【ビストロ】マイクロビストロ ペタンク

東京都/台東区

カウンター8席のみの小さなビストロで2017年オープンながら「ミシュランガイド東京」で2019、2020と2年連続ビブグルマンに選ばれている実力店です。鶏のレバーのムースや鴨肉のローストなどビストロとしてのメニューから、ゆで玉子(ウフマヨ)や唐揚げ(チューリップカラアゲ)、オムレツといった大衆料理まで取り揃えており下町の気軽なワイン酒場の面を持っています。しかしそのどれもが様々な修行先で培ってきた技術と経験による魅力的な味を実現しています。オーナーシェフ山田武志さんの親しみやすいキャラクターもお客さまを魅了する一因で連日満席の賑わいを見せています。
 
クローズアップメニュー


和豚もちぶたのポークジンジャー 1,600円(税抜)

生姜焼きを思わせる親しみやすい味つけ、なのにワインとも相性抜群な味にまとまっているところが人気の一品です。バーボンの甘い香りと煮詰めた穀物酢のコクがショウガと醤油のパンチをまろやかに包んで奥深い味に仕上がっています。調理もサービスも山田シェフひとりで営業しているにもかかわらず、営業前の仕込みはジンジャーソースとポテトフライの下揚げくらい。ほぼツーオーダーで調理しますがオーブン調理や肉を休ませる時間など、調理中でも接客可能なタイミングや、お客さまの食事の進み具合に合わせて調整するタイミングをとる「間」をとったオペレーションに山田シェフの「おいしい料理を、おいしいタイミングで提供したい」想いが現れています。つけ合わせのポテトフライにも味わいを高めるひと工夫が。異なる2〜3品種のジャガイモをミックスして使い、大きさはあえて大小バラバラの乱切りにカットして揚げています。意図的に異なる食感、異なる揚げ具合に仕上げることでかえって複雑な味が生まれ、最後まで食べ飽きないという狙いなのです。和豚もちぶたの肩ロースを使ったメニューは、オープン当初こそタプナードにしたり、マデラソースで仕上げたりとビストロらしいスタイルを模索していましたが、お客さまの反応を見ながら試行錯誤した結果、現在のスタイルに落ち着きました。
 
技のポイント1(豚肉の焼き)
 

仕上げの工程を考慮して熱を入れすぎない

豚肉は「和豚もちぶた」の脂と赤身のバランスがよい肩ロースを使用。脂の軽い味わいと赤身の肉質が柔らかいのが特徴です。これを3センチ前後の極厚切りで、ポーションは250g前後とボリューム満点。軽く塩胡椒を振ってフライパンでソテーして表面に焼き色をつけたら180℃のオーブンで6〜7分かけて加熱していきます。
 
技のポイント2(ジンジャーソース)

親しみやすい生姜焼きをベースに、ワインにあう風味づけを施す

ジンジャーソースの材料は写真左上からショウガ、ニンニク、チリパウダー、丸大豆醤油、穀物酢、グラニュー糖。
ショウガとニンニクの割合は2対1で、どちらもすりおろして他の調味料と合わせておきます。
〝生姜焼き〟の要素が強いように感じますが、チリパウダーの辛味と後に使用するバーボンの風味がワインに合う味にまとまるところが調味の妙と言えます。
技のポイント3(バーボンでフランベ)

 
 

香りがしっかり残るバーボンでフランベして風味を高めます

豚肉はまだ芯まで熱が入りきってないタイミングでオーブンから取り出し2〜3分休ませます。余分な脂を取り除いてから火にかけ、バーボンを注ぎ入れてフランベします。次にバターをひとかけ入れて溶けたところで仕上げのジンジャーソースを入れ、豚肉にからませながら煮詰めていきます。
 
オススメメニュー1

ウフマヨ 300円(税抜)

フランス料理の定番前菜でもあるウフマヨは、調理も盛りつけもシンプルに徹して300円の「酒場プライス」を実現。気軽な店をアピールするのに一役買っています。マヨネーズは卵黄にグレープシードオイル、アンチョビ、マスタード、塩を合わせたもの。塩気はアンチョビ、酸味はマスタードで表現し、お酒が進む味に仕立てています。
 
オススメメニュー2
チューリップカラアゲ 800円(税抜)
こちらも下町のワイン酒場をイメージして商品化した一品で、パリっと衣が弾ける歯ごたえと柔らかい肉質の鶏肉の食感が小気味よい味わいです。ニンニク、ショウガ、白ワイン、醤油を合わせたマリネ液に一晩漬け込んだ鶏肉に、強力粉とタピオカ粉にクミンやチリパウダーなどのスパイスを配合した唐揚げ粉をつけ、170℃の油で2分間下揚げし、2分休ませたあとに再度2分揚げて仕上げます。マヨネーズは、卵黄にグレープシードオイル、白ワインビネガー、マスタード、そしてアクセントに七味唐辛子を練り込んでいます。数十年前に家庭料理で人気だった「チューリップ唐揚げ」を再現しているところもポイント。昭和世代の中高年客には「懐かしい」、若い世代には「新しい」と感じるようで、それが自然とお客さま同士の会話が生まれる〝小道具〟にもなっているのです。
 
オススメメニュー3
浅草 開化楼パスタフレスカ!! スペシャル!!にぼバター 1,200円(税抜)
東京・日本橋にある太麺パスタに煮干粉を和えた個性的なパスタ「にぼたん」で人気の店「sisi煮干啖」などを経営する高山いさ己シェフとの交流をきっかけに誕生したシメの一品。「高山シェフがうちでにぼたんを作ってくれたときに、余った材料をバターに合わせてみたらとてもおいしかったんです」と山田シェフはにぼバター誕生のきっかけを語ります。
合わせるパスタはラーメン用の製麺で定評のある浅草開化楼がパスタの製麺に挑戦して開発された低加水パスタフレスカ。極太の生パスタならではのモッチリ感とパツッと切れのいい歯ごたえの両方が楽しめるクセになる一品です。
作り方は茹であがったパスタににぼバターを和えるだけ。シンプル調理で山田シェフのワンオペレーションをサポートしています。
 
  • お店紹介

    お客さまからは「美味しかったと言われるより、楽しかったと言われるのが一番嬉しい」と話す山田武志シェフ
     
    「これまで自分がお客として食べに行って、働きたいと思った店でしか働いたことがない」と語るとおり山田シェフの経歴はとてもユニーク。魚料理に評価の高い老舗フランス料理店「ヌキテパ」、東京を代表するグランメゾン「ザ・ジョージアンクラブ(現在閉店)」、日本料理やアジア料理の要素をふんだんに取り入れたパリのビストロ「ズ・キッチン・ギャラリー」等々、個性の異なるお店ばかりです。初めてオーナーシェフとしてオープンした同店では「まずは料理もサービスもすべてひとりでできようにしておきたい」と考えたそうです。お客さまとの距離の近い空間は、人なつこい山田シェフのキャラクターにぴったりで、料理と会話を楽しみに訪れるお客さまで連日満席の盛況ぶりです。日替わりのフードは24品と絞り込んでいますが、ウフマヨやパテカンとラペのような庶民的なビストロ料理から、ズワイガニのマカロニグラタン、タイカレー風味のようなエスニックの要素を採り入れたものなど山田シェフならではのひとひねりが感じられます。それがお客さまを引き寄せる魅力となっているのです。ドリンクは自然派ワインとボトルで提供するクラフトビールのみ。その理由について「狭い店ですから同じような価値観、目的のお客さまが集まる店にしたい。そうすることでお客さま同士の出会いが生まれ、店の雰囲気がよくなるんです」と山田シェフ。どうしたらお客さまに楽しんでいただけるかをベースにしたチョイスにセンスを感じさせます。グラスワインは10種類を900円の均一価格で揃えていますが、高価格帯のワインも量を調整して提供しています。そうした気遣いもワインラバーに愛される理由です。

  • 基本情報

    店名 マイクロビストロ ペタンク
    住所 東京都台東区浅草3-23-3 上野ビル101
    電話 03-6886-9488
    営業時間 〈月曜〜金曜〉17:00〜24:00、〈土、日曜・祝日〉15:00〜22:00
    定休日

    不定休

    席数

    8席

    主な客層 近隣住民、カップル、外食好きの30代〜50代男女
    予算の目安 4,000〜6,000円
    開業 2017年4月1日
    HP https://www.facebook.com/petanqueasakusa/
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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