【物性の話-Vol.1】食感改良剤について

食感とは、食品を口の中に入れたときに感じる口あたりやのど越しなど、口腔内の感覚を言います。この感覚は、飲料などの液体よりも麺類や蒲鉾などの固形状の食品において、おいしさを構成する非常に重要な要素であることが分かっています。例えば、以下のような食品を想像してみてください。

これらはおいしい食品といえるでしょうか?もちろん、人によりさまざまな食経験があるため一概には言えませんが、多くの人が違和感を覚え、おいしくないと感じるのではないでしょうか。各食品にはおいしいとされる食感がそれぞれあり、食品メーカーでは食感を改良する数多くの素材を駆使して、求められる食感を作り出しています。

「増粘安定剤」と「品質改良剤」
食感改良剤には大きく「増粘安定剤」と「品質改良剤」の二つがあります。
「増粘安定剤」は、多糖類と呼ばれるカードラン、カラギーナン、キサンタン、グアーガム、セルロースなどで、食品に使用した場合、粘度付与安定化ゲル化保水などの機能を付与することができます。柑橘類やリンゴ、海藻などから抽出したものや、微生物が生成するものなどがあります(図1)。

(図1)増粘安定剤の起源

「品質改良剤」は、リン酸塩、かん水などで、食品のタンパク質に作用して肉などの食感改良や保水力を高めたり、食品の色調改善、分散、組織の改良をしたりと、様々な効果を発揮します。(図2)に主な品質改良剤の用途と効果についてまとめました。

  用途 効果 物質名(例)
リン酸塩 食肉加工品
水産加工品
弾力向上、乳化性向上、保水性向上 ピロリン酸Na、ピロリン酸K
メタリン酸Na、メタリン酸K
ポリリン酸Na、ポリリン酸Kなど
乳製品 乳化、氷結晶析出防止、溶解性向上
農産加工品 変色防止
飲料 変色防止、沈殿防止
乳化剤 パン・菓子 起泡性向上、乳化性向上、老化防止、生地の伸展性向上 グリセリン脂肪酸エステルレシチン(大豆由来)など
飲料 分散、乳化
豆腐 消泡剤
麺類 ほぐれ性向上
かんすい 麺類 弾力性向上、色調改善、風味改善 炭酸K(無水)、炭酸Na、
炭酸水素Naなど
その他 酵素類 食肉・野菜の軟化 パパインなど

(図2)主な品質改良剤の用途と効果


弊社においても、独自の素材であるカードランを始めとして、たくさんの素材や製品をラインアップしており、これらを駆使して、お客様の求める食感を創り出すお手伝いをしています。これからしばらく「物性」についてのお話をしてまいります。次回は、食品の食感評価や食感改良剤の食品における使い分けについてご紹介します。