(東京都/台東区)
洋食メニューの代表格、ハンバーグは、その大きさや形、つなぎの食材、柔らかさや焼き加減などさまざまな要素に提供するお店の個性が表れますが、なかでもソースは、味の決め手ともいうべき重要なポイントです。「ヨシカミ」のハンバーグは、同店のオリジナルデミグラスソースがたっぷりとかかった大人気の一品。クセがなく飽きのこない味はご飯や日本酒にもよく合い、老若男女、国籍も問わず幅広い人々に愛され続けています。
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クローズアップメニュー
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ハンバーグステーキ 1,200円
比較的細かく挽いた合い挽肉をタマネギのみじん切りとつなぎのパン粉と一緒にこね合わせ、オールスパイスで調味し、フライパンでこんがり焼き上げる。肉は牛と豚の合挽き。タマネギの量は挽肉8kgに対し大玉6〜7個。焼き上がりの食感はやわらかくフワフワだ。デミグラスソースは小麦粉を炒めるときにバターでなく質の良いラードを用いることが大きな特徴で、香り、脂肪分ともに弱めでソフトな風味。肉汁とソースが混ざり合うことで深い味わいを楽しめる。
技のポイント-1
3本の大型寸胴鍋でフォンを炊き続ける
ステーキやビーフシチューなど肉料理を多数扱うヨシカミは牛スジの宝庫。この豊富な牛スジと香味野菜(タマネギ、ニンジン、セロリとパセリの茎)を弱火でコトコト長時間煮込む。8割のメニューで使用するデミグラスソースを絶やさないため、厨房には大型の寸胴鍋を3本並べ、フォンを炊き続けている。仕込みからソースの完成までにかかる時間は3日間。
技のポイント-3
フライパンでこんがりと焼く
手でこねたハンバーグ種を平たくまとめ、フライパンで焼き具合を見ながら一つひとつ焼く。仕上げは白ワインでフランベ。ほどよくついた焦げ目が香ばしい。
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オススメメニュー 1
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牛ヒレステーキ(150g) 3,250円
おいしさとリーズナブルさを両立するため銘柄指定なしの国産牛、特に比較的赤身の多い交雑種を使用。ヨシカミでは創業時からステーキもフライパンで調理しており、また、味つけにはオリジナルの「ニンニクの醤油味ソース」を用いているため、脂肪分の豊かな和牛よりも赤身のほうがしっくりくるのだ。フランベに使うアルコールはスピリッツなどで余計な風味がつかないようにしている。ソースは煮詰めた自家製醤油や甘味調味料が活きており、まろやかななかにコクがある。
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オススメメニュー 2
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スパゲティー ミートソース 1,250円
デミグラスソースを使用したバリエーションとして誕生したメニュー。茹でて水洗いしたスパゲティーをフライパンで炒め、わずかな醤油で風味をつけて皿に盛り、炒めたひき肉、タマネギなどを混ぜたデミグラスソースをかけた。トップに振りかけたのはエダムチーズ。茹であげパスタとトマトベースのミートソースをからめるいわゆるボロネーゼとは異なり、ヨシカミならではのスパゲティーに仕上がっている。
お店紹介
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吾妻弘章 店長
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「あらためて言葉にするほど大層なものはないですが、とにかく自分たちがおいしいと思うものだけを提供しているのは確かです」。「ヨシカミ」店長の吾妻弘章さんに料理へのこだわりを尋ねると、こんな答えが返ってきた。
吾妻さんで3代目という「ヨシカミ」は、1951年12月末、戦後の復興で賑わう浅草に、カウンターばかりわずか10席でオープンした。当時調理を担当していたのは、戦前、商船内で腕を振るっていたシェフたち。「船の上では、限られた材料をいかに無駄なく使い、バラエティ豊かなメニューを提供するかがシェフの腕の見せどころです。当店にはステーキやシチューを中心に、肉料理、ご飯もの、スパゲティーなどいろいろなメニューがありますが、その8割程度に、さまざまにアレンジした自家製デミグラスソースを使っているのも、そういう時代の名残です」と語る。9人いるコックによって微妙に味つけが変わるというのもユニークで、常連の旦那衆のなかにはコックを指名する人もいるという。
看板や食器、箸袋、イスなどに用いたコックをモチーフにしたマークはヨシカミの顔で熊沢永行社長によるデザイン。メニューのイラストも社長が描いた。マークとともにすっかりおなじみとなったコピー、「旨すぎて申し訳ないス!」は下町の洒落であり、自分たちへの戒めでもある。「ここまで言ったからにはそれなりの料理を、という気持ちでいままで頑張っています」と熊沢さん。この心意気が、60年あまり支持され続けている理由なのだろう。
基本情報
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店名 |
ヨシカミ |
住所 |
東京都台東区浅草1-41-4 |
電話 |
03-3841-1802 |
営業時間 |
11:45~22:30 |
定休日 |
木曜 |
席数 |
60席
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主な客層 |
ビジネスマン中心 |
1日の客数 |
平日 300〜400人
休日 500人 |
予算の目安 |
昼 2,000円
夜 3,000円 |
開業 |
1951年12月 |
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