【ラーメン】キング製麺

(東京都/北区)

東京都北区の区役所からほど近い場所にあり、行列店として近隣に知られる「キング製麺」。ぷりぷりの海老ワンタンとジューシーな肉ワンタンが特徴的なワンタン麺を中心に打ち出しています。「小池系列」と称されるグループ店の「らぁめん小池」「中華蕎麦にし乃」とともに『ミシュランガイド東京ビブグルマン』に掲載され、味は折り紙つき。現在、それぞれ評価の高い8店舗を都内に展開する株式会社イノセンス代表・水原裕満さんにお話をうかがいました。

クローズアップメニュー

ワンタン麺白だし(全部入り) 1,470円(税込)

キング製麺のシグネチャーメニューとも言えるワンタン麺。ぷりぷりの海老ワンタンと旨味たっぷりの肉ワンタンが2個ずつ入っています。白だしスープは「讃岐うどんの味わいを目指した」という言葉どおり魚介の旨味たっぷりで、平打ちの自家製麺を引き立てる味わい。「全部入り」は、2種のワンタン、チャーシュー、小松菜、味玉など全部の具が入って満艦飾。麺は130gと180gから選ぶことができます。

技のポイント1

3つのスープを合わせて作るクリアな白だしスープ

基本となるだしは、干し椎茸、昆布、煮干しを、ひと晩水に浸け、翌日に加熱することなく漉します。加熱しないことで味が安定するそうです。さらにあさりの煮汁、かつおだしを加えて仕上げます。クリアな見た目の印象よりもキリッと力強い味わいを感じるスープで、ラーメンならではの満足感を得ることができます。

技のポイント2

茹でたてを提供する海老と豚肉、2種類のワンタン

海老ワンタンは食感を出すためにバナメイ海老41/50サイズ(約7-8cm)のぶつ切りを使っています。肉ワンタンはチャーシューにも使用している豚の肩ロースをミンチにして。「お客様にできたてを提供したいと考えてワンタンを選びました」と水原さん。ワンタンは皮が厚めで具もたっぷり、ラーメンの食べ応えがさらにアップします。

技のポイント3

こだわりの詰まった自家製麺が個性的な味を支える

「キング製麺」では自家製の平打ち縮れ麺を使用。以前は店内にて製麺していましたが、現在は埼玉県和光市のセントラルキッチン内で製造。グループ店の「つけめん金龍」(神田)、「こいけのいえけい」(巣鴨)、「あいだや」(御徒町)で同じ麺を使っています。「自家製の麺を作るために学んだことで、製麺所の方に発注するときにより具体的な指示ができるようになりました」と水原さん。

技のポイント4

7種類の具をのせてビジュアルもボリュームもアップ

注文を受けると、まずワンタンを茹で始め、麺は後から。どんぶりに油と醤油を入れ、加熱したスープを加えます。油はラードに鯖、生姜で香り付けしたもの。醤油は白醤油に薄口醤油・ナンプラー等で旨味を加えたもの。茹で上がった麺をスープに入れて整え、ねぎ、チャーシュー、味玉、ワンタン、小松菜、最後にナルトをのせて提供します。

オススメメニュー1

山椒ラーメン(全部入り) 1,470円(税込)

ピリッとした山椒が効いたラーメンです。山椒を効かせた油を使用することで、白だしとは違う印象のスープに。さらに高知県産の仁淀川山椒がすっきりとした辛味と爽やかな香りで味を引き立てます。スープに散らした緑色の粉末は、じつは三つ葉だそうです。グループ店の特徴的なメニューのひとつで、他にはない味わいとして人気のラーメンです。

オススメメニュー2

つけ台湾(全部入り)1,460円(税込)

ピリ辛のタレは、豚骨と鶏ガラベース。「よだれ鶏をイメージした」という味付けは、唐辛子とにんにく、生姜を使っていますが、見た目ほど辛くないので旨味を存分に味わうことができます。太麺の上にのった薄切りチャーシューと味玉でビジュアルも満点。「これしか食べない」というお客様がいるというのも頷ける、個性的でクセになる一品です。

お店紹介

「グループ全体の味とサービスを高い水準で維持するために社員中心で運営しています」と語る水原裕満さん(右端)とキング製麺のスタッフ 

都内に現在8店舗を展開している水原さん。2013年に独立以来、「らぁめん小池」「中華蕎麦にし乃」「キング製麺」「つけめん金龍」「こいけのいえけい」「あいだや」「本郷苑」「伊之瀬」と、店名も内容も異なる新しい店舗を次々と開業してきました。同じ店を2つ出さない理由を尋ねたところ「今までの店の良さを残しつつ変化を加えることで、お客様同士が『自分はこっちが好き』といった会話が生まれる店になればと考えています」。しかしそのためには、どの店でも高水準の味とサービスが求められるはず。「運営体制を整えることで、つねに良いものを提供し、お客様に安心してご来店いただけるよう心がけています」と、その経営方針に言及しました。 

近年はインバウンド客の来店もあり、海外の人たちも魚介だしに親しみつつあるようです。「キング製麺」はこれまでに上海、ベルリン、台湾、韓国、ロシアで「ワンタン麺白だし」や「山椒ラーメン」を提供した実績があるそう。各国で非常に手応えを感じたという水原さん。「台湾でラーメン店の人に『この海老ワンタンの作り方を教えて欲しい』と言われたときには、本場の人に認められた、と自信になりました」とその喜びを語ってくれました。 

9月、新宿南口に新店舗「伊之瀬」を開店。次はどのようなお店ができるのかワクワクしているファンの方も多いことでしょう。「今後もチャンスがあれば新しい店舗を開発したいですね。次は何をしようかな」。これからも「小池系列」に期待したいところです。 

基本情報

店名キング製麺 
所在地東京都北区王子本町1-14-1
高崎ビル 1F
営業時間11:00~15:00 
17:30~20:30 
定休日なし 
席数10席(カウンターのみ) 
主な客層目的客、近隣住民
予算の目安1,000円〜2,000円 
開業2019年3月 
HPhttps://ramenkoike.com 
X(旧Twitter)https://x.com/king_seimen 
Instagramhttps://www.instagram.com/ramenkoike_tokyo 

※掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。