【鉄板焼ビストロ】En Terrasse

(東京都/新宿区)

フランスのレストランや日本のホテルでの修行、企業での商品開発、焼鳥店での対面販売など、シェフが積み重ねてきた多様な経験を生かして東京・四谷にオープンして2年目の鉄板焼ビストロ、「En Terrasse(アンテラス)」。選び抜いた素材と、それを引き立たせるソース類が魅力。さらに前菜やサラダ、食事メニューも豊富で、幅広い客層に支持されています。
 
クローズアップメニュー
お肉の盛り合わせ(2~3人前) 3,800円(税込)
鉄板焼きにした3種の肉と、ソーセージ、パテ・ド・カンパーニュ、牛スジ煮込み、自家製鶏ハムなどを組み合わせて提供。どれもそのままで十分味わえるが、肉のおいしさをより引き立てるために手づくりのソースを添えた。ソースはあくまで脇役という位置づけながら、材料や食感に工夫をこらしている。パテ・ド・カンパーニュは牛ミンチ、豚ミンチ、フォアグラをミックスしてベーコンで巻き150℃で1時間湯煎。牛スジ煮込みは、飲んでもおいしい赤ワインをたっぷり入れた自家製デミグラスソースがベース。鶏ハムは、長州地鶏を塩とブイヨンで低温調理しスモークペーパーで風味を増したもの。ソーセージは無添加の素材やドイツの製法にこだわる長野県のハム会社から調達している。付け合わせは手づくりのポテトサラダ。
技のポイント1
肉類は厳選して使用
肉類は産地や育成法を考慮し厳選している。今回使ったのは(左から)ニュージーランド産子羊、赤身のうま味が強い短角牛、埼玉・川越の名産品であるサツマイモなどで育てられた小江戸黒豚。
技のポイント2
 
子羊と豚は蒸し焼きにして火を通す
子羊と黒豚はそれぞれ軽く焼き塩をふって鉄板に並べ、表面が焼けたら蒸し焼きにして火を通す。牛はレアで提供。肉類の鉄板焼きでは岩塩をつかうお店も多いが、「En Terrasse」では塩が主張し過ぎないようにあえて焼き塩を使っている。

技のポイント3

希望に応じて藁焼きにすることも

肉類は鉄板焼きだけでなく、藁焼きにすることも可能だ(プラス300円)。藁焼きは主にカツオのたたきで使われる技法で、炎が大きく上がることから一般の飲食店では扱いづらいが、同店では「お客さまを楽しませたい」と、テーブル席から見える位置に藁焼きコーナーを設置。藁焼きにした肉は表面が香ばしく、独特の香りがする。
技のポイント4


肉の味を引き立てるソースを手づくり
「お肉の盛り合わせ(2~3人前)」に添えられるソースは通常2種類で日によって入れ替わる。ここでは4種を紹介。ほかにもレパートリーは豊富にある。
【左奥:オレンジぽん酢】
煮詰めたオレンジジュースに擦りおろしたオレンジの皮を入れたものとぽん酢を2:1の割合で混ぜた。
【右奥:木の芽みそ】
西京味噌と信州味噌を3:1でミックスし、煮詰めたみりん・酒、卵黄を加えて火にかけて練り上げたもの(玉味噌)に、ごま油で揚げて冷ましペースト状にした木の芽と、生のまま刻んだ木の芽を混ぜた。
【左手前:みそだまり】
みそだまりは100kgの味噌から約1kgしか取れない貴重品。同店では長野・諏訪の醸造所から仕入れる白味噌のみそだまりに限定して提供している。
【右手前:野菜ピクルスソース】
ざく切りにしたニンニク・ショウガ・トウガラシを多めのサラダ油とごま油少々で炒めて常温まで冷まし、食感を楽しめるようにわざと粗く刻んで塩もみしたタマネギ、ニンジン、ウド、黒ゴマ、ぽん酢少々を入れて和えた。
オススメメニュー1
En Terrasseオムレツ 700円(税込)
2015年夏から出荷の始まった新しいブランド牛、「美笑牛」を使用。美笑牛とはホルスタイン種のメスと黒毛和種のオスの交雑種のメス。出荷月例30カ月以上で、うま味の強い赤身、融点の低い脂身などを特徴としている。この美笑牛のミンチを塩こしょう、ナツメグ、みそだまりで調味し、卵でつないだタネを鉄板で炒め、自家製デミグラスソースであえたものを、同じく塩こしょうとナツメグで調味した卵の薄焼きで二重にくるんだ。肉はしっかりした味つけでうま味たっぷり、卵はふわふわ。お店のロゴの焼き印を押して完成。
オススメメニュー2
菜の花ロワイヤル 900円(春のみ/税込)
茶碗蒸しをベースにした季節の素材を生かしたスープの春バージョン。料理の行程で出てくる野菜(ニンジン・タマネギ)、肉、魚などのくずを利用してつくる自家製ブイヨン150ccに対し卵1個の割合で混ぜて網で漉し、器に入れて蒸し器で10分。蒸し上がったものの上に、ブイヨンと一緒に火を通した菜の花・タマネギ・バジルをミキサーにかけたものを流し入れ、キクイモのフライと桜に見立てて色づけしたユリ根を乗せてエキストラバージンオイルをたらした。口に入れた次の瞬間、菜の花とバジルの香りが鼻に抜ける。美しい盛りつけが目にも楽しい。
オススメメニュー3
ガーリックライス 1,500円(税込)
ココットに米1合と水を入れ、鉄板に乗せてあらかじめ炊いておく。細かく刻んでサラダ油につけたニンニクを鉄板に乗せ、きつね色になるまで丁寧に炒め、余分な油を取り除く。そこに炊きたてのご飯を乗せて、平たく広げてはご飯の表面を焼き、いったんまとめ、また広げては焼く、という作業の繰り返しで均一に焼き上げる。しらすと刻んだ大葉を鉄板の別の面で焼き、最後に混ぜて出来上がり。赤出しの味噌汁と浅漬けがつく(写真奥はココットで炊いたご飯)。
  • お店紹介
    エグゼクティヴシェフの明石剛さん(写真右から2人目)とスタッフの皆さん
     
    「料理の腕を振るいつつ対面販売の面白さも残したい」と、明石剛さんは2016年7月、鉄板焼ビストロ、「En Terrasse(アンテラス)」を開業した。四谷駅から徒歩3〜4分の便利な場所。大通り側と路地側に1つずつ入口があり、賑やかな新宿通り側から入ってテーブル席の脇の通路を通り階段へ。3段昇るとL字型のカウンター席。窓の外にテラス席を望みつつカウンターに沿って歩くともう1つの入口があって、静かな路地につながるという構造がユニークだ。
     明石さんは1993年に辻調グループ・フランス校を卒業後、現地の星つきレストランで研修。帰国後は東京丸の内ホテル、パシフィックホテルなどで経験を積んだ。その後、埼玉のベンチャー企業で商品開発に携わっていたときは、モンドセレクションやiTQi(国際味覚審査機構)などで表彰を受け注目された。さらに2008年にニューヨーク総領事公邸で行われた埼玉県PRイベントでは総料理長を務めた。焼鳥店で対面販売の面白さに目覚め、2011年からは都内の鉄板焼きの名店でさらに修行。20年余りの間にこうしたさまざまな経験を重ね、ついに独立開業を果たしたというわけだ。
     「鉄板焼きは素材が良くなければ」と、シェフ自ら産地に足を運びおいしいものを厳選している。特に美笑牛、山形牛、小江戸黒豚など肉へのこだわりは強い。また、野菜は長野県産を多用。魚介類は旬を意識して用いている。
     メニューを乗せる器類はすべて美濃焼。ここには、「美濃焼を育て愛した織田信長にあやかって、鉄板焼きで日本一になりたい」という明石さんの大きな目標がこめられている。“鉄板焼ビストロ”のほかにも構想はさまざまある。今後はそれを少しずつかたちにしていく計画だ。
  • 基本情報
    店名 En Terrasse(アンテラス)
    住所 東京都新宿区四谷2-2-1F
    電話 03-5341-4400
    営業時間 ランチ 11:30〜15:00(L.O 14:00)
    ディナー 17:30〜22:30(L.O 22:00)
    定休日

    日曜・祝日

    席数

    店内26席(カウンター10、テーブル16)+テラス席

    主な客層

    近隣で働く人々 男女半々 昼は学生、夜は近隣住民が多い

    1日の客数 ランチ 40〜50人 
    ディナー 10人
    予算の目安 ランチ 1,000円 
    ディナー 7,000〜8,000円
    開業 2016年7月11日
    HP https://www.en-terrasse.net/about-1/
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。