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(東京都/新宿区)
ロールキャベツといえば、コンソメスープやトマトソース、ホワイトソースで煮込んだ、上品な洋食メニューを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、ここ「アカシア」のロールキャベツは、とろりとしたソースで煮込んだ、ロールキャベツ入りシチューといった趣き。白いご飯との相性も抜群で、まさに“お箸で食べる洋食”を代表する一皿。昭和38年創業、老舗洋食店の看板メニューのおいしさの秘密を、店長の鈴木祥祐さんにうかがった。
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クローズアップメニュー
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ロールキャベツシチュー定食(ロールキャベツ2貫、中盛りライス) 820円(税込)
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ロールキャベツは、今でこそアカシアの看板メニューだが、実は昭和38年の創業時にはなかったそう。「洋食屋としてスタートしましたが、当時の庶民にとって、洋食はまだまだ高級料理。そこで、もう少し誰もが食べやすいメニューをということで、開店から数カ月して加えたそうです」と語るのは、創業者の孫で、現在は店長を務める鈴木祥祐さん。
ロールキャベツはお箸で切れるほど柔らかく、バターやミルクを一切使っていないにもかかわらず、こってりとしたコクがあるソースは、白いご飯にぴったり。メニュー名の通り、“シチュー”と呼ぶのがふさわしい。スプーンを添えて供されるが、箸で食べる人、最初にご飯にシチューをかける人など、食べ方は人それぞれ。家庭の食事のような、気取りのなさがうれしい一皿だ。
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お店紹介
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左/店長の鈴木祥祐さん 右/料理チーフの堀口建太さん
東京オリンピックを目前にした昭和38年、新宿駅前の区画整理に伴い、現在の場所に移転して間もなく、それまでの定食屋から洋食店としてスタートしたアカシア。アルタ裏のにぎやかな一画にあって、歴史を感じさせる風格あるたたずまいもまた、新宿名物となっている。
ハンバーグ、ハヤシライス、オムライスといった庶民的なメニューが並ぶ中、この店の代名詞ともいえるのが、今回ご紹介したロールキャベツ。初代の鈴木社長にとっては、幼い頃に母親が作ってくれた家庭の味である。それは、小学生の頃から作り方を仕込まれてきた料理でもある。
その作り方をうかがいながら、つい何回も確認してしまったのが、「本当にそれだけ? 他に何か秘密のスパイスなど使ってない?」ということ。そのたびに首を横に振る鈴木さん。「キャベツは季節によって群馬や愛知など産地を変えていますが、旬のキャベツを使っているだけ。小麦粉も塩も、家庭にあるモノと変わりません。特別なものは何も使っていません」。ロールキャベツに限らず、カレーもコロッケも、ハムやソーセージも同様。デミグラスソースや粒マスタードまで、すべてが自家製だが、特に産地やブランドにこだわることなく、手に入る材料で、丁寧に作り続けている。
今も、創業時からのスタッフがいる。社長自らお店に立つこともあれば、現在はドイツで店を構える二代目社長の弟が、ソーセージやハムの味のチェックに立ち寄ることもある。そんな家族的な雰囲気の中で、守り続けられている味なのだ。
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基本情報
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店名 |
アカシア新宿本店 |
住所 |
東京都新宿区新宿3-22-10 |
電話 |
03-3354-7511 |
営業時間 |
11時~23時(22時30分L.O.)
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定休日 |
火曜
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席数 |
60席
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主な客層 |
中心は20代~30代。
男女比はほぼ半々
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1日の客数 |
平日は平均400人、多い日は700人
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予算の目安 |
昼800円~
夜1,200円~ |
開業 |
1963年 |
※冷製メニュー以外はテイクアウト可。
★アカシア羽田空港第2ターミナル店もあります。
住所:東京都大田区羽田空港3-4-2
国内線第2ターミナル4F
電話:03-6428-9511
営業時間:10時~22時(21時40分L.O.)
定休日:無
席数:21席
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