【洋食】RESTAURANT七條

東京都/千代田区

地下鉄小川町駅や淡路町駅から徒歩5分ほど。「RESTAURANT七條」は、神田のオフィス街にひっそり佇む小粋な洋食店です。昼にはフライやハンバーグなどおなじみの洋食メニューがメインですが、夜にはフライ以外に鴨もも肉のコンフィや仔羊背肉のローストなどのフレンチメニューがリーズナブルに味わえる店として、「ミシュランガイド東京」のビブグルマンにも掲載された人気店です。ランチ時すぐ満席になる店には近隣に勤める人だけでなく、わざわざ遠方から足を運ぶお客も多いとか。開店から40年以上もの間、変わらずに愛され続ける味の秘密をうかがいました。
 
クローズアップメニュー


ミックスフライ 1,340円(税抜) ※ランチタイム限定

夜はそれぞれ350円で提供するフライを3種類盛り合わせたお得なランチ限定メニューです。プリっとした歯ごたえの甘い身とサクサク衣とのベストマッチが味わえる海老フライ2本とズワイガニの身がたっぷり入ったクリームコロッケ、ふんわり身の厚い鰺フライの組み合わせ。添えられたタルタルソースがフライ類のおいしさをより一層引き立てます。さらに、自家製ポテトサラダとたっぷりのキャベツ、ご飯かパン、カップスープもついています。豊洲市場で仕入れる新鮮な鯵を使った鯵フライはほんのり香るカレーが食欲を刺激し、自家製ベシャメルソースを使って作るクリームコロッケも優しい味ながらボリューム満点です。季節によっては鰺フライが牡蠣フライや帆立フライになるそうです。
技のポイント1
 

酸味を利かせた自家製マヨネーズでタルタルソースを作る

海老や帆立、牡蠣のフライに必須のタルタルソースは、酸味を利かせた自家製マヨネーズが味の決め手。マヨネーズの材料は卵黄、ビネガー、サラダ油、フレンチマスタード、塩とオーソドックスながら、ビネガーに酸味が強くフルーティーなシェリービネガーを使うことで、キレの良い味に仕上げています。ちなみに七條で使っているシェリービネガーの酸度は7.5。一般の純米酢4.5に比べ酸味が強く、熟成による豊かな香りが特徴的です。
1回に仕込むマヨネーズの材料は卵黄8個、フレンチマスタード大さじ2、サラダ油3kg、シェリービネガー200g、塩50g、こしょう適量。最初に卵黄とマスタードを合わせ、そこへサラダ油を少しずつ加えながら高速で攪拌します。生地がホイッパーにつくくらい固くなってきたら、シェリービネガーを加えて攪拌して生地を緩めます。この作業を3回ほど繰り返し最後に塩とこしょうを加えて混ぜ合わせることで、滑らかでクリーミーなマヨネーズができ上がります。

 

タルタルソースはでき上がったマヨネーズにみじん切りにして塩でもんでから水気を絞った玉ネギ3個分、細かく刻んだケッパー60g、きゅうりのピクルス550g、茹で卵8個分を加えて混ぜ合わせ、塩、こしょうで味を調えます。素材それぞれがバランスよく混ざり合い、コクがありながらキレの良い味でフライをさっぱりと食べさせてくれます。
技のポイント2

 

海老は丁寧な下拵えで形よく、ぷりぷり食感に

海老フライの海老は冷凍ブラックタイガーを使います。冷凍海老は流水解凍ではなく、1~1.5%の塩と同量の重曹を入れた水に漬けて、ゆっくり解凍することで海老が水っぽくならず身をプリっとすることができます。水気を拭き取った海老は尾の部分を残して殻をむき、背に包丁で切り込みを入れて背ワタを取ります。次に腹の方に斜めに切り込みを入れ、再び返して海老の両側を指で挟むようにして押さえて形をまっすぐに整えます。切り込みを入れて筋を切ることで揚げたときも曲がらずにきれいに仕上がります。最後に油はねを防ぐため、尾を包丁でしごいて水分をかき出しておきます。
鰺は三枚におろして軽く塩を振り、水気を拭いておきます。ズワイガニのクリームコロッケは、ズワイガニのほぐし身、刻んだ玉ネギ、マッシュルーム、自家製ベシャメルソースを混ぜ合わせ丸めておきます。
技のポイント3 


 

卵水とパン粉を二度漬け コクがあり油切れの良いラード油でからりと揚げてサクサクの仕上がりに

衣が厚くならず、サクサクに仕上げるために粉は強力粉を使い、パン粉は細かく挽いた生パン粉を使います。海老に粉を全体に薄くまぶしつけたら余分な粉を落とし、全卵に水少々を加えた卵水にくぐらせてパン粉を入れたバットに移し、パン粉を全体にまぶしたら手で優しく押さえて海老になじませます。形を整えたらもう一度卵水にくぐらせてパン粉をつけ、余分なパン粉を落とし、180℃の油に入れて2分半~3分、きつね色になるまで揚げます。油はコクと香りがあり、また油切れも良いラードを使います。

 
オススメメニュー1

豊洲市場八木正さんより活〆天然お魚のカルパッチョ 1,800円(税抜)

天然お魚のカルパッチョは見た目も爽やかで美しく、シャンパーニュや白ワインなど最初の一杯によく合う人気の前菜。この日の魚は平目です。生海苔の上に平目を置き、塩、オリーブオイル、シークワーサーをふり、エシャロット、茗荷、ディル、セルフィーユと、ヴィネグレットで和えたトマトをのせて仕上げます。旨みのある平目と爽やかな香りのハーブとの好相性に加え、ピンクペッパーや塩昆布が良いアクセントになっています。
オススメメニュー2
和牛ほほ肉のハチミツと赤ワイン煮 2,200円(税抜)
シェフの七條さんが30年以上作り続けている定番メニューの一つ。ハチミツ香る赤ワインソースでいただく、ほほ肉の煮込みはまさにフレンチの王道を行く一品です。和牛ほほ肉を赤ワインと香味野菜に一晩漬けたあとに、塩、コショウして焼き、同じく焼いた香味野菜と共に再び赤ワインで煮込んで作ります。ソースは肉を引き上げた後の煮汁にはちみつ、赤ワインビネガー、さらに赤ワインも足して煮詰め、最後に塩で味を調整。ワインの酸味も感じられるこっくりとしたソースと柔らかくとろけるほほ肉との組み合わせは、誰をも虜にする味わいです。
オススメメニュー3
胡桃入りチョコレートテリーヌとピスタチオのアイスクリーム 700円(税抜)
チョコレートテリーヌも30年間少しずつ進化させながら作り続けている定番デザートです。テリーヌはチョコレートにプラリネ風に刻んだクルミ、バター、卵を加えて冷やし固めたもの。ねっとりした食感のテリーヌとカリッと香ばしい胡桃との好相性が楽しめ、濃厚でコク深いピスタチオアイスクリームと一緒に食べることで、より印象が深まります。
  • お店紹介

    七條さんと共に厨房を担当する息子の圭さん(右)と娘の光さん(左)は頼りになる助っ人。「目標はいま在る料理を、より『澄んだ味』に洗練させることです」

     「RESTAURANT七條」は1976年、現オーナーシェフ七條清孝さんのお父様が料理人を雇って神保町の小学館ビル地下に開業しました。2013年には小学館ビルの建て替えに伴って現在の場所に移転しましたが、丁寧に手づくりされるフライやハンバーグ、カレーなどの洋食メニューの美味しさは、移転前から味にうるさい文化人が多い神保町界隈でもつとに有名で、既に行列のできる人気店でした。2代目である七條さんが厨房に入ったのは開業後10年ほどして。その後、定番の洋食メニューに留まらないワインと共にゆっくり楽しめるメニューの必要性を感じた七條さんは、自身の腕を磨くため、店の定休日を利用して四谷の有名フランス料理店「北島亭」に通い、フランス料理の基礎を学びました。その成果が盛り込まれているのが、七條らしく洗練された定番の洋食と、繊細で手の込んだフランス料理とが共存する現在のメニューとして表れています。メニューは前菜9種類、メイン13種類のほか、揚げ物やサラダ・スープなど、日本人が愛してやまない洋食からフレンチビストロ料理まで豊富な品揃えで、神保町時代からのお客も含めて男女を問わず幅広い年齢層を惹きつけているのです。
     酒屋から届くたびにティスティングして選ぶワインはブルゴーニュ、ボルドーなどフランスワインを中心に常時60種類を揃えフルボトル白が6,500円、赤が6,000円から。ボトル4,000円、カラフェ2,000円のお手頃なハウスワインもあり、洋食にあうビールは生ビール(550円)以外にコク深いベルギービールのデュベル(1,000円)とホワイト(850円)の2種類を提供しています。メニューより一品ずつ選べる七條コース(4,800円)もありますが、アラカルトで前菜とフライ、メインを選び、好きなお酒と共にシェアして楽しむ常連客が多いそう。料理の味はもちろんのこと、接客担当の奥様はじめ家族で切り盛りする温かい雰囲気を愛するお客で今日も賑わっています。
  • 基本情報


    店名 RESTAURANT七條
    住所 東京都千代田区内神田1-15-7AUSPICE内神田1F
    電話 03-5577-6184
    営業時間
    11:30~14:00(L.O.) 18:00~20:30(L.O.)
    第1.3土曜日 11:30~14:00(L.O.)
    定休日

    日曜・祝日 第2、第4土曜日

    席数

    27席(個室10席)

    主な客層 30~50代
    予算の目安(夜) 8,000~9,000円(アルコール含む)
    開業 1976年5月
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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