「割烹 一献」料理長が作る~煮切りみりんの鶏肉と季節野菜の昆布コンフィ仕立て 山葵あんかけ~

日本料理店「割烹 六本木 一献」は、2023年に世界的なアワード「オートグランドール」を受賞するなど国内外で高い評価を得ている名店です。オーナー兼料理長の鹿渡省吾さんは、同店のみならず各地のホテル・レストランのプロデュースや、特産品の商品開発、海外での日本料理技術講師など多方面で活躍しています。
今回は、鹿渡料理長に「天晴煮切り本みりん」の特徴を活かした料理を考案していただきました。

天晴煮切り本みりん」の鹿渡省吾料理長評価

砂糖に劣らない甘み・コクを付与することができます。それゆえ「砂糖を使っていません」という謳い文句は、幅広い消費者の心に刺さる。よりヘルシーな食事を提供する店であるというメッセージにもなり、他店との差別化につながると思います。

また、生合わせができる本みりんというのは画期的です。調理途中に「少し味を足したい」と思ったときや、仕上げのタイミングで追い足しするなど、思いつきで調味を調整できるので使い勝手が抜群です。

仕込みの生産性も大きく向上します。私の煮切り方法は、液面に火をつけて消えるまで攪拌しつづけなければいけません。1リットル煮切るのに料理人が20分近く鍋に張り付いてなければならず、その時間を他の仕込みに回せる効果は大きいですね。 またラグジュアリーホテルのような大量調理とクリエイティビティの両立が求められる調理場では最適ですね。とりわけ海外ホテルの日本料理レストランのようなケースでは、現地人材でも再現可能なオペレーションを考慮しなければいけません。異文化の人材に煮切り作業の理由と塩梅を理解してもらうのは難しく、負担軽減と味の標準化に大いに貢献してくれそうです。料理界は人手不足がますます深刻化しています。効率化できるところは省力化を進めて、本質的な技術を後進に伝えていける工夫をしていかなければいけません。そうした料理人の働き方改革の一助にもなる商品だと思います。

「天晴煮切り本みりん」を使うメリット

●仕込み時の「煮切り」作業を省くことができます。生産性や作業効率の向上に貢献します。
●アルコール分が低いため、調理のあらゆるタイミングで甘みやコク出しの調整が可能になります。
●真空包装やレトルトなどの密封調理時にアルコールの雑味なく臭みをマスキング。コクとうま味を付与します。

煮切りみりんの鶏肉と季節野菜の昆布コンフィ仕立て 山葵あんかけ

煮切り作業なしですぐ調味液が作れ、作業効率がアップ!

食材

作り方

鶏もも肉300g
天晴煮切り本みりん50ml
太白胡麻油80ml
<季節の野菜(秋)>
きのこ類120g
里いも100g
パプリカ40g
昆布5g
<山葵あんかけ>
鰹出汁180ml
薄口醬油12ml
天晴煮切り本みりん12ml
山葵15g
水溶き片栗粉少々

<作り方>

1.鶏もも肉に全量の3%の塩と黒胡椒をして「天晴煮切り本みりん」をかけて1時間マリネする。
2. 太白胡麻油を面器に入れて鶏もも肉と昆布を入れてしっかり密閉し、スチームコンベクションで64℃で4時間(ジップロックなどの袋でも)加熱する。
3.加熱した2.を鍋に取り出し、野菜と共に弱火で加熱し野菜に火が通ったら皿に盛り付ける。
4. 鍋に出汁、「天晴煮切り本みりん」、薄口醤油を入れて沸かし、水溶き片栗粉にてとろみをつけて、とろみがついたら山葵を入れてよくかき混ぜる。
5.4.を鶏肉と野菜にかける。

料理紹介

天晴煮切り本みりん」とゴマ油主体の調味液を作り、低温調理技術を使ったコンフィです。真空パックのため、低温調理後に冷蔵で数日保存が可能。注文が入ったら野菜とともに煮詰めるように加熱して皿に盛り、山葵あんをかけて完成とスピード調理を可能にしています。居酒屋のような提供スピードを求められる業態でも役立ちそうです。今回は鍋で野菜と炊き合わせましたが、フライパン等で表面に焼き色付けるなど調理のアレンジがしやすいのもポイントです。

「天晴煮切り本みりん」の使用ポイント

天晴煮切り本みりん」で1時間ほどマリネしてから低温調理することで鶏肉がしっとりと仕上がります。醤油なしでも十分にうま味がつくので、食材の色味を活かしやすいところも利点です。山葵あんにも「天晴煮切り本みりん」を使用していますが、出汁とすぐ馴染むため、出汁の澄んだ香りや風味を表現できます。

料理人の紹介

鹿渡省吾(しかわたり しょうご)料理長

1970年北海道出身。幼少期から自分で食事を作ることが多く、小学校の時に同級生のために作ったお好み焼きを「おいしい」と喜ばれたことがきっかけに料理人をめざす。 高校在学中から札幌のフランス料理店でアルバイトし、調理・接客を経験。卒業後は上京し、東京・白金の「料亭 般若苑」など複数の日本料理店で腕を磨く。26歳で日本料理店を開業して独立。一時は17店舗まで拡大させるも、事業を売却して2003年に「割烹 一献」を開業しました。
同店開業と同時に始めた新たな取り組みが、自治体や生産者の六次産業化をサポートする事業。特産品のブランディングや商品開発、観光ホテルのメニュー・プロデュースから運営受託まで幅広く手掛けています。近年は韓国、中国、ベトナムなど海外ホテルの日本料理店のプロデュース、運営委託にまで拡大。後進の育成にも力を注ぎ、「割烹 一献」で技術と店舗運営を学んだ若手を、プロデュースするホテルへ派遣。また厨房機器メーカーと共同で高機能冷凍庫を開発するなど、生産性向上にも意欲をみせています。
国内の調理師学校講師のみならず、台湾や韓国など海外でも、農林水産省や諸団体主催の日本料理講義を行っています。

店の紹介

完全紹介予約制の営業スタイルを採用した日本料理店。カウンター席を含む全卓が個室になる、徹底したプライベート空間を実現し、各界のVIPから高い支持を得ています。
2023年には世界192ヵ国が参加して最高峰のホテル・スパ・レストランを選ぶアワード「オートグランドール」でベスト日本料理賞ほか4つの賞を受賞するなど、世界からも注目が高まっています。
コース料理は12品を標準に構成。春は京都のタケノコ、夏は函館から新幹線便で届く新鮮なイカ、秋は岩手のマツタケ、冬は福井の越前ガニ、と言った具合に日本各地の旬の味覚を独創性あふれる料理に仕立てて提供しています。 また屋号が表すとおり、食事とアルコールとの相性にも力を注いでおり、とりわけ日本酒は各地の希少銘柄を中心に常時60アイテムを揃えています。

店名割烹 一献
住所東京都港区六本木3-13-3 アネックスビル 1階
電話03-5772-8060
営業時間月~金18:00~23:30(L.O.23:00)
定休日土曜日・日曜日・祝日
席数20席
主な客層40〜60代の男女
予算の目安30,000円~60,000円
開業2003年