【鍋】韓国居酒屋 創作韓国料理 豚ぜん

(東京都/墨田区)

寒い夜にぴったりの鍋料理。色とりどりの具が目の前で、湯気を立てながら煮えていく様子が食欲をそそります。なかでもトウガラシをたっぷり使った韓国鍋は、冷えた体を芯から温めてくれる個性的でおいしい一品。韓国料理店の激戦区、錦糸町にあって多くの常連客を獲得している「豚ぜん」では、丁寧に炊いた牛ゲンコツスープや牛ダシをベースに、バラエティ豊かな鍋メニューを本場の味で提供しています。

クローズアップメニュー
ブテチゲ(ラーメン付、2~3人前) 3,000円(税抜)
ブテは部隊、チゲは韓国鍋の意味。その名の通り戦時中に軍の兵士たちが食べた鍋料理として伝わる大衆料理の1つで、ランチョンミートやインスタントラーメンなどの保存食を辛味スープで煮るのが大きな特徴だ。「豚ぜん」のブテチゲのベースは牛ゲンコツスープで、粗挽きトウガラシをメインに、ニンニク、天然塩などで味を整えてから、スパム、粗挽きウインナー、ベーコン、キャベツ、玉ネギ、長ネギ、春菊、白菜キムチ、シメジ、エノキ、チーズ、ラーメンを並べた鍋に流し入れる。この状態で客席に運び、卓上コンロで煮れば短時間で出来上がる。
技のポイント-1
スープは牛乳様になるまでじっくりと炊く
牛のゲンコツは内部に血の塊が残っているため、お湯につけてざっと血抜きをしたものを、もう一度きれいな水に入れて沸騰させ、血液や老廃物を完全に取り去る。ここまでが前の晩の作業。これを翌朝、寸胴鍋に6割ほどの量で入れ、なみなみの水と一緒に丸1日くらいかけて炊く。牛乳様になると完成で、火を入れるにつれコクが深まる。2〜3日で使い切る。

技のポイント-2

スープは小鍋で具材を入れる前に調味する
鍋用のスープは、小鍋に取り分けたゲンコツスープを韓国産トウガラシ、天然塩、韓国産うま味調味料などで味つけて作る。トウガラシは粗挽きから細挽きまで主に3種類を使い分ける。具材の種類と量に合ったスープを厨房で完成させてから、生の具材を並べた鍋に流し入れるのが安定した味を維持するコツだ。

オススメメニュー -1

ユッケジャンスープ 980円(税抜)
牛肉の部位で一般にはほとんど知られていないフランケンと呼ばれる部分を、ニンニク、ショウガ、ネギ、ダイコンなどとともに煮込んだ牛ダシがベース(右写真)。フランケンはスジが多く焼肉には不向きなもののうま味が強く、韓国では冷麺のつゆなどにも好んで用いられるという。具はモヤシ、ホウレンソウ、ゼンマイ、タマネギ、シメジなどで野菜メイン。ほかにエノキ、ニラ、ネギをトッピング。最後に、牛の一番おいしい脂とトウガラシ粉末を丁寧に炒め、スープや野菜を加えて隠し味でコクを出したこだわりの自家製したタデギ(韓国の味つけ味噌)を乗せる。

オススメメニュー -2

サムギョプサル鉄板焼き 1人前1,280円(税抜) ※写真は3人前
分厚くスライスして焼き塩とコショウを振りかけた豚バラ肉を、卓上コンロに乗せた傾斜つきの鉄板でこうばしく焼き、野菜やキムチと一緒に食べる。肉から出た脂が野菜の下に流れ込みうま味が染み込む。余分な脂は鉄板の下部から排出される。薬味は天然塩とコショウを入れたごま油と韓国の手づくり味噌。
【包み方】
サニーレタスの上にエゴマの葉を重ね、ごま油をたっぷりつけた肉を乗せて、その上に味噌、赤ネギ(白髪ネギをトウガラシで和えたもの)、ニンニク、キムチ、好みで野菜を乗せてレタスをたたみ丸く包む。

オススメメニュー -3

ポッサムキムチ 1,380円(税抜)
味噌、ニンニク、ショウガ、ネギ、韓国焼酎で薄く味をつけながら2〜3時間煮込み、臭みを除いた豚バラ肉を自家製キムチと一緒に、軽く塩漬けしてやわらかくした白菜でくるんで食べる。キムチは白菜のほかダイコン、ニンジン、リンゴを使用。さまざまな食感と味が口の中で合わさり味わい深い。

  • お店紹介
    李恵善(リ・ケイゼン)
    店長(右から2番目)、右端は李稀默(リ・ヒムク)料理長

    日本で飲食店を始めて20年以上という李恵善(リ・ケイゼン)さん。以前は刺身など魚料理をメインとした和食居酒屋を営んでいたが、チェーン居酒屋の台頭、それに伴うメニュー価格の下落など経営環境が大きく変化したこともあり、5年ほど前に和食から韓国家庭料理へと変更した。「和食時代は主にビジネスパーソンがお客さまだったのですが、いまではお子さんから高齢の方々まで幅広く、また職業もいろいろな人が来てくださっています。韓流ブームも後押しになって若い方や女性のお客さまがすごく増えたのもうれしいです。常連の人が大半なので、私はいつも、『いらっしゃいませ』ではなく『お帰りなさい』と言ってお客さまを迎えるんですよ」と李さんが優しい笑顔で話す。
    韓国居酒屋に切り替えるときにスタッフとなった李稀默(リ・ヒムク)料理長は、国際的なイベントなどでも活躍した経歴を持つ韓国料理の名手。金料理長による確かな味と豊かなメニュー、李さんはじめホールスタッフの家庭的で温かなもてなしを求める人々で、店内は連日賑わっている。カウンター、テーブル、お座敷と、客席も多様でさまざまな用途で利用できるのも魅力だ。
  • 基本情報

    店名 韓国居酒屋 創作韓国料理 豚ぜん
    住所 東京都墨田区江東橋4−26−16
    電話 03−3635−9871
    営業時間

    17:00~翌3:00

    定休日

    日・祝日

    席数

    54席

    主な客層 老若男女(大半が常連)
    1日の客数 50人
    予算の目安 3500〜4000円
    開業 2009年
    URL http://www.tonzen.jp/
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