【チャーハン】新橋チャーハン王 肉Bar 霞が関店

  1. (東京都/千代田区)
ご飯と具材を手早く炒めた手軽な家庭料理、チャーハン。中華料理店の定番メニューや、ラーメン店などのサイドメニューとしてもおなじみです。日本人の食生活に深く浸透したこのメニューを、米や油の選択から具材の種類や形状、炒め方など一つひとつを突き詰めて考え直し、メニューとしてのあり方そのものまで含めて再構築したのが新橋の行列店「チャーハン王」です。2015年11月には2号店となる「新橋チャーハン王 肉Bar 霞が関店」を出店、メニューに新作チャーハンと肉料理を加え、新たな視点で提供しています。
クローズアップメニュー
チャーハン王セット(極上チャーハン+濃厚鶏スープ) 980円
開業以来約3年半、いまも「チャーハン王」唯一のメニューとして繁盛店を支え続けるこだわりの極上チャーハンは、新店舗でももちろん看板メニューであり、訪れる人のほとんどが注文するという不動の人気を誇る。米は、生産者に直接依頼しチャーハン専用にブレンドしてもらっている「王様米」を使用。具材は九州産黒毛和牛のミンチと、タマネギ、キャベツ、ニラなど数種類の野菜をペースト状にしたもの、卵、カマボコ、刻みネギ。これらを養豚家に特注した香り高いラードで炒め、酒、醤油、塩、こしょう、うま味調味料で味つける。お玉の丸い部分を巧みに使って米の一粒一粒に均一に火を通して味をつける。こうして出来上がった極上チャーハンは、見た目はシンプルだがコクがあり複雑な味わい。チャーハンの味を引き立てる特製鶏スープは、福岡産の鶏ガラを2日間煮込んで3種の塩で味つけ、すりごま、万能ネギを入れた。スープのおかわりは有料(180円)だがリピーターは多い。
技のポイント1
 
 

選び抜いた食材と独自の使い方

チャーハンの主役は米と考え、味のよさから一般にはチャーハンには不向きとされるコシヒカリのブレンド米を使用。これを1回に5kg、水温と時間に注力してガス釜で固めに炊き、保温2時間以内に使い切る。固めに炊くのは味が染み込む余地を残すため。また温かいご飯を用いることで熱が通りやすくなる。写真の手前中央にあるのが黒毛和牛のミンチと野菜を合わせ3日間かけて仕込む具材のペースト。ペーストの下にはカマボコのスライスが隠れている。右奥に見えるバニラアイスのようなものが特注のラードでお菓子のような香りと独特の甘味が特徴。万能ネギは具材として用いるものは根元部分、トッピングとして用いるものは柔らかい葉の部分というように使い分けている。卵は1人前につき1個を使用。
技のポイント2

  

中華鍋は直径36cm以上・重さ1.4〜1.5kg以上のサイズを使用

チャーハンを均一に炒め、熱の通りや持ちをよくするため、用いる中華鍋は直径36cm以上・重さ1.4〜1.5kg以上と定めている。また、1回に作る量は多くて2人前まで。こうすることで全体に火が通り、具材がからみ、かつ余分な油が飛んで、おいしく熱々に仕上がる。ランチタイムには3つのガス台をフルに使って注文に応える。
技のポイント3

   

卵は崩さずに使い黄身と白身両方の味を楽しんでもらう

卵は割ったままの状態で鍋に入れ、塩を振りながら軽く崩すくらいにとどめる。こうすることで黄身と白身、両方の味と食感が楽しめる。また、卵の塩味がチャーハン全体の味のアクセントにもなる
技のポイント4
 

お玉の丸い部分でご飯を鍋いっぱいに広げ均一に熱をあてる

極上チャーハンづくりの最も重要なポイントが、お玉の丸い部分で中華鍋の表面にご飯を薄く広げ、均一に熱をあてて、一粒一粒に味をつける過程。ご飯粒をつぶさず、焦げ目もつけずにやさしく手早く炒めるにはテクニックを要する。
オススメの食べ方

ニンニクエキス入り酢醤油で味に変化をつける
半分ほど食べたところで卓上に常備したニンニクエキス入り酢醤油をかけると、また違った味が楽しめる。
おすすめメニュー1

ガーリックステーキチャーハン 1,200円(税込)
霞が関店限定の新作チャーハン。ラードの代わりにバターを用いる。具材はタマネギとニンニクで、肉(ハラミ)はミディアムに焼いてトッピングするなど極上チャーハンとはまったくの別物。タマネギは2回に分けて入れ、最初に入れるほうは飴色になるまで炒めてうま味を出し、後に入れるほうは食感を活かす。ステーキには柑橘系の香りが漂う特製タマネギソースがかけてあり、意外なほどさっぱりしている。
おすすめメニュー2

熟成ハラミの炙りユッケ 卵黄ソース 980円(税抜)
表面を軽く焼いたハラミを甘辛いユッケだれと卵黄をオリーブオイルで伸ばした卵黄ソースで食べる。こってりしておりご飯にもお酒にもよく合う。
 
おすすめメニュー3

熟成ハラミのカタマリ焼き 1〜2人前 1,180円(税抜) 2〜3人前 2,480円(税抜)

肉そのものの味をじっくり味わうためのメニュー。軽く塩こしょうして表面をよく炙り、中はほんのり温かい程度に火を入れ、少し寝かせてから、肉の繊維に添ってスライスする。このまま食べるのがおすすめだが、好みで塩をつけても良い。1〜2人前は肉約100g、2〜3人前は同200g。写真は2〜3人前。
  • お店紹介

    店長の松山奈緒子さん(向かって右)とルーキーシェフとして期待される山本航大さん


    2012年7月、チャーハンの常識を変える「チャーハン王」を開業したのは、ビジネスパーソンとしてベンチャー企業の立ち上げや企業再生コンサルティングなどに携わっていた黒瀧将史さんだ。ラーメン、そば、うどん、パスタ、カレー、シチュー、天丼、牛丼など数々の専門店がひしめく世の中にあって、なぜかほとんど見かけなかったチャーハン専門店を企画したのは、「多くの人に愛されながらも真剣に突き詰めて専門店化されていないチャーハンという料理にスポットを当てたかったから」だという。
    当初は、ビルの地下1階という「悪立地」、一皿1000円という「高単価」、メニューはチャーハン1つで大盛りさえないという「少品種」の“三重苦”を抱え、周囲から必ず失敗するとさえ言われるなかでのスタートだった。ところが「お米を最高においしい味つけで食べてもらう」ことを目的にゼロから作り上げたオリジナルのチャーハンの人気はどんどん高まり、たちまち行列店に成長。マスコミからも注目される存在となった。
    この実績をベースに、日本の中心、霞が関に出店したのが「新橋チャーハン王 肉Bar 霞が関店」である。店長は、創業2年目から新橋で店長を務めていた松山奈緒子さん。「当店は福岡・天神地区で大人気の肉料理店、『たんか』とパートナーとなっていることもあり、もともと肉に強いのです。その肉を、最高においしく食べていただきたいと考えて新しい店舗を立ち上げました」と紹介する。
    開店3カ月となった同店は、ようやくオペレーションが安定してきたところ。「とにかくおいしいチャーハンと肉料理を広めたい。そのためにも現状に満足せず、常に新しい素材や調理法を考えていきたいです」と松山さん。今後は開発中の料理を正式メニューに加えるなどさらなる充実を目指していく。
    具材のペーストや特製ソースなどは福岡のセントラルキッチンで調理しており詳細なレシピは社員にも非公開。内装やテーブルの配置はBarというよりゆったりした定食屋の様相で入りやすい。カウンター席にはコンセントを完備するなど忙しいビジネスパーソンのニーズに応えている。
  • 基本情報

    店名 新橋チャーハン王 肉Bar 霞が関店
    住所 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル 1F 霞ダイニング
    電話 03-6457-9887
    営業時間

    昼11:00~15:00 
    夜18:00〜22:30(L.O.22:00)
    *土曜は昼のみ

    定休日

    日曜

    席数

    32席

    主な客層

    近隣のビジネスパーソン、家族連れ

    1日の客数

    200人

    予算の目安 昼:980円 夜:2,000円〜
    開業 2015年11月
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。