【ラーメン】トイ・ボックス

(東京都/荒川区)

店舗数の増加に伴い、味もサービスのあり方もますます多様化しているラーメン業界。そこに2013年12月に新規参入し、瞬く間に人気店となった「トイ・ボックス」は、開業3周年を迎えた直後の2017年1月、スープの炊き方からメニュー構成、味付けまで大胆にチェンジ。「自分が本当につくりたかったラーメンに大きく近づきました」と店主が一番に紹介する「醤油ラーメン」は、鶏と水だけでとったスープに7種の醤油で味の厚みを与えたコクのある一品です。

クローズアップメニュー
醤油ラーメン 750円(税込)
店主一押しのメニューにして来店者の9割が注文する大人気ラーメン。鶏と水だけでとったスープと7種類の醤油、自家製チー油を合わせた醤油スープに、準強力粉でつくった水分多めの細麺を合わせた。2016年夏に限定発売していた「鶏と水」をベースに改良を重ね、2017年1月から提供している。トッピングはチャーシュー、穂先メンマ、きざんだ九条ネギのみで、醤油の味や香りがより際立つように仕上げている。
技のポイント1
 
スープは鶏と水だけで炊く
新しく使い始めたスープは、2種の鶏ガラと3種の丸鶏を水だけで約6時間炊き、一晩寝かせて上部にたまった脂を取り除いたもので、すべてのラーメンに共通して使用する。鶏ガラは川俣シャモとおおいた冠地どり、丸鶏は山水地鶏、会津地鶏、名古屋コーチン。仕上がりベースで約50ℓの寸胴鍋1本を使って仕込み、1日に約1本分が消費される。鶏と水の比率はおよそ4:5。ガラと丸鶏は3:2程度の比率で使っている。
技のポイント2
生揚げ醤油、生醤油に火入れをして香りを立たせる
醤油は、濃口4種(産地は群馬、兵庫、和歌山、小豆島)、薄口1種(同兵庫)、再仕込み2種(同埼玉、兵庫)の7種類を使う。すべて諸味を絞っただけの生揚げ醤油(きあげしょうゆ)か、生揚げ醤油をろ過した生醤油(なましょうゆ)の状態で仕入れ、厨房で兵庫県産再仕込み醤油以外の6種類を合わせて火入れをし、酒、みりん、リンゴ酢を少量加えたらかえしの出来上がり。酒などの配合量は、ラーメン1杯に換算すると1cc程度と微量だが、食後にわずかに感じるうま味のためには欠かせないという。火入れをしない再仕込み醤油1種は、どんぶりでスープとかえしを合わせる際に振り入れる。
技のポイント3
内臓脂肪などを加えた濃厚なチー油
チー油はスープを炊く際に出る脂にボンジリや脂身などをプラスして抽出しており、色が濃くうま味も強い。
技のポイント4
ガリシア栗豚ロースのチャーシューをスープに合わせて開発
新しい醤油ラーメンに合わせてチャーシューも一からつくり直した。素材は日本では珍しいガリシア栗豚のロース肉。味付けは醤油のみ。ガリシア栗豚はロース肉の中でも霜降りの比率が43%以上と高く、また餌の栗の風味が生きており独特の味わいがある。
オススメメニュー1
塩ラーメン 800円(税込)
あっさりしたスープと細くコシのある麺の組み合わせ。乾物や貝などでとっただしを温め、5種類の海の塩(ぬちまーす、藻塩、天日塩の3種)を溶かした塩ダレと、基本のスープ、少なめのチー油を合わせ、茹でた極細麺を入れて、チャーシュー、穂先メンマ、白髪ネギ、九条ネギ、糸トウガラシをトッピング。
オススメメニュー2
味噌ラーメン 800円(税込)
カレーの隠し味に味噌を使うとコクが出ることからヒントを得、逆転の発想で生まれたユニークなラーメン。4種の味噌(会津味噌、麦味噌、天然麹、江戸甘味噌)に、醤油と6種のスパイス(カイエンペッパー、グラムマサラ、コリアンダー、クミン、フェネグリーク、サンショウ)を加え、これを基本のスープで溶いた味噌スープに、醤油ラーメンと同じ麺を合わせた。チー油のほかにパセリ油をたらし香味を効かせている。
  • お店紹介
    「子どもの頃から大好きだったラーメンとずっと一緒にいられて幸せです」と語る店主の山上貴典さん
     箱の中にいっぱいに入ったおもちゃの中から、お気に入りの1つを取り出して遊ぶ至福のひと時。箱を開けるときのワクワク感。こんな、子ども時代に味わったのと同じような気持ちになれるラーメン店でありたいという願いから「トイ・ボックス」と名づけた。醤油、塩、味噌と3種の味を揃え、お子様ラーメン、冷やしラーメン、限定ラーメンなどの選択肢を用意しているのも、訪れた人皆がお気に入りを見つけやすくするため。「私自身、子どものときの気持ちを忘れずに、楽しくラーメンをつくっていきたい。そんな思いも込めたネーミングです」と店主の山上貴典さんが語る。
     幼少の頃からラーメンが大好きだったという山上さんは、企業の営業マンとして働いていた30代前半の頃、当時相模原にあった「ラァメン家69’N’ROLL ONE」で食べたラーメンに衝撃を受け、その後、同店店主の嶋崎順一さんと個人的に知り合ったのを機にこの業界に転職。嶋崎さんのお店をはじめ複数の店舗で経験を重ね、2013年12月、39歳で独立開業した。アルバイトから始めて、あらゆる業務を経験。縁あって複数のお店に勤務したが、そこで経験したすべてがプラスになっているという。
     「目の前のチャンスはつかむタイプ」という山上さんは、大家さんが「ここでお店をやってみないか」と現在の物件を直々に勧めてくれたときも、ありがたく受け入れた。「居抜きだったため開業資金はわずかで済みました。もし失敗しても痛手は少ないと思ってチャレンジしたらうまくいきました」とあっさり言うが、開業からの3年余り、工夫と改善を重ねて来たからいまがあるのは言うまでもない。
     今後の目標は、これまで以上に真剣に、自分なりの“ラーメン道”を歩んでいくこと。ラーメンオタク時代からの知り合いというスタッフとともに、求められるラーメンとつくりたいラーメンの融合を目指している。
  • 基本情報
     
    店名 トイ・ボックス
    住所 東京都荒川区東日暮里1-1-3
    電話 03-6458-3664
    営業時間   平日  11:00〜15:00 、  
          18:00〜21:00
    日・祝 11:00〜15:00
    定休日

    月曜(祝日の場合は翌日に振替)、第2火曜

    席数

    8席

    主な客層

    平日 近所で働く人々 休日 家族連れ、遠方から来るラーメン好き

    1日の客数 120〜150人
    予算の目安 950円
    開業 2013年12月15日
    HP http://toybox20131215.
    web.fc2.com
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。