いつもはベロメーターで味わっている食品を科学的に「分析」するとどうなるか?
各種分析機器などを用いて理化学分析を行うと、いつも感じている「味」の裏側がわかることがあります。本コーナーではそのような事例を紹介してまいります。
図2上図に有名レストランのスープと加工食品のインスタントスープのアミノ酸組成の違いを示しました。グルタミン酸(Glu)やロイシン(Leu)、リシン(Lys)、プロリン(Pro)が多いという特徴は共通していましたが、少しずつ組成比が異なっているのがわかります。特に有名レストランのスープではバリン(Val)、リシン(Lys)、アルギニン(Arg)の含量比が高くなっています。下図にコーンポタージュスープの主な原材料のアミノ酸組成を示しました。生クリームなどの乳製品ではバリンやリシンの組成比が高く、タマネギはアルギニンの組成比が高いことがわかります。スープと原材料のアミノ酸組成を比較すると、有名レストランのスープは乳製品やタマネギを多く使っていることが予想されます。
(図2)コーンポタージュスープと原材料の総アミノ酸の組成比
総アミノ酸の分析結果からは、有名レストランのコーンポタージュスープはブイヨンをベースとして、生クリームなどの乳製品やタマネギをふんだんに使い、バランスよく仕上げていることが分かりました。
このように、理化学分析によって製品をマッピングしたり、原料の特徴を明らかにしたりすることが可能になります。より詳しくお知りになりたい方はお近くの弊社営業担当者までお問い合わせください。