(東京都/中央区)
「稲庭干饂飩(うどん)」の歴史は、1665年、宗家、佐藤(稲庭)吉左エ門の創業に始まる。以後、製法は一子相伝で受け継がれてきた。佐藤養助商店は、門外不出の技を伝授された二代目佐藤養助が1860年に秋田県で創業した正統な系譜を継ぐ老舗。全工程手造りにこだわる稲庭干饂飩は、350年経った現在も職人の手で丹誠込めて造られている。この稲庭干饂飩をおいしく味わってもらうために、佐藤養助商店が東京・銀座に開店した直営店「銀座 佐藤養助」の絶品つけうどんをクローズアップ。
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クローズアップメニュー
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二味せいろ 醤油 胡麻味噌 1,300円(税込)
うどんの材料は、小麦粉、水、塩といたってシンプル。そのシンプルな材料を使い、練る、綯(な)う、延ばす、乾燥するという全行程を職人が手作業で行い「稲庭干饂飩」が造られる。シンプルなだけに、一朝一夕ではできない職人の技が味の肝となる。
特製専用粉(小麦粉)に塩水を加えて練り、その後寝かせて熟成させる。さらに練り返しと寝かせて熟成を数回繰り返すと徐々に熟成した生地ができあがる。次に、糸をつむぐように生地を細く綯う。しばらく時間をおいて熟成後、綯った生地をさらに麺棒で延ばし、乾燥する。こうして稲庭干饂飩ならではの、細くて透明感のある干うどんが完成する。ここまで三日を要する。
茹で時間の基本は2分30秒〜3分の間。うどんの状態を見てその日の朝に調整する。水で表面を洗ったあと、専用冷却機の冷水でさっとしめる。皿に盛られた稲庭干饂飩はつやつやとして美しい。
つけ汁は醤油と胡麻味噌の2種類。どちらもだしのうま味が効いている。添えられた薬味も2種類。醤油にはわさび、胡麻味噌には生姜。それぞれをおいしく味わってもらいたいという心使いだ。
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お店紹介
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副店長・日高 崇氏(左から2番目)、調理担当・久米直樹氏(左から5番目)とスタッフの皆さん
うどんの原形が、秋田、稲庭の地に伝わり、佐藤(稲庭)吉左エ門が研究と改良を重ね、製法を確立したのが350年前のこと。稲庭干饂飩の始まりである。一子相伝、門外不出の製法を伝授された二代目佐藤養助が、佐藤養助商店を1860年に創業。以来、155年間、当時の製法を守り続けている。継承により積み重ねられた技は、簡単にまねはできない。この技こそが、稲庭干饂飩の肝である。
また、変化する時代に合わせた進化も、佐藤養助商店の発展の秘訣。伝統のぶっかけスタイルからつけ汁スタイルにメニューを変更した。何より「お客様においしく食べてもらいたい」という社長の想いからだ。「稲庭干饂飩のおいしさを一番味わってもらえるのは冷たいうどん」という久米さんの想いとも重なる。つけ汁の種類も、多種多様の料理、食材、調味料を研究して、時代のニーズも取り入れつつ稲庭干饂飩にあうメニューを開発し続けている。
副店長の日高崇さんも「進化と継承」という社長の掲げるモットーを大切にしている。「発祥の地・稲庭町で伝統製法を受け継ぎ、作り続けられてきた稲庭干饂飩を、多くのお客様に楽しんでいただけるように努力を惜しみません」と想いは熱い。守るべきところは守りながら、稲庭干饂飩は進化し、未来に継承されていく。
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基本情報
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店名 |
銀座 佐藤養助 |
住所 |
東京都中央区銀座6-4-17 出井本館1・2階 |
電話 |
03-6215-6211 |
営業時間 |
<平日>
昼の部 11:30〜15:00
(L.O 14:45)
夜の部 17:00〜2:00
(L.O 1:30)
<土日祝>
昼の部 11:30〜15:00
(L.O 14:45)
夜の部 17:00〜22:00
(L.O 20:45)
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定休日 |
年中無休(正月とお盆は除く)
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席数 |
120席
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主な客層 |
平日はビジネスパーソン、土日は家族。老若男女幅広い客層 |
1日の客数 |
200〜300人 |
予算の目安 |
昼 1,000〜1,200円
夜 5,000円くらい |
開業 |
2006年開業(銀座)
※本店(秋田)は、1860年創業 |
URL |
https://www.sato-yoske.co.jp/home.html |
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