【燻製料理】EBISU燻製 APARTMENT CAVE

東京都/渋谷区

大使館の多い渋谷区代官山エリアはハイセンスな店が点在する高級住宅地ですが、近年では可愛いカフェも次々とオープンして東京の新しい観光スポットとなっています。「EBISU燻製 APARTMENT CAVE」は、そんな表通りの喧騒からは想像できない閑静な場所にある燻製専門のダイニングレストランです。「香りの調味料」と言われる燻製は元々、保存のための調理法でしたが、用いるチップや燻製時間により完成後の味や香りもさまざまです。素材の持ち味を活かし、よりおいしくする燻製料理の技に着目しました。
 
クローズアップメニュー


黒毛和牛肩ロース ダッチオーブンで食べる燻製すき焼き 2,800円(税抜)
燻製生卵と燻製トマトシャーベットの2種類のつけだれで食べるすき焼きは、燻製生卵を考案し、それに合う料理を探して考えついた看板メニューです。「燻製によって生まれる新しいおいしさを楽しんでほしいので」という総料理長の杉山幸弘さんの考え方から、やわらかく赤身と脂のバランスが良い黒毛和牛肩ロース以外はあえて特別な具材を用いるのではなく、すき焼きで使われる定番の野菜を組み合わせています。「まずは煮えた肉を2種類のつけだれで食べてもらって、肉の旨みと燻製の香りとの好相性を味わっていただきたいです」と杉山さん。溶いた燻製生卵に熱々の肉をくぐらせて食べるとまず、普通の生卵では味わえない濃い旨みとスモーキーな味わいに驚きます。シャリシャリの燻製トマトシャーベットを牛肉で包んで食べるとトマトの酸味でさっぱりとした中に旨みも感じられ、後から燻製の香りが追いかけてきます。新鮮な驚きに満ちた燻製すき焼きは、前菜からデザートまで10品の燻製料理が味わえるコース(5,500円 税抜)のメインともなっており、それぞれ一人分ずつ小さなダッチオーブンで供されます。
技のポイント1
 

酒、みりん、酒、三温糖に自家製の燻製醤油を加えて作る割り下

すき焼きの割り下は酒、みりん、燻製醤油を各100㏄に対して三温糖30gの割合で混ぜ合わせて作ります。使う燻製醤油ももちろん自家製です。液体を燻製にする場合、中まで薫香を入れるのは難しいため、皿に醤油を入れて液体の表面積を広くし、桜のチップを用いた熱燻で3分間燻します。この燻製醤油とは別に九州の刺身醤油を燻製にかけた製品もインターネットで販売しています。
技のポイント2
 

燻製トマトのシャーベットで、夏でもおいしく食べられるすき焼きに

桜のチップで熱燻にかけて表面にしっかりと薫香をつけた丸ごとトマトを一度凍らせ、オーダーが入ってからすりおろして、シャーベット状にします。熱々のすき焼き肉に燻製トマトシャーベットをたっぷりと包んで食べると、冷たくさっぱりとした味わいの中に肉の旨みもしっかり感じられ、燻製によって凝縮されたトマトの旨みとの相乗効果で、暑い夏でもすき焼きが進みます。燻製したトマトシャーベットとすき焼きという驚きの組み合わせながら、一度食べればそのおいしさにはまる人が多いというのも頷けます。
技のポイント3


 

すき焼きの定番つけだれ「生卵」に燻製をかけて、深みのある味に

ポピュラーな茹で卵の燻製ではなく、「生の卵を燻製にしたらどんな味になるのだろう」との好奇心から生まれた生卵の燻製です。見ただけでは燻製とは気づかない生卵ですが、食べてみると濃厚な味と鼻から抜ける薫香が印象的です。生卵を加熱せず、このまま食べるのに一番ふさわしい料理を考えた末、「すき焼き」にたどり着きました。燻製卵を最大限活かすため、オーソドックスな見た目のすき焼きですが、食べると割り下で甘辛く味つけされた牛肉との相性が良く、スモーキーな深みのある味わいは、食べた人の記憶に確実に残ります。

 
オススメメニュー1

燻製タラコ 900円(税抜)

コースの〆で供される「燻製タラコお茶漬け」の燻製タラコは、酒肴としても人気の一品。30℃以下の冷燻で8時間じっくり燻すことで旨味が最大限引き出され、塩の尖った印象もありません。マイルドな塩加減と濃厚な味わいはビールやワインはもちろん、日本酒にも合うと好評です。
オススメメニュー2
自家製味噌漬けベーコン 980円(税抜)
旨味の濃い肉と甘みのある脂が特長的な富士黒豚のバラ肉を3日間塩漬けにし、さらに信州味噌にはちみつを加えた味噌床に3~4日漬けた後に、冷燻で12時間じっくり燻したベーコンです。ソフトな食感と凝縮された旨味、上質な脂の甘みが愉しめる一品です。
オススメメニュー3
燻製チーズ豆腐350円(税抜)
ダッチオーブンで熱燻製をかけた豆腐にクリームチーズを混ぜ込み、仕上げに24時間冷燻をかけた燻製塩をかけています。滑らかな食感と濃厚な味わいはワインにぴったり。見た目以上にボリューム感のあるおつまみです。
 
  • お店紹介
    「燻製料理の面白さはジャンルにとらわれず自由に発想できる点」だと杉山さん。「いま食べた料理を燻製にしたらどうなるか?と考えて実験することが多いです」
     裏通りの地下ワイン貯蔵庫がそのまま店になった「EBISU燻製 APARTMENT CAVE」は、扉を開けると壁一面のワインクーラーとゆったりとした一枚板のカウンター、奥へ進むと正面にワイン貯蔵庫とクラシカルなスピーカーを臨む落ち着いたテーブル席があります。ダークな色調でまとめた店内はまさに「大人の隠れ家」と言うべきダイニングレストランです。「EBISU燻製 APARTMENT CAVE」は既に品川、中目黒、麻布十番などで人気を博している燻製専門店の新店として昨年11月にオープン。メニュー開発を担当する総料理長の杉山幸弘さんは学生時代にアルバイトで働いた店で、素材の味と香りを劇的に変化させる燻製の魅力にはまり、以来、チップの種類、熱燻か温燻か冷燻かで変わる燻製の在り方を研究しながら試行錯誤を繰り返し、オリジナルの燻製料理を生み出してきました。
     店では冷燻に使う燻製器とは別にダッチオーブンも燻製道具として使っています。鋳物製なので熱伝導が均一で蓄熱力に優れているため、燻製にも適した道具であると共にカウンターから見える大きなダッチオーブンや、看板メニューの燻製すき焼きに使う小型ダッチオーブンは店の雰囲気に欠かせない道具にもなっています。
     燻製チップは、やさしい香りがつく桜を野菜、白身の魚、醤油、チーズ、豆腐などに、香りの強いヒッコリーは肉や卵にと使い分け、さらに高い温度で短時間燻すか、低い温度で長時間燻すかは、イメージした完成形から逆算して燻製方法を決めるそうです。「目指すのはあくまで素材の持ち味を活かした燻製料理です。お客様には、おなじみの素材が燻製でこんなにおいしくなるんだと、驚いていただきたい」と語る杉山さんは、たとえば何種類か料理を頼んだときにすべてが同じ燻製の味と香りにならないよう、素材によって変化に富んだ味づくりを心掛けています。
     主な客層は30~40代の男女や女性グループ。夜8時までは全10品からなる燻製料理のコースのみの提供となりますが、8時以降は一品料理の提供も始まり、ゆっくりお酒を楽しむ2軒目利用のお客様も増えてきます。
     ワインはボトル5,000円からと若い世代にも優しい値段設定となっており、メニュー以外にセラーからおすすめワインを選ぶ楽しみもあります。他に燻製ビール(シュレンケルラ・メルツェン)や、燻製レモンを漬けこんだウィスキーで作る燻製ハイボール、燻製トマトジュースで作るレッドアイなど、お客様の好奇心をくすぐるドリンクメニューも用意。初めてのお客様にはお酒のつまみとして「燻製おまかせ盛り合わせ(5種)」(2名様1,900円~)が好評です。オリジナリティあふれる燻製料理の数々を楽しみながら、燻製の奥深さにも触れられる貴重なレストランです。
  • 基本情報



    店名 EBISU燻製 APARTMENT CAVE
    住所 東京都渋谷区恵比寿西1-30-9パサージュ代官山B1
    電話 03-6416-3866
    営業時間 17:00~23:30(L.O.フード 22:30 ドリンク23:00)20:00まではコースのみ
    定休日

    月曜

    席数

    32席(カウンター8席、テーブル24席)

    主な客層 30~40代中心。カップルや夫婦での利用が多い。会社での接待利用も。
    予算の目安 6,000~8,000円(アルコール含む
    開業 2018年11月
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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