【おでん】おでん都

(東京都/武蔵野市)

JR三鷹駅より徒歩3分ほどの住宅地にあり、立ち飲みというカジュアルなスタイルながら、上品な出汁が美味しいと評判の「おでん都」。昔ながらの定番おでんダネだけでなく、今までにはない素材や味にも挑戦し、「おでんをもっと美味しく進化させたい」という店長の思いが溢れています。他にも旬の素材を使った一品料理や豊富な種類の日本酒が楽しめ、多くのファンに愛される人気店の秘密に迫りました。

クローズアップメニュー

おでん各種(大根220円、たまご220円、自家製鶏つくね(2個)330円)(全て税込)

出汁にこだわり、「いつ食べてもブレない美味しさ」を実現するために、大鍋には最小限のタネだけを入れ保温して、注文状況に応じてタネや出汁を追加しています。香り高い澄んだお出汁は、最後の一滴まで飲み干してしまうほどの美味しさ。

技のポイント1

香りと味にこだわり、厳選した材料を使用

出汁の材料は、真昆布と棹前(さおまえ)昆布、煮干しと血合を除いた鮪の削り節、酒、砂糖、塩と前日に残った出汁です。出汁の材料屋と相談しながら試作を繰り返し、現在の2種の昆布と2つの出汁パックになりました。
出汁の旨みを最大限に引き出すため、営業終了後、生体水に限りなく近いと言われる「πウォーター」に昆布を浸けて、低温で旨みをじっくり抽出ししています。翌朝他の材料も入れて、火にかけて昼過ぎに完成。長時間火にかけていると香りが飛んでしまうので、営業中にも時々新しい出汁を注ぎ足して、味や香りが変わらないよう工夫しています。 真昆布は、出汁は出るものの食用には適さないため、出汁のみに使用。棹前昆布は長時間煮込んでも溶けることなく、味がしっかり入って美味しいので、おでんダネとしても提供しています。

技のポイント2

素材の美味しさを引き出す丁寧な下ごしらえ

<大根>
皮をむき輪切りにして面取りした大根を、下茹でしてからひと晩以上水に浸けてあくぬきします。翌朝、前日の残り出汁で炊き、出汁を取った後の出汁パックを入れて、香りをプラス。味がしっかり入るまで大根用の別鍋で炊いて、注文に応じて大鍋に入れて保温しています。

<たまご>
他店との差別化を図って、黄身がトロッと溶け出す半熟仕上げ。オリジナルの焼印を押して、たまご全体がだるまの姿になるようにしています。

<自家製鶏つくね>
モモ肉、ムネ肉、皮のひき肉と軟骨、塩、砂糖、ブラックペッパー、卵、片栗粉を入れて、粘りが出るまで満遍なく混ぜます。モモ肉だけでは脂っこいためさっぱりしたムネ肉を入れ、さらに皮を入れることでねっとり感を。軟骨のコリコリとした食感と、ピリッとしたブラックペッパーがポイントです。

技のポイント3

別鍋で仕上げて提供する「ひと皿おでん」

具材から味や濁りが出てしまうタネは、「ひと皿おでん」として別の小鍋で煮込んで提供しています。 

<茹でたん 550円(税込)>
他店ではあまりメニューにない、「おでん都」の自慢の一品です。牛たん専門店を営む先輩に、調理のコツなどを教えてもらい考案。リーズナブルなのに、牛たんよりさっぱりして美味しい豚たんを使用しています。
圧力鍋で柔らかくなるまで茹でて、皮をむきひと口大にカット。たんの大きさに個体差があるので、茹で時間を調整して、固くなく柔らかすぎない、絶妙の茹で加減で仕上げています。出汁で煮て胡椒をかけ、わさびを添えて提供。

<鴨ねぎ 550円(税込)>
出汁にスライスした九条ねぎを入れ、火が通ったら薄く切った鴨をサッとしゃぶしゃぶ。鴨肉の色が変わったら火からおろし、山椒を掛けて提供。鴨の濃厚な旨みを味わえる一品です。

<牡蠣 550円(税込)>
三陸の牡蠣を使用。大鍋に入れると出汁の味が変わってしまうので、別の鍋に出汁を入れて茹でます。クリーミーな牡蠣と上品な出汁の相性が抜群。ゆずの皮を乗せて提供します。

オススメメニュー1

自家製だいこんコリコリ漬 220円(税込)

おでんダネで大量に出る大根の皮を漬物にしたひと皿。細かく刻んだ大根の皮を網に乗せて天日で干し、自家製ポン酢(薄口醤油、麺つゆ、白出汁、お酢、柚子リキュール)に漬けました。一味をかけて提供しています。名前のとおりコリコリとした歯応えで、おつまみや箸休めとして人気です。

オススメメニュー2

鶏みそ野菜煮込み(並) 330円(税込)

鶏肉と大根、人参を赤味噌、にんにく、生姜、つくねの茹で汁、砂糖、九州の甘醤油で煮込んでいます。モツが苦手な人でも、美味しく食べられる煮込み料理として考案しました。一味をかけて提供。

オススメメニュー3

えびとパクチーのトムヤムクン風 550円(税込)

一品料理として考案したメニュー。様々な世代に人気が高く、現在も定番のひと皿。おでんの出汁にレモン果汁や魚醤、塩、砂糖などの合わせ調味料を加え、むきエビを茹で、パクチーを盛って提供しています。

お店紹介

「いつ来てもブレない味のおでんを目指しています」と語る店主の西岡 塁さん

日本酒の豊富な居酒屋に長年勤めていた西岡さん。勉強のために色々な店を食べ歩いた中で、長時間煮込むことから時間によって味が違う「おでん」を、もっと美味しく進化させられるのではないかと考え、お店を出すことにしました。
カウンター越しにお客様と会話しながら、「いつ行ってもブレない味を提供したい。もっと美味しさを追求したい」と日々研究を重ね、進化し続けています。
日本酒もおでんに合うように、香りが強すぎないものを豊富に取り揃えています。定番酒やフグのひれ酒など季節ごとにラインナップは変わるので、好みを伝えればお勧めを教えてくれるそうです。 店内には、狭い店舗ならではのユニークな工夫が随所に見られます。多くの人が感心するのは、天井付近のリールに取り付けられているメニュー。必要なときに引っ張って見ることができ、手を離すと自動的に上に収納されます。

2階のお座敷では、プラスチックのパイプに取り付けられた漏斗に向かってオーダーすると、パイプで繋がっている1階の厨房まで聞こえるようになっています。
テイクアウトも可能で、冷えた体をほっこり温めてくれる美味しい出汁のおでんが、自宅でも楽しめます。

基本情報

店名おでん都
所在地東京都武蔵野市中町1-19-9
電話番号0422-90-7125
営業時間17:00~24:00
定休日日曜、そのほか不定休
席数1階10名(折りたたみイス8脚)、2階(お座敷)10席
主な客層30~50歳代のビジネスマン、ビジネスウーマン
予算の目安3,000円~
開業2021年3月
Instagramhttps://www.instagram.com/miyako2020rn/

※掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。