担担麺 ~華都飯店(シャトウハンテン)~

(東京/港区)

初代から娘、孫娘と伝わる馬家の家庭料理を
静かで落ち着いた環境でゆったりと楽しむ

 「食を通して中国の文化を日本に伝えたい」との思いから、中国料理研究家の馬遅伯昌さんが1965年に東京・三田に開業した中国料理のお店、「華都飯店」。馬さんが大事にしてきた「家庭的な味」と「おもてなしの心」は、娘のへれんさん、そして孫の衣真さんへと引き継がれ、六本木に移転したいまも、多くの人に愛され続けている。

支配人の藤田朋希さん、総料理長の花井秀典さんによれば、「華都飯店」の料理の特徴は「油の量を最低限に抑え、食べやすくあっさりめに仕上げていること」。これが健康志向の強い現代人、特に女性客に支持されるポイントでもある。アボカドピューレをベースにした"伝説のスープ"をはじめ、ひき肉でなく分厚いチャーシューを用いた担々麺、具材をすべて細切りにした酢豚など、レシピにはこのお店ならではのこだわりや工夫が光る。薬膳料理にもくわしい中国料理研究家として活躍する衣真さんは、「3代にわたり受け継がれてきた馬家のやさしい家庭の味を大切にして、歴史ある華都飯店の伝統を守りながらも、進化を常に心がけお客さまに愛される味を目指しています」と、料理に込めた想いを語る。丁寧に作った料理を「馬」の印の入ったオリジナル食器や中国で買い付けた個性的な器に盛りつけたり、中国から取り寄せるおいしいライチティーをふるまったり、といった点にもおもてなしの心を感じる。

ロイヤルブルーを基調とした内装もあって店内には一種の厳かさが漂う。竹林をイメージした瀬戸焼きの装飾に彩られたテーブル席のほかに、大小の円卓席、8人掛け円卓を配した個室、ゆったりしたソファでくつろげるテラス席などが用意され、お一人さまからカップル、グループ、団体でのパーティーまで、さまざまなかたちでの利用に対応している。

昼のオススメメニュー

  • オリジナル定番"馬家の担々麺" 1,500円
    最大の特徴はゴマを炒るところからすべて自家製という点。「ゴマをこがさず、ふっくらと膨らむ程度に炒るのがポイント」と花井料理長。それを丁寧に擦って、しょうゆ、自家製「香り辣油」、綿実油、ゴマ油、酢、トウガラシなどと和えてチーマージャンを作り、毎日炊く豚ガラと鶏ガラのスープで割る。麺は特注の中太卵麺でやわらかく汁をよく吸う。トッピングはハッカクの風味が豊かな分厚いチャーシュー、ザーサイ、小松菜。男性客の多かった三田時代には9割の人が注文したというほど突出した存在だった。女性客が増え人気メニューが分散した現在でも、看板メニューの1つであることに変わりはない。
  • 蟹入りフカヒレとアボカドのスープ 1,600円
    アボカドを中国料理に使うこと自体が珍しかった20年近く前、当時の人気TV番組「料理の鉄人」で鉄人に勝利した風味豊かな逸品。ほど良い熟成度のアボカドをピューレにし、蟹とフカヒレを加えて紹興酒などで軽く味つけ。カラカラと音の鳴るかわいらしい素焼きの器に注いだ。濃厚そうに見えるが口当たりは思いのほかさっぱり。来店者のほとんどが注文するという「華都飯店」きってのスペシャリテ(看板メニュー)だ。

  • 豚ヒレを使った華都飯店特製酢豚 2,900円
    細切りにしたやわらかいヒレ肉が食べやすい酢豚。タマネギ、シイタケ、赤と黄色のパプリカ、ピーマンも同じく細切りで、彩りが良く食欲をそそられる。ケチャップをベースにした甘めの味つけは2代目のへれんさんによるもので、「お母さんの味」という印象。

  • 大海老の香り辣油炒め 2,500円
    厳選した一味トウガラシ、質の良いサンショウ、ネギ、ハッカクなどを用いて作った自家製「香り辣油」をベースに、殻をはずした大海老を甘辛く炒めた人気メニュー。油の使用量を極力抑えているため、時間が経ってもお皿に油がたまるようなことはない。周囲に飾ったスライスライム、トッピングの白髪ネギによりあっさり感がさらにアップ。

発見!! 味なテラス席

  • 住所は地下2階。しかし、入居する仙石山森タワーが坂道に立地しており、店舗は完全に地上に出ている。それでも目の前の道が私道であるため車の往来が少なく思いのほか静かだ。そうした環境を利用して設置されたのがテラス席で、大きなテーブルとソファの並ぶゆったりした4人席が4つ並ぶ。暖房と日よけを完備しているので1年中使用できるが、春や秋など気候の良い時期は特に人気が高い。すべてのメニューを屋外で楽しめるほか、ハウスワイン1本と前菜盛り合わせ、点心を組み合わせたテラス限定メニュー、「トワイライトセット」も魅力だ。
  • お店紹介
    馬衣真さん
    三田から六本木に移転してはや一年。先程の話と重なりますが、これからもお客さまに愛されるお店になるよう、伝統の味を守りつつ進化を心がけていきます。スタッフ一同、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
  • 基本情報
    住所 東京都港区六本木1-9-10 B2F
    電話 03-3587-9111
    営業時間 ランチ 11:30~14:30(L.O)
    ディナー 17:30~21:30(L.O:土日祝日は~20:30)
    定休日 なし
    席数 室内81席 テラス16席
    1日の客数 150人
    主な客層 ランチ
    近所のオフィスワーカー
    ディナー
    接待客、ファミリー
    予算の目安 昼 2,500円
    夜 10,000円
    開業 1965年(2012年9月移転)
    ホームページ
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