【うどん】うどん山長

(東京都/渋谷区)

「一番のこだわりはだし」。かけ、つけ、ぶっかけのいずれのメニューでも、存在感のある確かな味わいのつゆとうどんが堪能できる。店は恵比寿駅から4分,小さな公園と渋谷川に接した好ロケーション。開店から閉店まで途切れることなく人が訪れる、恵比寿の隠れ家的スポットでもある。耳を澄ませば静かにジャズが流れる落ち着いた空間で、時間をかけて丁寧に作られた味を楽しみたい。今回は、数ある人気メニューの中から、特に夏場に人気の「みぞれ肉汁うどん」をピックアップ。
クローズアップメニュー

みぞれ肉汁うどん 850円(税別)
夏場に人気のメニュー。やや厚めにスライスした豚ばら肉と、特製の一番だしとかえしを合わせたつけ汁に、歯ごたえ抜群のうどんをからめていただく一品。つけ汁に添えられた三つ葉がさわやかさを演出する。うどんの太さは選べる。太目のうどんの圧倒的な存在感を楽しむもよし、細いうどんでつるつるっ、さらさらっといただくのもよし。つけ汁には数々のこだわりがつまっており、味は濃いめだが、バランスがよく、後味まですがすがしい。めんは、関東、関西関係なく美味しいと思っていただけるように、こし、柔らかさに加えて風味を大切にしている。口の中で静かに主張する存在感のある歯ごたえと、風味豊かな味を堪能できる。
技のポイント1


特製の一番だしを存分に使う
最大のこだわりは一番だし。節はさば・あじ・かつお等をブレンドし、さらに冬菇(どんこ)と昆布を加えてつくる。「うどんの基本はだし」と、店長の山形寛さんは言い切る。大阪日本橋・黒門市場で削節問屋を営む山長商店(創業は安政元年:1854年)ブランドを継承しているだけあって、削り節には特にこだわりが強い。
技のポイント2
 

肉とつゆは別々にストックし、盛りつけ時にあわせる
やや厚めに切った豚ばら肉と生姜を炒め、たっぷりの一番だしからひいたつゆを加える。しょうゆなどの調味料を加え、強火で5分したら火を止める。冷ますときは「肉が余計な汁を吸わないように」肉とつけ汁を別々にストックしておき、盛り付け時に再度合わせて、みぞれを加え三つ葉を添える。肉の味を最大限に生かすため、油揚げなど肉以外の具材は供する直前に加える。
技のポイント3


めんをゆでるときは少量ずつ。ゆで上がったら徹底的に冷やす。
国産小麦を独自の配合でブレンドしたうどんは、少量ずつゆでるのがポイント。一度に多くゆでるとお湯の温度が下がってしまう。ゆで上げたあとは、冷水で徹底的に冷ましてから供する。店では冷水器を利用している。
おすすめメニュー1


えび天ぷら薬味おためしうどん 1,030円(税別)
天ぷらは、サクサクのえび天ぷらに加え、甘みと歯ごたえを楽しめるアスパラの天ぷら、さつまいもの天ぷらの三種。さらに細切りのきんぴらごぼう、揚げて煮浸しにしたなすが付く。ねぎ、生姜、大根おろしの薬味とともに、普通のつけ汁とごまつゆの2種類で、うどんのこしと風味を楽しむ。特に、人気なのが濃厚で風味豊かなごまつゆ。味の秘訣は「金ごまを使っています。通常のごまに比べて深い味が出ますね。おかげさまでお客様にも評判がいいです」(大村弘秀料理長)。
おすすめメニュー2


柚子明太子うどん 950円(税別)
明太子と細かく切った柚子の皮をあわせた、柔らかなオレンジ色が美しい。大葉とのりの天ぷらがサクサク感を添える。「歯ごたえを楽しんでもらいたい」(大村調理長)と、れんこんの煮物が脇を固める。たっぷりの大根おろしやねぎとともに、豪快に全体を混ぜ、ぶっかけ用のつゆをまわしかけていただく。味はまろやかで、サラダ風に見立てれば、ディナータイムには冷えた白ワインとも合いそうな一品。
おすすめメニュー3


九条ねぎうどん(温) 730円(税別)
店こだわりの一番だしのうまみが堪能できる温うどんの人気メニュー。たっぷりと気前のいい量の九条ねぎと香り高いかつお節が出迎えてくれる。好みで七味唐辛子や天かすを加えても美味しい。めんの太さは選べるが、今回は細めんでいただく。のどごしやさしく、深い味わいが楽しめる。日本人でよかった、とつぶやきたくなる一品。
  • お店紹介
    写真左が店長の山形寛さん、右が料理長の大村弘秀さん
     
    有名店も多く、飲食店の激戦区のひとつである恵比寿に店を構えて8年。目黒川と小さな公園を借景にした大きな窓のある明るい店内で、とびきりのうどんをいただける「うどん山長」。オープン以来、開店時間中は途切れることなく、この味を求めて多くの客が訪れる。温かいうどん、冷たいうどん、ぶっかけと、多種多様なメニューが並ぶ。人気メニューを尋ねると、「これも、これも、…あ、これもよく出ます」(大村料理長)と、紹介するメニューの選定に悩むほどだ。
    主役のうどんに目がいきがちだが、ここではサイドメニュー、飲み物も充実している。サイドメニューの一番人気は「だし巻き卵」。最近のヒットメニューは「かつおのたたきと長芋のからし和え」。このからしだれは特に評判がよく、季節によって合わせる野菜をかえてメニューにのせる。春は長芋のかわりにたけのこだった。サイドメニューは毎月変えており、月に一度、店のスタッフ全員で新しいメニューのアイデアを持ち寄る開発会議と試食会を行っている。
    さらに、ドリンクメニューにもこだわりがつまっている。たとえば「青じそサワー」は自家製。料理長自ら青じその葉を漬け込んだものを使い、風味豊かに仕上がっている。ほかにも、日本酒、ワインから焼酎まで、店長が選んだこだわりのお酒が並ぶ。居心地のいい空間で、うどんを待つひととき、アルコールを楽しみながら過ごすのもいい。
  • 基本情報

    店名 うどん山長
    住所 東京都渋谷区 恵比寿1丁目1−5 恵比寿オークビル1F
    電話 03-3443-1701
    営業時間

    11:30~24:00(L.O.23:30)

    定休日

    無休

    席数

    28席

    主な客層 平日は30代、40代を中心のジネスパーソン。休日は買い物客、観光客に加え、家族連れも。
    予算の目安 昼 約1,000円
    夜 約2,500円
    開業 2007年
    URL http://www.foodgate.net/
    shop_yamacho.html
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。