【中華料理】兆徳

(東京都/文京区)

TVや雑誌の町中華特集ではもちろん、多くのSNSでも取り上げられ、今や東京・町中華の代表格となっているのが、東京都・文京区本駒込エリアで開業して30年となる「兆徳」。地下鉄南北線本駒込駅を出てすぐの交差点に立つと、印象的な「中華 兆徳」の大きな看板文字が目に飛び込んできます。本駒込は人気タウン吉祥寺の名の由来となった吉祥寺(きっしょうじ)や、あじさい祭りで有名な白山神社など歴史のある神社仏閣が点在する静かな住宅街ですが、カウンターとテーブル席を合わせて20席ほどの店内は週末にはスマホ片手に遠方からの客も多く、時に30~40人も並ぶ風景はこの街の名物となっています。

クローズアップメニュー

卵チャーハン(塩)800円(税込)

都内のパラパラ系チャーハンとの代表格といえば兆徳の卵チャーハンと言われるくらい。来店する大半の人たちがオーダーする大人気メニューです。メニューにはチャーシュー入りの醤油味チャーハンもありますが、地元のリピーターも、さまざまな味のチャーハンを食べ歩いているチャーハンlover達も「この味に帰りたくなる」「これぞチャーハンの原点だ」と、塩味を選ぶ方が多いとか。一緒に供されるスープも焼豚を作る時にでるスープを利用した自家製で、チャーハンを浸して食べるとまた違った味わいになると評判です。

技のポイント1

びっくりするほどシンプルな材料

家庭で作る場合でも、もう少し何か入れるのでは?と思うほど、兆徳のチャーハンは実にシンプル。「これなら自分で作れるかも?」と誰もが一瞬思うものの、一口味わえば一粒一粒がしっかりとした堅めの炊き具合や、中華店ならではのハイカロリーでの炒め加減、絶妙な塩加減は長年の研究の賜だと感じます。表では特にアピールしていませんが、無駄をそぎ落としたブレない味に仕立てるためのイメ細やかな食材選びも兆徳さんの影のこだわりです。

技のポイント2

卵は溶かない

多めの大豆油を中華鍋に熱したらすぐに卵とねぎを投入。卵は溶かずに割り入れることで卵白のプリッとした食感と卵黄のしっとり濃厚な味わいのどちらも生かされます。

技のポイント3

焼き付けとあおりの2つの動きを絶えず交互に2分間

卵が次第にご飯と混ざり合っていくまでの2分間はノンストップ一本勝負。左手は中華鍋をあおり続け、右手ではポンポンポンポンとリズミカルに中華おたまの背で軽くたたくように焼き付け続けます。卵は熱が入っていくと同時に細かく刻まれながらご飯に混ざり混み、あおるごとに全体に黄色みが増して、ご飯がパラパラになっていくのが見えてくれば最初で最後の味つけ。塩とうま味調味料を軽く投入したら出来上がり。
黄金チャーハンと呼びますが、溶き卵でご飯をコーティングするタイプとは違い、卵の白身が米粒サイズの細かさで存在しているので、口に入れたときにご飯とは違ったわずかな弾力が感じられます。シンプルな食材なのに口の中でにぎやかな食感を感じるのはこのためです。

オススメメニュー1

焼き餃子 6個 550円(税込)

兆徳では白菜より甘くてやわらかなキャベツを使用しています。特にやわらかな春キャベツがおすすめとのこと。キャベツを使う餃子は日本に来てから知り、白菜よりも美味しいと感じたそうです。キャベツをとても細かくし、ラードで炒めて香りとコクをつけた長ねぎ、干しエビ、にら、挽肉、焼豚作りで下ゆでしたスープとたれを加えてゆるめの肉あんを作り、冷蔵庫で寝かせて落ち着かせてから包むため、細かなキャベツにたっぷりのスープをまとわせることができます。これをたっぷりの水で蒸すように焼くと、皮も具材もふんわりやわらかなジューシーに仕上がりに。にんにく不使用なこともあり、チャーハンと一緒に頼んでも一皿ぺろりと食べられる軽やかな餃子です。お店ではランチタイムが終了すると店の職人によって丁寧に手包みしています。

オススメメニュー2

揚げ餃子 6個 700円(税込) ※土日・祝日と平日夜限定メニュー

たっぷりの甘酢あんに浸って出てくる独特のスタイル。色よく揚げられた餃子は、余分な油がしっかり切られていて油っぽさは感じられず。皮の部分に油のコクと香ばしさが加わるため、一口噛んだ瞬間の皮の弾力は焼き餃子とは違った魅力があります。これを目当てに週末訪れる人も多いとか。何度も餃子を甘酢あんにくぐらせて、たっぷりとつけてどうぞ。ご飯のおかずとしても、お酒のお供としても美味しい一品です。

お店紹介

兆徳をまた訪れたいと思わせるのが、店主の朱徳平さんのこの笑顔

いつも来る人達を温かく迎え入れてくれます。

朱さんは中国・河南省出身。財務課長を務めたエリート役人時代を経て、1991年の来日を機に中華料理店で働くことになってからはわずか4年後の1995年に「兆徳」をオープンしました。毎日でも通えるシンプルで飽きの来ないメニューとリーズナブルな価格で、地元で愛されるお店に定着しただけでなく、今では口コミから東京屈指の町中華の名店、行列必至店。空港から直行で訪れる外国客もいるそうです。

どこか素朴で懐かしい味と感じるのは、30年間変わらず手作りにこだわってきた朱さんの料理への真摯な取り組みと、どんなに忙しくても殺伐とならないお店のチームワークがあるからです。

基本情報

店名中華料理 兆徳
所在地東京都文京区向丘1-10-5
電話03-5684-5650
営業時間【平日】
ランチ 11:30~14:30 ディナー 17:30~23:00
【土・日・祝】
ランチ 11:30~14:30 ディナー 17:30~22:00
定休日月曜日
アクセス東京メトロ南北線「本駒込」駅(1番出口)から徒歩2分
都営三田線「白山」駅(A3出口)から徒歩4分
店名兆徳 出前・テイクアウト専門店
電話受付時間ランチ 10:00〜14:30(出前L.O.14:00)
ディナー 16:30〜21:30(出前L.O.21:00)
営業時間ランチ 11:00〜14:30 
ディナー 17:00〜21:30
定休日月2回不定休となるため、詳細は随時X(Twitter)でご確認ください
出前エリア白山、本駒込、向丘、小石川、西片、根津、弥生、本郷、湯島ですが、春日、後楽、大塚、小日向、水道、文京区近隣エリアは応相談

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