【パスタ】トラットリア ヴィヴァーチェ 恵比寿

(東京都/渋谷区)

東京・恵比寿の東口にあるGEMS恵比寿は、ビル一棟に予約困難な人気飲食店が多数集う「グルメタワー」を謳うユニークな商業施設。同ビルの2階に店を構える「トラットリア ヴィヴァーチェ 恵比寿」は、フルオープンキッチンで調理のダイナミズムを感じながら食事を楽しめる繁盛イタリア料理店。お店で使用する食材は、スクラッチ※するところから手作りしており、手間ひまをかけて価値を高めています。今回は同店人気のパスタメニューである「6時間煮込んだボロネーゼソース スパゲッティ」について、シェフの佐藤俊兵さんに伺いました。
※スクラッチとは:鮮魚はウロコをとって三枚におろす、肉は部位で届く塊肉を切り分ける等、食材の下処理から行うこと

クローズアップメニュー

6時間煮込んだボロネーゼソース スパゲッティ 1,540円(税込)

一口食べると赤ワイン煮込みのような芳醇な余韻が残る、リッチな味わいが人気の一皿。しっかり焼き込んだ挽き肉の香ばしさとうま味、野菜だけからとった自然な甘味が溶け合い、奥深いおいしさです。販売当初の煮込み時間は3時間でしたが、6時間に煮込み時間をのばしたことで、より凝縮された味わいを実現しています。パスタとソースの分量は各80g。また、平日のランチでは野菜やきのこも加えて栄養バランスを調整するそう。こうした気配りが近隣ビジネスマンの高い支持につながっています。

技のポイント1

ソフリットを作ります

写真は全体の材料で左上から時計回りに、つぶしたホールトマト、ニンニク、ニンジン、玉ネギ、ローリエ、牛肉と豚肉が1:1の割合の合挽き肉、オリーブオイル、赤ワイン、塩。1回の仕込みで約10kg、50食分を作ります。
ボロネーゼソースの香りや自然な甘味のもとになるソフリットは1回の仕込みで約5kg使用します。みじん切りした玉ネギとニンジンを焦がさないよう弱火でじっくりと炒めて甘味を引き出します。加熱前のおよそ1/4〜1/5まで煮詰めて、写真のようなペースト状になれば完成です。

技のポイント2

揚げ焼きの要領で挽き肉にしっかり焼き色をつけます

挽き肉は牛肉と豚肉の比率が1:1の合挽き肉で、1回の仕込みで約10kgを使います。サラダ油(分量外)をひいたフライパンに、挽き肉を木べらでほぐすように攪拌しながら、強火で炒めていきます。
ポイントは挽き肉にしっかりと焼き色を付けること。ここで生焼けの肉を残してしまうと臭みの原因になってしまいます。途中、サラダ油を追加して揚げ焼きする要領で全体がステーキの表面のような濃茶色になるまで炒めていきます。

最後に細かく刻んだニンニクを加えてさらに炒めます。ニンニクが明るいきつね色になったら、シノワで余分な油を漉して煮込み用の鍋に移します。
フライパンの底に残る油分も大切なうま味成分。少量の赤ワインで洗い落とすようにデグラッセして、これも煮込み用鍋に加えます。

技のポイント3



じっくり6時間煮込んで、濃縮された一体感を生み出します

煮込み用の鍋に挽き肉、ソフリット、赤ワイン、ペースト状にしたホールトマト、ローリエと塩を入れて煮込みます。最初は強火で温度を上げ、ふつふつと沸騰しはじめたところで弱火にして煮込んでいきます。
煮込み時間は約6時間。煮込み時間が短いと素材ごとの味わいが溶け合いきれず、濃縮味の乏しい仕上がりになってしまうそうです。
焦げ付かないよう30分ごとに攪拌しながら煮込み、最終的な分量は煮込み前の7割程度まで煮詰まります。

技のポイント4



もっちり感のあるパスタはボロネーゼソースとの相性を高めます

パスタは1.7mmの乾麺で、一人前約80gを使用します。茹で汁の塩分濃度は1.2%とやや強め。麺を噛んだ時に少し塩気を感じる程度をめざしています。茹で時間は規定より30秒ほど長い7分。ラグー系のパスタにはアルデンテより、もっちり感のある麺のほうが相性が良いという考えで、オイル系のパスタとは茹で時間を変えているそうです。
他方、ボロネーゼソース80gはバター5gを加えてフライパンで温めておきます。パスタが茹であがったら火を止めたフライパンに入れ、軽く馴染ませてから皿に盛り付けます。仕上げに黒コショウを振り、グラナパダーノをたっぷりとすりおろして完成です。

オススメメニュー1

豚肩肉のローストランチ 1,200円(税込)

250g超の厚切り豚肩ロース肉2枚が皿をおおうインパクトが強烈なお値打ちランチです。強火力のチャコールで豪快に焼き上げ、表面はカリッと香ばしく、中はしっとりとした仕上がり。焼成時の調味は塩のみ。盛り付け時に煮詰めたバルサミコソースと黒コショウを振りかけ、粒マスタードは皿の縁に。肉の下に隠れているロースト野菜もボリュームも圧巻。内容は日替わりで取材時はピーマン、マイタケ、ジャガイモ、キャベツ。女性客など小食のお客さまには、肉を1枚に変更する代わりにドリンク1杯を提供する対応もしています。

オススメメニュー2


鮮魚のカルパッチョ 1,100円(税込)

毎朝社内のバイヤーから届くフレッシュな鮮魚を使用しています。魚種は季節やその日の仕入れ状況によって変わり、取材時は真鯛。刺身を山型に盛り上げるように盛り付けて、ズッキーニやトマト、パプリカのスライスを散りばめた色鮮やかな彩りも食欲をそそります。スパイスは細かく砕いたブラックオリーブとピンクペッパー。チリソースを隠し味に使った自家製のドレッシングも個性的です。

お店紹介



「お客さまから貴重な時間をいただいている。だからこそ当店で過ごす時間を価値あるものにしたい」とシェフの佐藤俊兵さん 

エレベーターのドアが開くといきなりフルオープンのキッチンが目に飛び込んでくる、調理の躍動感に溢れる人気のトラットリアです。提供する料理はボリューム満点のダイナミックな盛り付けが売り。肉も魚も大ぶりにカットして、彩りの野菜も種類豊富で主役に劣らぬ存在感です。こうしたスタイルができるのも、肉なら塊、魚なら丸体をスクラッチするところから料理人が手掛けているから。社内バイヤーが市場で買い付けグループ店を巡回。料理人はその日に使う肉・魚・野菜を選んで料理を考えます。総メニューの1/3を「日替わりおすすめメニュー」として、旬を感じさせる料理を提案しているのも人気の理由です。

シェフの佐藤俊兵さんは、同社入社から8年目の30歳。小学生のころから料理に目覚め、電車に乗ってパン教室に通うほどの入れ込みようだったとか。その後、調理師免許が取得できる高校を卒業して飲食業の世界に入りました。最初は九州・大分のホテルに就職しますが、20歳のときに一念発起して上京。「肉も魚もスクラッチするところから習得しないと料理人としての将来はないという気持ちが強かった」と佐藤さん。希望する職場環境の同社に入社し、「最初の1年間は厨房に泊まり込んで練習の日々を過ごしました」と言う。入社5年後にはグループ店のシェフとして店を任されるようになり、2024年3月から同店のシェフに就任しました。料理のクオリティ改善だけでなくスタッフの意識向上に注力。「東京のお客さまは時間に追われています。当店で過ごす時間をお客さまからいただいている、という意識を持って小さな気配りを重ねられるよう心がけています」と語ります。

基本情報

店名トラットリア ヴィヴァーチェ 恵比寿
所在地東京都渋谷区恵比寿1-11-5
GEMS恵比寿2F
電話番号03-6450-2333
営業時間12:00〜15:00、18:00〜23:00
定休日年末年始
席数74席 
主な客層平日は近隣会社員のランチやディナー、週末は女子会や合コンなどの会食
予算の目安平日ランチは1,100円~、週末ランチは2,000円~、ディナーは6,000円~
開業2017年9月7日

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