(東京都/渋谷区)
「譚仔三哥(以下タムジャイサムゴー)」は、香港生まれの米線(ミーシェン)専門店です。米線は中国雲南省発祥の、米と水だけで作られた麺。もちもちとした食感と歯切れの良さ、喉ごしの良さは、ほかの麺では味わうことができない独特な魅力があります。さらにタムジャイサムゴーの米線は、“香麻辛辣鮮”を基調とした深い味わいが特色です。ほかにはない独自のレシピ、味覚の好みに応じて選べるスープ、そして多彩なトッピングで、日本でも着実にファンを増やしているオリジナルの米線について、タムジャイサムゴー恵比寿店でお話をうかがってきました。
クローズアップメニュー

クロスブリッジミーシェン(過橋米線)マーラー 1,360円(税込)
本場香港でも人気の代表的なメニューです。15種類のトッピングがのっているので、たくさんの具材を一度に体験できます。それぞれの具材の量は、追加トッピングよりも少なめなので、いろいろ試してみたい人におすすめです。小皿に入った肉味噌は味変に、大根の酸菜は箸休めに。また、タムジャイサムゴーでは、スープの味は6種類から、辛さは10段階から選べます。今回は、スープはマーラー、辛さは基本となるレベル3で用意していただきました。
技のポイント1



仕込みをすることによって、独特の食感が生まれる米線
乾麺は下茹で後、冷蔵庫で半日以上冷蔵します。一晩以上寝かせることで、麺のもちもちした弾力とつるっとした食感が生まれるのです。恵比寿店では毎日300食を仕込んでいるそう。麺は保存時間を正しく管理することで、いつでも変わらない味わいをスピーディに提供しています。
技のポイント2

スープ+調味料の組み合わせで生まれるバリエーション
ベースのスープにマーラーの調味料を加えます。マーラーはしびれる辛さが特色の定番スープ。ベースとなるスープのレシピはタムジャイサムゴーのトップシークレットで、本国でも鍵付きの金庫に保管、厳重に秘密が守られているそうです。 スープはマーラーのほか、ベースのスープのみを使う「クリア」、スパイシーで酸味のある「サムゴーサンラー」、酸味と辛味が調和した「サンラー」、トマトの甘みと酸味を生かした「トマト」、軽く焦がしたスパイスが香ばしい「ウーラー」の6種類があります。
技のポイント3


トッピングを煮込むことで深みが増すスープの味わい
それぞれ下ごしらえをした具材をベースのスープに入れ、高火力で素早く煮ます。トッピングの味がスープに染み出し、複雑で深い味わいが生まれます。
「クロスブリッジミーシェン」の具は、牛赤身・鶏むね肉・豚ロース・豚バラ・フィッシュボール・香港風三角揚げ・うずらの玉子・油あげ・白菜・ほうれん草・にら・もやし・湯葉・香港風の肉味噌・大根の酸菜、の計15種類。フィッシュボール、香港風三角揚げなどの練り物は香港から輸入しています。日本の練り物に比べて弾力がありシンプルな塩味、まさに現地の味を体験できます。
技のポイント4




茹でたての麺、熱々スープとトッピングを器に
オーダーを受けてから麺を茹で、スープで具材を煮込みます。一つの鍋で1食分ずつ煮込むので、同じスープでもトッピングを変えることでまた違う味わいを楽しめる点もタムジャイサムゴーの魅力のひとつです。
続いて茹で上がった麺を器に入れ、上から熱々のスープをかけ、具材を並べます。香港風の肉味噌、大根の酸菜は別の器に盛って供します。
オススメメニュー1

やさしい旨味 1,050円(税込)
ベースのスープをそのまま味わうことができる「クリア」スープの米線です。辛さは一切なく、タイトル通りのやさしい味わい。スープの旨味とコクを堪能できる、お子様にも安心して食べていただける一品です。トッピングは、鶏むね肉・長ネギ・えのきだけ。ヘルシー志向の方にもオススメです。
オススメメニュー2

トマトスペシャル 1,260円(税込)
トマトの酸味と甘みに牛肉の旨味が加わった、旨味のある深い味わいが特徴の米線です。辛さは10段階から選べるので、レベル0を選ぶとトマト味が際立つやさしい味わいに、辛味を加えるとスパイシーで旨味のある個性的な味わいに変わります。トッピングは、うずらの玉子・牛赤身肉・チンゲン菜です。
オススメメニュー3

トーフェイチキン(土匪鶏翼)3本480円(税込)
ユンヨンチャ(香港鴛鴦茶)380円(税込)
トーフェイチキンは独自のタレに漬け込んだ手羽中に、秘伝のスパイスをかけて焼き上げたもの。外はカリッと、中はジューシーで、香港でも人気のサイドメニューです。
ユンヨンチャは香港のカフェでは定番の、コーヒーとミルクティーをミックスしたドリンク。本来は甘さ強めですが、甘さ控えめや無糖などお好みの甘さを注文できます。
お店紹介

タムジャイサムゴー恵比寿店の店内。現在香港で展開中の新しい店舗と同様の内装は現地感満載、一人客でも入りやすい雰囲気です。
譚仔三哥(以下タムジャイサムゴー)は香港に約200店舗、さらに中国本土、シンガポールにも店舗を展開している米線のスープヌードル店です。日本には2022年に上陸、新宿、恵比寿、吉祥寺に順次店舗をオープンしました。ちなみに「譚仔三哥」とは「タム家の三男」という意味で、創業者は店のトレードマークにもなっています。
タムジャイサムゴーは、香港では地下鉄の各駅、ショッピングモールなど街のいたるところに店舗があり、知らない人はいないと言っても過言ではありません。長年愛されてきた証の一つに「香港の人たちはタムジャイサムゴーを基準に辛さを語る」という事象があるそうです。例えば、自分が行った飲食店の味を人に伝えるときに「辛さはタムジャイサムゴーでいうとレベル○くらい」という風に語るとか。タムジャイサムゴーの辛さは、レベル0からレベル10まであり、基準となっている辛さはレベル3。香港の人たちはその辛さレベルを知り尽くしているというわけです。
タムジャイサムゴーの味の特色である“香麻辛辣鮮”とは、香:豊かな香り、麻:痺れる刺激。辛:スパイスの辛味、辣:ホットな辛さ、鮮:新鮮な食材を表します。その複雑で刺激的な味わいで多くの人を虜にし、日本でもリピーター客が増えています。
米線は、米と水だけを原料としているため、グルテンフリーなど健康志向の観点からタムジャイサムゴーを選ぶ人も多いそうです。25種類あるトッピングの中で鶏むね肉が人気ということからもその傾向がうかがえます。しかも味についても香港でミシュランのビブグルマン連続獲得という保証つき。日本でもタムジャイサムゴーはますます注目されることでしょう。
基本情報

店名 | 譚仔三哥(タムジャイサムゴー) 恵比寿店 |
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所在地 | 東京都渋谷区恵比寿1-10-7 TIB恵比寿ビル1F |
電話番号 | 03-3447-7558 |
営業時間 | [月〜土] 11:00~22:00(L.O.21:30) [平日限定ランチタイム] 11:00~17:00 |
定休日 | なし |
席数 | 47席 (カウンター15席、テーブル33席) |
主な客層 | ビジネスパーソン、近隣住民、目的客 |
予算の目安 | 1,000円〜2,000円 |
開業 | 2022年5月 |
HP | https://www.tjsamgor.jp |
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