発酵種(パン種)の話-Vol.3】 発酵種のつくりかた

発酵種はこうやってつくられます

自然の力を上手に引き出し、独特の香り、味、そして豊かな風味を醸し出す──発酵種は、おいしいパンに仕上げるためには欠かせない原料です。
パンは酵母が発酵することで膨らみ、生地中に風味物質を生成します。その源となる酵母菌は、使われる粉や大気中に無数に存在しています。だからこそ、パンがつくられる風土や環境、作り手の技量によって多彩な味わいが生まれ、その出来も大きく左右されます。自然界に存在する野生の酵母を取り入れながら粉と水を捏ね、パンづくりに有用な酵母菌だけをいかに上手に育てるか。発酵種製造のポイントは、時間と温度とpH管理です。では、その製造過程を見てみましょう。

一般的な発酵種のつくりかた

  • 元種
    発酵種づくりのスタートです。ライ麦粉とモルトと水を混ぜます。ライ麦粉の中の微生物が目を覚まします。
  • 2番種
    いよいよ本格的な発酵種づくりです。元種と小麦粉と水を混ぜます。pHが低くなり、発酵代謝物がつくられます。表面に気泡がふつふつとでてきます。
  • 3番種
    2番種と小麦粉と水を混ぜます。微生物の活動も本格的になってきます。発酵代謝物の蓄積が進み発酵種らしくなってきます。
  • 4番種
    3番種と小麦粉と水を混ぜます。発酵種の仕上げの段階です。発酵代謝物の蓄積、安定化が目的です。もうすぐできあがりです。

  • 発酵種の完成です。深い香りと味をパンにあたえることができます。

弊社の発酵種のつくりかた

  • 発酵種から単離した微生物を、小麦粉を主体とした液で2日間じっくり育て、製品に仕上げます。
  • 小麦粉と水、そして弊社の発酵種製品を混ぜます。あとは発酵がすすむのを待つだけです。
  • 発酵種の完成です。 短時間で安定した品質の発酵種ができます。