【カレー】TAKEUCHI 神保町本店

東京都/千代田区

カレーファンのあいだでは〝ビジュアル系カレー〟とも称される遊び心満載のメニューの数々が人気のカレースタンドです。トッピングの野菜もバラエティ豊かで、カットや盛りつけに趣向を凝らし、華やかな一皿に仕上げています。オーナーの竹内 智さんは長らくフランス料理など洋食のキャリアを歩んだあとにカレー専門店を開業。ところが提供するカレーではバターを使わず、小麦粉も最小限。さらにスパイスではチリペッパー(唐辛子)抜きという独特なレシピで、欧風カレー、インドカレーといったカテゴリーにくくることのできない個性を打ち出し、カレー激戦区である神田神保町でも行列のできる繁盛店となっています。
 
クローズアップメニュー


煮込みハンバーグカレー膳 850円(税込)

メインのハンバーグを覆い隠してしまう野菜のデコレーションが圧巻の人気ナンバー1メニューです。カボチャ、ニンジン、ピーマンなど10種類を超える野菜は、素揚げ、ボイル、フレッシュなどそれぞれに合った調理法を採用。取材時は秋真っ盛りの10月ですが、トンボに型抜きされたニンジンやモミジの飾りなど季節感の演出も忘れていません。ハンバーグはデミグラスソースで煮込んでおり、カレーとデミグラスソースの2つの味が楽しめる点もユニーク。通称〝マンガ盛り〟と言われる山型に盛られたご飯、なるとを飾ったみそ汁など、細部にまで手を抜かない遊び心に脱帽です。そんな竹内シェフのこだわりは、もちろん味への追求にも反映されています。カレーはスパイスと香味野菜を煮込むところから手作りしていますが、爽やかな香りとすっきりした辛さで食べたあとももたれない軽さが特徴。ハンバーグは肉々しさを持たせつつデミグラスソースの旨みをほどよく吸い込んだ上品さが商品力の肝となっています。
技のポイント1
 

 

スタータースパイスと香味野菜をアメ色になるまでじっくり炒めます

スタータースパイスはシナモン、クミンシード、フェンネル、グリーンカルダモン、マスタードシード、キャラウェイの6種類。これら各60gを多めのサラダ油で揚げ炒めて香りを立たせます。香ばしい香りが強くなってきたところで、フードプロセッサーでペースト状にしたニンジン2本分とセロリ1本分、ソテーオニオン1kg、塩を加え、じっくりと弱火で炒めて野菜の水分を飛ばしていきます。
技のポイント2

 

 

チリペッパーを使わずにキレのいい辛さをつくり出します

野菜の水分が飛んで全体的にアメ色になったところで、薄力粉100g、パウダースパイス500g、カットトマト2550g缶、牛スジスープ2.5ℓを入れて煮込みます。
パウダースパイスはパプリカパウダー、クミン、コリアンダー、フェンネル、ブラックペッパー。チリペッパー(唐辛子)を一切使わずに辛味を表現している点が大きな特徴で、これがあとを引かないすっきりした辛さの秘訣といえます。その後は弱火で煮詰め、余分な水分がなくなり、ゼラチン質のとろみが出てきたところで粗熱をとって冷蔵保存します。注文を受けてから一人前を鍋にとって再加熱しますが、そのタイミングでカルダモン、クローブ、コリアンダーを新たに加えることでフレッシュな香りを表現します。
技のポイント3 

 
 

2種類の挽肉と粉状にした麩が、煮込んでも型崩れせず肉の旨みを保持するポイント

ハンバーグの重量は150gで1日50個作ります。粗挽きした豚肉と一度挽きした牛豚を7対3の割合で練り合わせます。その他の材料は全卵、トマトピューレ、塩、麩、マスタード、ブラックペッパー、ソテーオニオン、パン粉。挽肉は煮込んでも型崩れしないよう一度挽きの合挽肉でつなぎ、粗挽き肉で肉々しさを表現します。また麩を入れることで長時間煮込んでも旨みの素となる肉汁を保持する力を高めています。練り時間は5分程度で粘りが出る手前が止めて成型します。
技のポイント4 

 
 

しっかりと表面を焼き固めてからデミグラスソースで煮込んでいきます

成型後はすぐにフライパンで両面を2分ずつ強火で焼きます。表面を焼き固めることで煮込んでも型崩れするのを防ぐことが目的で、側面にもしっかり焼き目をつけます。その後はデミグラスソースに入れて弱火で約40分煮込みます。デミグラスソースは野菜の端材やトマトなどを継ぎ足したものを使用しています。ハンバーグの中心まで熱が入ると浮かんでくるので、そのタイミングで火を止めます。仕上がったハンバーグはソースのコクを吸い込みながらしっかりと肉の旨みを閉じ込めています。
オススメメニュー1

海カレー膳(ホタテ、エビ、イカ入り) 900円(税込)

皿の中央にご飯の島をつくり、それを囲む海のようにカレーを盛りつけます。具はソテーしたホタテ、エビ、イカで、注文を受けてから調理してプリっとした食感を表現しています。カレーベースと生クリームを1対1の割合で合わせ、辛さ控えめのまろやかな味わいに仕上げています。蒸したニンジン、ブロッコリーの下には赤・黄パプリカ、レタス、紫キャベツを細かく刻んだものを敷いてカレーソースとの相性を高めています。
オススメメニュー2
キーマ風カレー 900円(税込)
芸術的に盛りつけられた素揚げ野菜の下に隠されているキーマ風カレーの具材は、挽肉ではなくエビ、イカ、タコをミンチにしたもの。煮込み時間は15分ほどと短く、身のプリっとした食感を維持しています。一緒に煮込む豆類はレッドビーンズとひよこ豆の2種類です。同商品のみ、15時以降にミニカップ入りのテイクアウトを500円で提供しており、こちらも好評です。
オススメメニュー3
イベリコ豚と煮込み野菜のスパイシーチーズカレー膳 1,000円(税込)
カレーベースに自家製のチキンブイヨンと特製スパイスを加えて辛さを増しています。イベリコ豚の肩ロースは表面を軽くソテーして1時間煮込んだあと、ウォーマーで保温することで柔らかい食感を残しています。ご飯の上に盛られたトッピングに野菜だけでなくナッツやドライフルーツ(イチヂク)、季節のフルーツ(柿)が加わっているのがポイント。それぞれの甘みがカレーの辛さをまろやかにして上品な味の変化を楽しめるのです。
  • お店紹介

    「見た目が地味になりがちなカレーを格好良くしたい。盛りつけはますますエスカレートしていってますね」と笑うオーナーシェフの竹内 智さん。

     鉄道系シェフ〟を自称する竹内シェフ。店内には、竹内シェフが撮影した鉄道写真のみならず、実際に駅で使用されていたであろう路線図やプレートが店内に飾られています。「小学生のころは部屋いっぱいに鉄道模型を走らせていましたね」と笑うが、そこで育まれた〝ジオラマ感覚〟がカレーのデコレーションに活かされているのでしょう。もちろん、そこまで遊び心ある盛りつけを打ち出しつつも、今のように人気店になるにはやはり料理人としての熟練した腕がないとできることではありません。
    竹内シェフは、東京・西麻布の「ビストロ・ロテュース(クイーン・アリス)」で料理の鉄人でも知られる石鍋 裕シェフに師事。その後「ホテルニッコー」などで研鑽を積んだあとにイタリア料理店を開業して独立しました。ここでランチに提供していたカレーが好評だったことからカレー専門店を開業。「自分のカレーの作り方は、ソースを作る感覚に近い。しっかり煮詰めて旨みを凝縮させるのがポイントで、風味も食材を引き立てることを念頭に置いています」と、フランス料理出身ならではの調理技術を活かした味作りが個性となっています。
    来店客に占める女性客比率は4割とカレースタンドとしては高めで、盛りつけのかわいらしさや野菜をたっぷり摂れるヘルシー感が女性客の高い支持につながっています。
  • 基本情報

    店名 TAKEUCHI 神保町本店
    住所 東京都千代田区神田神保町1-20-3 1F
    電話 03-3292-0523
    営業時間 11:30〜19:00頃(ハンバーグ、カレーがなくなり次第閉店)
    定休日

    日曜日、祝日

    席数

    7.5坪12席

    主な客層 30〜50代の近隣会社員
    予算の目安 1,000円
    1日の客数 100人
    開業 2013年9月12日
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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