【洋菓子】pâtisserie LA VIE DOUCE(パティスリー ラ・ヴィ・ドゥース)本店

東京都/新宿区

人気洋菓子ランキングに必ずといっていいほどランクインしている「シュークリーム」。本場フランスでは「シュー・ア・ラ・クレーム」と呼ばれています。フランス語で「キャベツ」のことを「シュー」といい、その形に模していることからこのような名前になりました。16世紀中頃、フランスでシュー生地を使った菓子が流行し、シュークリームの原型が誕生し現在に至ります。今回は、新宿区曙橋にある「パティスリー・ラ・ヴィ・ドゥース」で人気の「四谷シュー」をご紹介します。
 
クローズアップメニュー


四谷シュー 270円(税込)
独特の丸みを帯びたフォルムの「四谷シュー」は、「パティスリー ラ・ヴィ・ドゥース」の看板メニューで、多いときで1日に60~70個も売れている人気スイーツです。地元に住む方たちはもちろんのこと、小さなお子様連れのご家族や近隣のオフィス界隈で働くサラリーマンにも好評。なかには一人で10個も注文されるお客様もいるそうです。ベースの薄いパイ生地とトップのクッキー生地にサンドされたシュークリームは、クッキーのカリっとした歯ごたえと、柔らかいシュー、そしてバニラエッセンスの香りに満ちたカスタードクリームで一口食べるだけで幸福感に満ちあふれます。昨今は、コンビニでもシュークリームが販売されていますが、四谷シューは洋菓子専門店ならではの「技」によって作られたワンランク上のスイーツです。その四谷シューの作り方を、オーナーシェフ・堀江新さんから伺いました。
 
技のポイント1

 

一度沸騰させた後、薄力粉を入れて弱火~中火で炊くのがシュー生地づくりのコツ

シュー生地は最初に水、無塩バター、塩、砂糖を鍋に入れ、火に掛けて沸騰させます。

 


沸騰したら薄力粉を一度に入れてダマにならないよう、しっかり掻き混ぜます。再度、火に掛けながらよく混ぜるのですが、このとき強火ではなく弱火~中火で炊くのがポイントです。しっかり混ぜることで生地が浮かなくなり、火に掛けることで生地の水分を飛ばし、ほどよく粉に火を入れることができます。

 


練ったシュー生地をミキサーで軽く混ぜ、さらに水分を飛ばします。人肌くらいに温めた卵を数回に分けてミキサーに入れて混ぜ合わせます。卵を少し温めることによって、生地が混ざりやすくなり乳化しやすくなります。ただし温めすぎると卵が固くなってしまうので注意が必要です。卵は数回に分けて混ぜることで、生地がつながるようになります。
技のポイント2

パイ生地、シュー生地、クッキー生地の三層でサクっとした食感を生む

ベースとなるパイ生地は無塩バターをポマード状にして塩、砂糖を入れて混ぜます。準強力粉を入れて数回混ぜ、最後に冷水を入れながら混ぜます。生地を薄く伸ばし、シューのベースの大きさにカットし、オーブンで焼きます。
トップに乗せるクッキー生地は、無塩バターをポマード状にして粉糖を入れて混ぜます。そこに卵黄を数回に分けて入れ、生地を乳化させます。バニラペーストを入れ、薄力粉、ベーキングパウダーを入れて混ぜた生地をバットに移し、ラップをして一晩寝かせます。翌日、打ち粉をして生地を揉み込み、2mm厚に伸ばして丸型で抜き冷凍保存します。

 


あらかじめ作り置いておいた薄いパイ生地の上に、シュー生地を30gずつ絞ります。シュー生地の上に、あらかじめ作り置いておいたクッキー生地を乗せます。ベースの薄いパイ生地とクッキー生地でシュー生地をサンドし、それを冷凍保存します。
技のポイント3

 


冷凍保存した三層の生地を190度に熱したオーブンで目覚めさせる

製菓用スプレーオイルを型にふきかけたあと、ざらめを塗します。焼き上がり時にはざらめの香ばしい香りと甘味が、四谷シューの美味しさを引き立てます。

 
  
ざらめを塗した型に、先ほどの三層の生地を入れ、解凍させてオーブンにいれ、焼き上げます。

 
  
190度に熱したデッキオーブンで約40〜50分焼き、さらに100度のコンベクションオーブンで30〜40分乾燥焼きすると、四谷シュー独特のカリっとした食感で丸みを帯びたフォルムのシュー生地が焼き上がります。
技のポイント4

 


カスタードクリームはコシが抜けない火加減と混ぜ加減が重要

シュー生地が焼き上がるのを待つ間に、カスタードクリームを作ります。牛乳、生クリームを鍋に入れて煮立つ直前(90℃くらい)まで中火で温めます。一方、砂糖とトレハロースをよく混ぜ、その半量を牛乳と生クリームが入った鍋に入れ再度火に掛けます。

 

 

ラ・ヴィ・ドゥースでは四谷シューのカスタードクリームには、栃木大田原のブランド卵「那須御養卵」の液卵を使っています。液卵に残りの砂糖(半量)を入れて混ぜます。そこにバニラペーストとバニラエッセンスを入れて少し混ぜ、さらにプードル ア クレームを入れて混ぜます。

 

 

先ほど温めた牛乳・生クリームを入れて混ぜ、もう一度鍋に戻して中火に掛けます。だんだん固まってくるので、ダマにならないようしっかり混ぜます。火が弱すぎると固まり方が弱くなってコシが抜けてしまう(テロテロになってしまう)ので注意が必要です。混ぜていくうちに、カスタードは一度グッと固まりますが、さらによく混ぜるとなめらかになります。


 

カスタードをボールに移しラップを張り、氷を入れたボールを上下に設置し5℃くらいまで急冷します。

 

 

カスタードにクレーム・シャンティイ(生クリームに砂糖を入れて泡立てたもの)を3:1の割合で入れてよく混ぜます。混ぜすぎるとクレーム・シャンティイの気泡が潰れてしまい、コシが抜けてしまうのでサクっと混ぜます。これを「ディプロマットクリーム」といいます。

 

 

焼き上がったシューの底に穴を開け、ディプロマットクリームを60g入れます。

 

 

粉糖をまぶし、紙で包み完成です。

オススメメニュー1

和栗モンブラン 626円(税込)

通年販売している「モンブラン」とは別に、秋限定で販売されている「和栗モンブラン」。熊本県山鹿市の栗を取り寄せ、生栗を一粒ずつ丁寧に裏ごししてペースト状にします。ベースにはふんわりサクっとした歯ごたえのメレンゲ。その上にふんだんに盛られた生クリームと和栗のペーストは、この季節しか味わえない希少なモンブランです。一口味わうだけで、栗の風味が口の中に広がります。栗好きな方にはたまらない一品。11月一杯までの販売となります。新宿の本店、ならびに横浜店でも購入できますが数量限定のため予約することをオススメします。
 
オススメメニュー2
ラ・ヴィ・バッカス 518円(税込)
創設200年以上の歴史を誇るフランスの権威ある製菓コンテスト「シャルル・プルースト杯」。1995年、オーナーシェフの堀江さんは、このアントルメで栄冠を手にしました。オレンジを黒糖、バターなどで1日かけて煮込み、グランマルニエの香りを付け、VALRHONA社のシヴァ・ラクテ(カカオ分40%)、プラリネ、グランマルニエのガナッシュをサクサクのタルトに敷き詰めました。その上には、シヴァ・ラクテとアングレーズソースを合わせて作った軽いクリーム。ふわっとしたムースとサクっとしたタルト、チョコとオレンジの組み合わせは絶品。ラ・ヴィ・ドゥース開店以来、20年以上人気の商品です。

オススメメニュー3
ラヴィ・バニラサンド 237円(税込)
ベルギーの伝統的な菓子「ミゼラブル」を堀江シェフ風にアレンジしたのが「ラヴィ・バニラサンド」。スペイン産アーモンドを贅沢に使ったビスキュイをしっとり焼き上げ、マダガスカル産バニラと北海道バターを使用した口溶けのいいバタークリームをサンドしてあります。シンプルなお菓子ですが、ギフトとしても人気のスイーツ。新宿区指定の「しんじゅく逸品Ⓡ」に認定されています。本店、ならびに横浜店でも購入できます。
 
  • お店紹介
    オーナーシェフ 堀江新さん

    1967年、横浜生まれの堀江さんは当初、板前になろうと「大阪あべの辻調理師学校」に入学しましたがその後、縁があってパティシエに。葉山チャヤ レストランシステムズ、銀座和光ケーキショップ ルショワに勤務したのち、1992年渡欧。オーバーワイス(ルクセンブルク)、ダニエルジロー(フランス バランス)、パティスリーダム(ベルギー)、エコール ヴァローナ(フランス タンエルミタージュ)、パティスリーバジャール(フランス ポワティエ)といった名だたる名店で修業を積み帰国。1995年より銀座和光ケーキショップ ルショワに復帰、1997年からはシェフも務めました。2001年独立し新宿区 曙橋に「パティスリー ラ・ヴィ・ドゥース」をオープン。2011年には2号店となる横浜店がオープンしました。国内外多数のコンテストで受賞し、数多くのメディアにも取り上げられている堀江さん。今回紹介した看板メニューの「四谷シュー」を筆頭に、パティスリー ラ・ヴィ・ドゥースは地元の方々に愛される洋菓子店として人気を博しています。
  • 基本情報


    店名 pâtisserie LA VIE DOUCE(パティスリー ラ・ヴィ・ドゥース)本店
    住所 東京都新宿区愛住町23-14ベルックス新宿ビル1F
    電話 03-5368-1160
    営業時間 10:00~18:00
    定休日

    月曜日

    主な客層 地元にお住まいの方々や、近隣のオフィスにお勤めの方など
    予算の目安 約2,000円
    開業 2001年4月25日
    HP http://www.laviedouce.jp
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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