【トルコ料理】ボルボラス ハサン 新宿店

  1. (東京都/新宿区)
オーナーシェフのハサン・ウナル氏がトルコから来日したのは約30年前。そして、日本で初めてとなるトルコレストランを新宿でオープン。本場のトルコ料理の味を日本に広めた功績も大きい。トルコは、ヨーグルト発祥の地と言われており、トルコ料理ではヨーグルトがふんだんに使われます。日本でヨーグルトといえば、朝食やデザートのイメージが強いですが、トルコでは、夜にヨーグルトを食べて眠りにつくと、体がきれいになり、疲れが取れるといわれています。今回は、本場のシェフが作るヨーグルトを使ったトルコ料理をクローズアップ!
クローズアップメニュー
ボスポラス ヨーウルト ケバブ/特製ラム肉 ヨーグルト ケバブ 1,890円(税込)
粗みじん切りしたタマネギに塩を振ってオリーブオイルで炒める。次に、ピーマン、バジリコ、生パセリとスライスしたニンニクを加え、さらにざく切りしたトマト、胡椒、一味唐辛子、クミンを加える。最後に、小さめに切ったラムのもも肉を投入して炒めた後、トマトペースト、トルコ産の唐辛子を入れて少し煮込む。
同時に、別のフライパンで、なすの素揚げを作っておき、炒めた野菜とラム肉に合わせてさっと炒める。
耐熱皿を直接火にかけ、炒めた具材を盛って加熱。一煮立ちしたら出来上がり。仕上げに、ヨーグルトソース、オレガノ、スパイスのきいた溶かしバターをかける。
オリーブオイルを使ってじっくり炒めた野菜と、さっと火を通した肉のうま味に、塩分のあるヨーグルトソースがバランスよく絡む。野菜たっぷりの優しい味がうれしい。
技のポイント1
 
 

タマネギを炒めるときは必ず塩を入れる

タマネギを炒める際に塩は欠かせない。塩を入れることでタマネギの甘さが増す。
技のポイント2

  

野菜はじっくりと炒める

トルコ料理では、タマネギはじめ、野菜はシャキッとした歯ごたえがなくなる程度、しんなりするまでしっかりオリーブオイルで炒めて、うま味を引き出す。
技のポイント3

   

ラムのもも肉は、小さめに切り、最後に炒めることで柔らかく仕上がる。

野菜とは逆に、柔らかく仕上げるためにラム肉は最後にさっと炒める。小さめにカットするのも短時間で火を通すため。
技のポイント4
 

自家製ヨーグルトで作るヨーグルトソース

トルコでは、夏場は羊のヨーグルトが一般的。日本では、羊のヨーグルトを作るのは困難なため一年を通して牛乳で作っている。自家製ヨーグルトは、牛乳にヨーグルト(種菌)を混ぜ、蓋をして夏は45℃、冬は50℃で約7時間保温。その後、蓋をあけて冷ます。ある程度冷めたら冷蔵庫で休ませる。ヨーグルトは1日かけて作るとコクのある味になる。このヨーグルトに、塩、胡椒、ガーリックパウダーを加えてソースが完成。ガーリックが香る塩気のきいたヨーグルトはトルコ料理に合う。いろいろなメニューに使われ、店の味の要である。
技のポイント5

スパイスバターでコクと香りを
スパイスの香りがする溶かしバターが味を引き立てる。フライパンにバターを溶かし、ガーリックパウダー、胡椒、バジリコ、ドライパセリを混ぜる。バターの風味とスパイスの香りは、コクと香りでおいしさを増す。
技のポイント6

トルコと日本のスパイスを併用して本場の味を出す
本場の味を出すために、スパイスはトルコ産を中心に使っているが、トルコ産スパイスは貴重なため、日本のスパイスも上手に工夫しながら併用している。写真右下から時計回りに 唐辛子、ガーリックパウダー、スマック、バジリコ、オレガノ、中心はクミン。
おすすめメニュー1

ウスバナック タラマ/ほうれん草の和え物 840円(税込)
ほうれん草をヨーグルトソースで和えた前菜。ほうれん草は、さっと茹でて冷水で冷やし、しっかり水気を切る。粗みじん切りしたタマネギをオリーブオイルで炒めて、塩、胡椒、唐辛子、バジリコ、ガーリックパウダーで味をつける。ほうれん草とタマネギを合わせ、冷ましておく。注文が入ったら、ヨーグルトソースを和えて出来上がり。
一緒に食べてもらいたいのは、自家製のパン。自家製パンは、強力粉、水、塩、イーストをこねて薄くのばし、表面に胡麻を振って焼く。
この薄く焼いた自家製パンにのせて食べる。炒めたタマネギの甘さと、ニンニクが香るヨーグルトの酸味のバランスがよく、前菜にピッタリの一皿。
おすすめメニュー2

クイマル ピデ/挽肉のトルコピザ 1,575円(税込)
ピザの具材は、牛挽肉をオリーブオイルで炒め、タマネギ、塩、胡椒、クミンで味をつけ、みじん切りしたパセリを合わせる。
自家製パンと同様の生地を楕円形に延ばし、具材をのせ、生地の端を折り込む。生地の表面に溶き卵を塗り、残った卵は、具材にかける。仕上げに表面に胡麻を振りかける。
300℃に温まったオーブンで、3〜4分焼く。ほんのりクミンがきいて、しっかり味のついた挽肉とふっくらした生地の相性がいい。
 
おすすめメニュー3

ドネル/牛焼肉削ぎ切り 1,550円(税込み)

トルコ料理で、真っ先に頭に思い浮かぶ料理の1つ。ドネル=回転。薄くスライスした肉を重ねて串に刺し、回転させながら焼いて、焼けた部分から削ぎ切りして食べる。
2〜3ミリの薄切りにした牛もも肉は塩を入れた牛乳に1日漬け込む。ちなみに、ヨーグルトは肉から脂分を取ってしまうため、ほどよく脂分を残したいドネルの場合は牛乳を使用する。
牛もも肉のスライス10枚ごとに脂身のスライスを1枚挟んで串に刺す。そうすることにより、脂身から脂が流れ落ちてこんがりと肉が焼ける。
  • お店紹介

    オーナーシェフ ハサン・ウナル氏


    小さいころからシェフになろうと思っていたハサン・ウナル氏。トルコでレストランを開いていたが、日本人女性と結婚した友人から「日本でトルコレストランを一緒にやろう」という誘いを受け、1987年に来日。新宿で日本初となるトルコ料理店を開店した。
    当時、トルコ料理の認知度は低く「開店した当初、半年くらいはほとんどお客様がいなかった」という。そんななか、「日本人にトルコ料理を少しでも知ってもらいたかった」というハサン氏は、店先でトルコ料理の説明を熱心にしながら料理を作り続けた。
    そうしたハサン氏の熱意が通じ、雑誌等に掲載されたこともあり、1年後にはお店とともにトルコ料理の認知度もかなり高まった。1993年に独立し、同じ新宿にて自らの店「ボスボラス ハサン」をオープン。本場の味が食べられるトルコレストランとして屈指の人気店となった。
    ハサン氏は、シェフとして料理も作るし、ホールにてサービスもする。「手間をかけて、本場にこだわったおいしい料理を自分で作って、心をこめてサービスをすればお客様はちゃんと来てくれる」。来日当時の想いは30年後のいまも変わらない。
  • 基本情報

    店名 ボルボラス ハサン 新宿店
    住所 東京都新宿区新宿3-6-11 第一玉屋ビル2F
    電話 03-3354-7947
    営業時間

    昼:11:30~15:00
    夜:17:00~23:30

    定休日

    年中無休

    席数

    54席

    主な客層

    平日はビジネスパーソンが多いが、休日はゆっくり食事を楽しむ幅広い客層。

    1日の客数

    昼 休日/50〜60名位 
      平日/20〜30名位

    夜 50〜60名位
    予算の目安 昼 1,000円 夜 4,000円位〜
    開業 1993年3月
    HP http://bosphorushasan.com
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。