【担担麺】香噴噴 東京木場

東京都/江東区

元は江戸時代から続く貯木場だった広大な木場公園を背景に、都心に近い住宅地として人気上昇中の木場。永代通りから1本入った路地にある「香噴噴 東京木場」は、遠方からもファンがやって来る繁盛店だ。ファンのお目当ては、屋号どおりの香り豊かな担担麺。中でも汁なし担担麺は、来店客の半数以上が食べるという看板メニューだ。人気の訳は中華の技を駆使した味づくり。丁寧な仕事から生まれる奥深い味の秘密を探った。
クローズアップメニュー
汁なし担担麺 830円 (税込)
汁なし担担麺は、胡麻の風味にカシューナッツの甘み、辣油の辛み、炸醤(肉味噌)や干しエビと中国漬物の旨み、油葱酥(フライドエシャロット)の香ばしさ、豆瓣老油(四川の香味油)の複雑な刺激など、さまざまな味要素が幾重にも重なり合い、もっちりとした太麺の粉の味とも好相性だ。トッピングは刻んだニラと炸醤。そして最後に振りかける漢源花椒のしびれる辛みと爽やかな香りで全体がぐっと引き締まる。麺を食べ終わったところにジャスミンライス(100円)を追加して、締めのご飯を楽しむお客も多い。
技のポイント1
 

胡麻の風味とカシューナッツの甘みを活かした自家製タレ

自家製タレのベースは既成の練り胡麻ではなく、煎り胡麻とカシューナッツを使う。カシューナッツは低温で1時間かけて揚げて中心部にまで火を通すことで甘味を引き出し、冷ました後に、煎り胡麻と合わせて二度挽きし、風味豊かな味と滑らかな舌触りを実現。胡麻とカシューナッツの割合は1:1.5だが、汁あり担担麺には逆に胡麻1.5:カシューナッツ1の割合で合わせている。タレは、挽いた胡麻とカシューナッツを胡麻油で練ったところに、醤油、老抽王(中国たまり醤油)、黒酢を少しずつ加えて練り合わせている。
技のポイント2
 

粗く挽いた肉を少なめの味噌で炒めて、味と食感ともに肉々しさを活かす

炸醤に使う挽き肉は適度に脂の入った国産の牛肉と豚肉。牛肉4:豚肉6の割合で合わせ、一番目の粗いカットプレートで挽いてもらい、太麺に負けない肉々しい食感を活かす。味付けは四川豆板醤と、醤油、桜味噌、上白砂糖を練って作る自家製甜面醤。最初に白絞油で四川豆板醤を炒め、続けて挽き肉を充分に炒めて、水分がなくなったら自家製甜面醤を入れて炒めるが、味噌の量を少なめにすることで肉の味を活かしている。5kg仕込んだ炸醤はほぼ1日~1日半でなくなる。
技のポイント3
 

中華料理の技が光る調味料使い

汁なし担担麺は、自家製タレに辣油、干しエビと芽菜(ヤーツァイ)の炒め煮、豆乳、油葱酥、豆瓣老油、白ネギを入れて味をつくる。このうち辣油、干しエビと芽菜の炒め煮は自家製だ。辛みの基礎となる辣油は一味唐辛子、花椒粉に熱い油をかけてつくる。干しエビと芽菜の炒め煮はまず前日に水に戻した干しエビを30分蒸し、水気を切ってフードプロセッサーにかけて粉砕する。それを葱油でゆっくり揚げて油が透明になったら、みじん切りにした芽菜と炒め合わせている。芽菜は青菜の芽の部分だけを使ってつくる四川省の代表的な漬物で、コリコリした歯ごたえと漬物ならではの芳醇な味が特長。「麻辣」の効いた四川料理には欠かせない食材だ。
技のポイント4
 

スープは丸鶏に干しシイタケ、昆布も加えてじっくり炊いてとる

担担麺、麻辣麺、そして咖哩飯にも用いるスープは親の丸鶏メス(約2kg)とオス(約3.5kg)にネギの青い部分、ショウガの皮、干しシイタケ、昆布を合わせて、約6時間じっくり炊いてとる。丸鶏を使うことでオスからは味とコクが、メスからは脂と旨みが抽出されるという。炊き終えたスープは濾して煮詰め、缶に入れて保存し、必要な分ずつ温めて使う。干しシイタケや昆布の旨みが加わることで奥深い味が生まれ、汁麺の重要な味の決め手となっている。
オススメメニュー1
担担麺 830円(税込)
汁あり担担麺は、汁なし担担麺の構成にスープが加わったものだが、自家製タレは独自のもの。タレのベースとなる胡麻とカシューナッツの割合が逆になり、まろやかな胡麻の風味が活きている。太麺と細麺とが選べ、細麺の場合は豆乳の量を若干減らすことで麺と汁との味のバランスを図る。
 
オススメメニュー2
成都(チャンドゥ)担担麺 880円(税込)
担担麺の本場四川省成都風の汁なし担担麺。汁なし担担麺と同じ構成に、炒めた茸と清涼感のある青花椒油も加わった特長ある一品だ。茸はシメジとエリンギを4:1の割合で合わせ、塩を振って脱水したあとにニンニク、唐辛子と一緒に炒め、黒酢、老抽王で煮てあり、茸の旨みと心地よい食感が楽しめる。炸醤の上に散らした揚げカシューナッツのカリッとした食感が香ばしいアクセントに。仕上げに振る漢源花椒粉が汁なし担担麺より多めなので、痺れる辛さがより満喫できる。
オススメメニュー3
咖哩飯(カーリーファン) 230円(税込)
元はまかないからはじまった咖哩飯は、今や人気のサイドメニューとなっている。玉ネギ、ニンニク、ショウガをじっくり炒めたところに炸醤とカレー粉を入れ、麻辣醤、老抽生などで味付けしてスープでのばしている。隠し味にリーペリンソースが入るなど香港中華を思わせるチャイニーズカレーである。仕上げに振る黒コショウの刺激が爽やかだ。
 
  • お店紹介
    連日、深夜まで及ぶ仕込み作業だが、納得の味を生み出すには「労を惜しまないのはあたり前です」と話す店主の九鬼修一さん。汁なし担担麺に特化した2号店も目下、画策中だ。
    屋号「香噴噴(シャンペンペン)」とは中国語で「よい香りがぷんぷんする」という意味。名の通り、香りを重視した担担麺はただ辛くて痺れるだけでない、汁や具材の旨みもしっかりと感じられる奥深い味が特長だ。店主の九鬼修一さんは、調理師専門学校で中華料理を専攻後、ホテルや中華料理店で修業を重ね、担担麺の名店で腕を振るったあと、昨年1月に独立した。メニューは担担麺の汁なし、汁あり、成都、そして麻辣麺の4品。うち成都担担麺はグルメサービスサイトSARAHが主催する「JAPAN MENU AWARD」で2018年度上半期SARA JAPAN MENU AWARDに選出されている。
    わずか12席のカウンターに昼だけで50~70人も訪れるという人気の秘密は、丁寧な仕込みから生まれる店独自の味にある。スープ、タレ、辣油ほか自家製調味料などを仕込むのは休日や閉店後。ほぼ一人で行う作業は深夜2時にまで及ぶ。例えば戻した干しエビを一度蒸したり、茸に塩を振って四川の乾燥茸のように旨みを凝縮させたり、またニラや小ネギはフードカッターを使わずに手切りし、同じ大きさに揃えて食感を活かすなど、中華の技法を駆使することで他にない味を作り出す。ほかにジャスミンライス、自家製黒烏龍茶、成都担担麺に合うギネスの瓶ビールなど、メニューをよりおいしくたべるためのご飯やドリンクにもこだわる心配りもまた、ファンの心を掴んでいる。
  • 基本情報
    店名 香噴噴 東京木場
    住所 東京都江東区東陽3-6-2 小鳥居ビル 1F
    電話 03-6331-0061
    営業時間
    11:00~14:15 18:00~22:30土曜、祝前日は21:00まで 祝日はランチのみ 材料がなくなり次第終了
    定休日

    日曜日

    席数

    カウンター12席

    主な客層

    近隣の勤め人や夜は近隣住民も。土曜祝日は遠方からの客やカップル客も多い

    予算の目安 ~1,000円
    開業 2017年1月
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。