増粘安定剤「カードラン」

加熱すると固まる性質をもつ微生物由来の多糖類
熱不可逆性ゲルには高い冷凍耐性と熱安定性


微生物アグロバクテリウム属菌によってブドウ糖から生成される発酵多糖類です。無味無臭の粉末で、アレルギー表示が不要です。
水への分散液を80℃以上に加熱すると熱不可逆性のゲルができ、60℃以上に加熱した後冷やすと熱可逆性のゲルができます。使用濃度を調整することで、様々な食感や物性を作ることができます。

  • 用途
    麺類、水産練り製品、食肉加工品、惣菜類、たれ・ドレッシングなどの品質改良剤として、また、ゼリーや豆腐類などのゲル化剤として適しています。
    アレルゲンフリーの為、卵白代替用途も可能です。
  • おすすめ業態
    加工食品、冷凍食品、電子レンジ食品、中食、外食など
  • 荷姿
    10kg箱(1kg袋×10)、10kg箱

カードランゲルの冷凍耐性

  • 冷凍-解凍によってカードランゲルの構造はほとんど変化しませんので、冷凍食品などに利用できます。図に示されるように、他のゲル化剤と異なりカードランのゲル強度は、冷凍-解凍を繰り返してもほとんど変化しません。他のゲル化剤と同様にある程度の離水は生じますが、澱粉を添加することで抑制できます。
  • カードランゲルの安定性 ―冷凍耐性―
    カードランは他のゲル化剤と異なり、冷凍―解凍後もゲル強度が変化しません。

カードランゲルの熱安定性

  • カードランゲルは加熱によるゲル化性があることからも明らかなように、熱に対して非常に安定しています。
    食品加工中や調理中のレトルト、フライ、電子レンジなどの高温加熱条件下でも安定して効果を発揮します。
    カードラン分散液に約50%チョコレートを添加してゲル化させた「生チョコ風食品」は、食感が生チョコやムースの様でありながら、耐熱性に優れています。
    高温加熱調理や夏場の高温下でも形状を保つことができます。
  • カードランゲルの安定性 ―熱安定性―
    180℃オーブンで5分間焼成。

使用濃度によって様々な食感

カードランは、濃度によって様々な食感のゲルを作ることができます。1.5%くらいまではゼリー様の食感ですが、添加濃度を上げていくと弾力が増し、コンニャク様、あわび様の食感になります。

カードラン添加量 ~0.5% 0.5~1.5% 1.5~4.0% 4.0~5.0% 5.0%~
利用食品例 ゼリー 煮こごり風 イカ風 したらき風 あわび風
ういろう風 球状ゼリー コンニャク風 さらしくじら風
ホットゼリー 豆腐麺 カニ風 かまぼこ風
食感  ゼリー様 コンニャク様 あわび様