【ラーメン】81番

(東京都/町田市)

店名の「81番」を英語で表記すると「NO.81」。これで「ノーパイン」と読む。驚きのパイナップルラーメンで話題を集めた異色のラーメン店「パパパパパイン」(西荻窪店は2017年2月に閉店)の姉妹店だが、ここではパイナップルを使っていないから、「ノーパイン」。そんな、遊び心あふれた店名がつけられた81番で、「パパパパパイン」のオーナーが次に世に送り出したのは、正当派の塩ラーメンです。

クローズアップメニュー
うま味 塩そば 750円(税込)
変わり種のパイナップルラーメンで創業した次は対極ともいえる「シンプルな塩そばで勝負したかった」と言う店主の倉田さん。ラーメンの基本でもあり、シンプルな塩そばだが、おいしさへの追求心は変わらない。
ベースとなるスープは、鶏スープ、和風だし、貝スープを別々に作ってから合わせたトリプルスープ。それぞれ単体でしっかりとうま味を引き出し、その後合わせることで、鶏、和風だし、貝が、さらに引き立て合うようにブレンドしている。
このトリプルスープに、塩ダレ、特製ホタテオイルを加えることで、香り高い一杯ができあがる。
具材は、豚肩と鶏の2種のチャーシュー、乾燥えのきと芽ねぎ。豚肩チャーシューは、2時間じっくり煮た醤油ベースのチャーシュー。鶏チャーシューは、塩、胡椒をして寝かせてから、低温で2〜3時間じっくり煮る。どちらもスープと麺の邪魔をしないシンプルな味付け。乾燥えのきと芽ねぎは、食感と香りで少しだけ存在感を残す存在にとどめる。
技のポイント1
 

鶏スープ、和風だし、貝スープのトリプルスープ

鶏スープは、鶏もも肉のみを水から煮て作る(左写真)。和風スープは、3種類の煮干し、真昆布、干し椎茸を1晩水出ししてから、翌日だしを取る。貝のスープは、ホンビノス貝(右写真)を大量に使用し、水から煮て作る。それぞれ、別々にうま味を充分に引き出したスープを、素材が引き合うようにブレンドしている。
技のポイント2

 
スープでわるのは、自家製の和風だしの塩ダレ、自家製鶏油で作る特製ホタテオイル
かえしは、煮干しと昆布のだしに、みりんと塩で作る和風だしの塩ダレ(左写真)。特製ホタテオイルは、自家製の鶏油でホタテを煮る。鶏とホタテのうま味が出たオイルが完成(右写真)。
ホタテオイルを作るときに使用したホタテは、ホタテにうま味が残っている状態で鶏油から引き上げ、ホタテ飯という一品になる。
技のポイント3


麺は選べる2種
麺は三河屋製麺製。全粒粉入り細麺(写真左)と中太麺を選ぶことができる。細麺は、特注の全粒粉入り国産小麦を使用した手揉み麺。うま味塩そばにあうと人気なのは細麺。スープとホタテオイルが絡んで、つるっと口に入っていくが、しっかりとした歯ごたえがある。
 
オススメメニュー1

辛味塩そば 820円(税込)

うま味塩そばに、ハラペーニョを中心に、数種類のスパイスとにんにくを使い、自家製のラー油で作ったタレがかかっている。じんわりと辛く、香ばしい。少しずつスープに混ぜて、スープの辛さの変化を楽しむのもよい。今回は、中太麺を選択。もっちりとしているがしっかり歯ごたえがあり、満腹の一杯。
オススメメニュー2

貝飯 350円(税込)

塩そばに使用しているホンビノス貝のスープを使った醤油味の炊き込み御飯に、ホンビノス貝がたっぷりとのった貝飯。貝のだしがきいたさっぱりとした味。オススメの食べ方は、塩そばのスープをかけて雑炊に!
オススメメニュー3

鶏飯 350円(税込)
貝飯同様の炊き込み御飯に、鶏チャーシューをのせた鶏飯。貝のだしのきいた御飯としっとりとした鶏チャーシューであっさり食べられる。添えられたわさびを少しずつ鶏チャーシューにつけながら食べると味がピリッと引き締まる。
  • お店紹介

    店長の鈴木拓也さんは町田育ちで町田が大好き


    81番は、東京・町田の昔ながらの古い商店街の中にある。2011年に西荻窪にオープンし、パイナップルラーメンで話題を集めた「パパパパパイン」の2号店。
    パイナップルラーメンを考案したオーナーの倉田裕彰さんと店長の鈴木拓也さんは町田出身。以前、この場所にあったラーメン店で出会い、「パパパパパイン」創業時代からコンビを組んで、ラーメン界に新風を送り込んできた。
    倉田さんいわく、「ぼくは1つのことをつきつめるタイプではないけど、鈴木は、1つのことを追求する職人タイプ」。鈴木さんいわく、「倉田は、ぼくよりも発想豊かで知識も深いのでラーメン作りにしても教えてもらうことが多い」と、お互いの持ち味を讃える。新鮮な発想でラーメン店を展開する倉田さんと、日々おいしいラーメンの味を追求していく鈴木さんのタッグは強力だ。
    倉田さんは独立する以前から、「独立するならまずは誰もやってないことをしたい」と考えていた。そして、「変わり種ラーメンで話題になってから、次に、この店主の作る普通のラーメンも食べてみたいと思わせて正当派のラーメン店を開く」というシナリオを持っていた。その変わり種ラーメンが「パパパパパイン」であり、正統派ラーメンが「81番」だ。
    2017年4月に西荻窪店は閉店したが、年内には、近くにパイナップルラーメンの「パパパパパイン」を復活オープンする予定だ。ラーメン激戦区として知られる町田に、地元を愛する二人によって、またひとつ名店が加わる。
  • 基本情報


    店名 81番
    住所 東京都町田市原町田4-5-18 仲見世商店街
    電話 042-726-2231
    営業時間 昼11:00〜15:00 
    夜18:00〜21:00
    定休日

    無休(現在)

    席数

    カウンター9席

    主な客層

    近隣、遠方、男女問わず幅広い客層。女性も多い。

    予算の目安 1,000円位
    開業 2016年1月
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。