【パン】メゾン ランドゥメンヌ

(東京都/港区)

港区麻布台のパンの名店「メゾン ランドゥメンヌ」。パリに17店舗、東京に4店舗を展開するフランスのブーランジェリー・パティスリーです。

絶品クロワッサンや天然酵母パン、「ジャパン・フード・セレクション2024」でグランプリをとったカヌレなど、人気のパンやお菓子が注目されがちですが、実は植物性材料でつくった「プラントベース」の商品も開発、販売し、人気を博しています。近年、ヴィーガンやベジタリアンなど、世界的に注目が高まっている「プラントベース」。今後、当たり前の選択肢となるといわれている、植物性材料100%のパンの美味しさのヒミツをうかがいました。

クローズアップメニュー

プラントベース ヴァッシーさんのカレーパン 価格未定

パン生地は、卵や牛乳などの動物性材料を使わないヴィーガン仕様のブリオッシュ生地。フィリングのカレーもベジタブルベース。すべてが植物性の食材で作られています。見た目も味も通常のカレーパンのようですが、プラントベースのこだわりが詰まっています。店舗での販売はこの秋くらいからの予定ですが、今回は特別に先行して作っていただきました。

技のポイント1

「植物性でもおいしい!」プラントベース商品のために卵の代替品を開発

プラントベースのパンでは、牛乳のかわりに豆乳、バターのかわりにソイレブールラフィネ(豆乳バター)を使います。特筆すべきは、これまでいちばん代替が難しいとされてきた卵です。「メゾン ランドゥメンヌ」のグループ企業で、独自にフランスのスタートアップ企業「YUMGO(ユンゴ)」を創設、卵と同等の機能を持つ植物性食品「YUMGO」を研究開発し商品化。この代替品を使うことで100%植物性のパンを実現。植物性プロテインやファイバーなどから作られたYUMGOには「アンチェ」(全卵の代替)、「ブラン」(同卵白)、「ジョーヌ」(同卵黄)の3種があり、これで、卵のもつ起泡性、熱凝固性、乳化性などの機能を代替、通常のパンと遜色のない、美味しいパンの生地やクリームなどが出来上がります。

技のポイント2

天然酵母はパリで仕込んだ年代もの

プラントベースパンの生地に使用している天然酵母は、フランスで店をスタートするときにBioの小麦粉とフルーツなどから起こしたもの。「メゾン ランドゥメンヌ」の天然酵母の要です。天然酵母は、季節やその日の天気、温度等で毎日状態が変わるため、目で見て、手で触れ、味や香り、粘度など、五感を駆使して酵母の状態を確認し、その日のパン生地の最適な水分量や発酵時間を調整します。繊細な取り扱いと判断が必要な、まさに職人の感覚がものをいう大切なポイントです。

技のポイント3

プラントベースのフィリングはスリランカ風豆カレー

カレーパンのフィリングは、パリの本店で働くスリランカ人、ヴァッシーさんが開発したオリジナルレシピをアレンジしたもの。あめ色に炒めたタマネギに、トマト、黄色と赤色のパプリカに植物性のコンソメや大豆ミート、植物性のカレールーなどを加えて、無水鍋で水分を加えず、焦げつかないよう、細心の注意をはらってかき混ぜながら煮込むこと3日間。野菜の旨味たっぷりの濃厚な味わいのフィリングが出来上がります。これを生地に包み、パン粉をつけ、熱々の油をかけてオーブンで焼く、揚げ焼き方法で仕上げています。

オススメメニュー1

プラントベース メロンパン バニラ 350円(税込)

100%植物性で作ったプラントベースの「メロンパン」。バニラの香りが美味しさを増しています。パンの生地はヴィーガンのブリオッシュ生地ですが、そこに豆乳バターや卵黄、卵白の代わりのYUMGOジョーヌやYUMGOブランなどの植物性の食材だけで作ったビスキュイ生地をのせて、焼き上げます。やさしい味わいが人気の定番商品です。

オススメメニュー2

プラントベース クリームパン 400円(税込)

フィリングはヴィーガン仕様のカスタードクリーム。牛乳のかわりに豆乳を加え、さらにココナッツミルクで風味をアップ。そして、バターのかわりのソイレブールラフィネ(豆乳バター)、YUMGOジョーヌ(卵黄の代替)……と、使うのは植物性の食材だけ。さらにコクを加えるためメープルシュガーなどもプラス。プラントベースでも、通常のものと遜色のない、美味しいカスタードクリームになるよう工夫をこらして、仕上げています。

オススメメニュー3

クロワッサン ジャポネ(左380円・税込)
クロワッサンフランセ(右 610円・税込)

その秀逸な技巧でパリのパティシエ界で注目されていたオーナーのランドゥメンヌ氏。クロワッサンは、「メゾン ランドゥメンヌ」の大人気看板商品のひとつ。その技のこめられたクロワッサンは2種類あります。「クロワッサン ジャポネ」は、国産の発酵バターを使用して作った上品な甘みが特徴。「クロワッサン フランセ」はフランス産AOP発酵バター『モンテギュバター』をふんだんに使用した濃厚な甘みが特徴。日本とフランスの食材による美味しさの違いを実感し楽しめる逸品です。

※クロワッサン2品はプラントベース商品ではありません

お店紹介

オーナーのロドルフ・ランドゥメンヌ氏と石川芳美社長
「世界はもう、プラントベースフードが、選択肢として当たり前の時代に」

石川芳美さんは、「メゾン ランドゥメンヌ」を経営する実業家であり、商品開発、各国でプロへの講習会なども行うパン職人でもあります。25歳でパンづくりに出合うと向学心の高さから35歳でフランスへ。パリの名だたる有名ブーランジェリーで修業、頭角を現します。そしてランドゥメンヌ氏と出会い、公私ともにパートナーとなり、2007年にパリ本店、2015年に日本1号店をオープン。成功を収めます。

 そんなパン業界の先端を走る石川さんが目指すのは、新しいあり方の発信です。

「フランスではもうヴィーガンやベジタリアンがトレンドやブームだった時代は終わっています。いまは“フレキシタリアン”が常識の時代。ふだんはベジタリアンだけれど、たまに肉も食べる、ふだんはふつうの食事で1週間に1回はベジタリアン…など、フレキシブルに自分の食スタイルを選ぶ“フレキシタリアン”がほとんどです」。

だからフランスでは食べる側も提供側も、ヴィーガンやベジタリアンメニューが当たり前の選択肢となっているのだそう。

「フランスのいまの子ども世代は当たり前にベジタリアンで育っていますから、これからの世界はますます変わっていくでしょう。そして、植物性だから、美味しさを諦めなければいけないのではなく、プラントベースでも、同じように美味しい商品を作り、通常のパンとプラントベースパンとが同じようにお店に並ぶ時代が確実にやってきているのです」。

「植物性材料だけを使うことで、食材を作るための二酸化炭素排出量を減らすこともでき、地球環境にもやさしい」と石川さん。

そんな潮流を先取りするように、石川さんとランドゥメンヌ氏は、2020年にフランス初の、“100%植物性の原材料で作ったパンとお菓子、惣菜”を販売する別会社・ブーランジェリーLAND&MONKEYSを出店、注目を集めています。日本でも、プラスチック削減、地産地消、オーガニックの原材料等々、パン屋としてできる取り組みを行い、パン屋のニューモデルを日本やフランス、世界へと発信し続けています。

基本情報

店名メゾン ランドゥメンヌ 麻布台 
所在地東京都港区麻布台3-1-5
麻布台日ノ樹ビル1階
電話番号03-5797-7387
営業時間8:00〜18:00
定休日年末年始・お盆
席数25席(カフェ)
主な客層近隣住民、カップル、ビジネスパーソン等、幅広い層
予算の目安800円〜
開業2015年3月30日
HPhttps://www.maisonlandemainejapon.com/

※掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。