で受賞したことは特筆に値する。「思い込みが激しく、こうと思ったら突き進む性格」という蔭山氏のおいしさへの探究心と不断の努力が最高峰の鶏白湯スープを生みだした。
    蔭山氏が鶏白湯の探求を始めたのは約10年前。千葉で養鶏場を営む後輩が作る卵と出会ったことがきっかけだった。その卵のあまりのおいしさに「この卵を産んだ鶏肉もおいしいはず」と、採卵用の鶏を使った鶏白湯づくりを始めた。採卵用の鶏肉は、うま味を出すのが難しいが、脂っぽくなく、後味があっさりしており、現在の蔭山の味の魅力につながっている。
    「『好きな食べ物は何ですか?』という質問に、『蔭山のラーメン』と答える人が世界に増えてほしい」と夢を語る蔭山氏。客が心から満足する味を真摯に追求し続ける蔭山氏が作る鶏白湯スープそば。この味が、世界に伝わる日はそう遠くないことでしょう。
  • 基本情報

    店名 鶏白湯麺 蔭山 高田馬場店
    住所 東京都新宿区高田馬場1-4-18
    電話 03-6457-3160
    営業時間

    11:00~23:30(L.O)

    定休日 不定休(月1回)
    席数

    カウンター12席

    主な客層 サラリーマン中心、女性客も多い
    1日の客数 150〜160人
    予算の目安 1,000円弱
    開業 2011年
    URL http://www.kageyamarou.com/
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。