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(東京都/多摩市)
一般的には人通りが多い場所ほど有利とされる飲食店の立地。それをあえて避け、アクセスの良くない住宅街にひっそりと構えるお店……いわゆる隠れ家レストランにとっての支えは常連客。そしてその常連客を虜にするのが、手づくり料理とそのお店ならではのもてなしです。「リストランテYAMA」では、シェフのひらめきを活かした季節感あふれるコース料理と仲良し夫婦の接客で、多くの人を引きつけています。
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クローズアップメニュー1
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鯛のソテー(コースのメイン)
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塩、こしょうをしてソテーした鯛と、季節の野菜を彩り良く盛りつけ、甘酸っぱいソースをかけたメインディッシュ。フライパンでピュアオリーブオイルを熱し、セモリナ粉をまぶした鯛をこうばしく焼く。ソースはピュアオリーブオイルでニンニク、タマネギを炒めて白ワイン、ビネガーを加え3分の1程度まで煮詰めたところで生クリームを加える。つけ合わせの野菜は季節によって替わるが、今回はズッキーニ、カブ、ヤングコーン、パプリカなどを軽くボイルしたあと同じく塩、こしょうをしてソテーし、彩りよく添えた。鯛の表面のサクサク感と中身のフワフワ感が絶妙。
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技のポイント1
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白ワインとビネガーでピクルスの甘酸っぱさを強調
鯛のソテーの材料はピクルスのみじん切り、タマネギのみじん切り、生クリーム、白ワイン、ビネガーと塩、こしょう、セモリナ粉。白ワインとビネガーの両方を使うことで酸味を強調し、ピクルスの甘酸っぱさを引き立てている。
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技のポイント2
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セモリナ粉を使い表面はサクサク、中はふっくら焼き上げる
鯛を焼く前にまぶす粉は小麦粉ではなくセモリナ粉。小麦粉で焼いたときよりもサクサク感が強く、しかも持続し、中はふっくら焼き上がる。
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クローズアップメニュー2
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カジキマグロとグリーンオリーブの赤ワインラグー(コースのパスタ)
ピュアオリーブオイルでニンニクとタマネギを炒め、ミンチにしたカジキと細かく刻んだオリーブを加え赤ワインで煮込む。これを自家製の手打ちパスタと合わせ、同じく自家製のパン粉のふりかけをたっぷりかけた。もっちりした麺とひき肉のようなカジキ、カリカリのパン粉が合わさった食感と風味は、ほかにない新鮮な味わい。
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技のポイント1
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手打ちパスタで個性を出す
ディナーコースのパスタは手打ち。独自の比率で合わせたセモリナ粉、薄力粉、卵をこね、冷蔵庫で最低でも2時間寝かせたものを伸ばし、カットして使用する。写真はサフラン入りで黄色く平麺だが、用途によって野菜やイカスミなどを入れたり、形状や長さをアレンジして使う。
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技のポイント2
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ソースにはワインをたっぷり使う
ソースは赤ワインをたっぷり使って煮込むことで味に深みを出している。
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技のポイント3
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モッリーカをふりかけ新鮮な食感
パスタにふりかけるのはチーズではなくパン粉のふりかけ、モッリーカ。フライパンで熱したピュアオリーブオイルにニンニク少々を入れ、自家製パン粉、ドライオレガノを入れてよく炒ってつくる。パン粉はバケット系のパンをフードプロセッサーで細かくしたもので、食パンのパン粉よりも油を吸いにくく、歯ごたえがありパンの味が濃い。
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オススメメニュー1
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前菜盛り合わせ(コースの前菜)
生ハムから右回りにサーモンでくるんだエビ、2色のテリーヌ、キッシュ。サーモンはブラックペッパーをまぶしてバーナーで表面を炙ってある。テリーヌの具は上がサフラン、キノコ、下が自家製セミドライトマトで、それぞれシーフードのムースでまとめて重ねた。セミドライトマトは苗から育てたミニトマトのアイコを収穫し、グラニュー糖とドライオレガノを振って15時間ほどオーブンで乾燥させた後、オリーブオイルに浸けたもの。キッシュはチーズが入ってしっとりしている。模様のように4点に丸く並んでいるのはマヨネーズ、ビネガー、粒マスタード、ディジョンマスタード、白ワインを合わせてミキサーにかけたソース。ほかに自家製バルサミコドレッシングもかかっている。全体にボリュームがあり、前菜というよりおつまみの盛り合わせというにふさわしい充実ぶり。「前菜からゆっくり楽しんでいただきたい」というシェフの思いがこもった一皿だ。
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オススメメニュー2
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ポルチーニのリゾット(コースのリゾット)
エシャロットをバターでソテーしたところに生の米を入れ、半透明になったら白ワインと水を加えてハーフボイルの状態にし、冷蔵庫に保管する。イタリア米の場合は生米のまま調理しても問題ないが、芯の強い日本米の場合はハーフボイルする行程を入れるほうが味の含みが良く、固さもほど良く仕上がるという。これを炒めたニンニク、ポルチーニと合わせて白ワイン、野菜のブイヨンを入れて炊き上げる。皿に盛ってパルミジャーノをふりかけて完成。ジャストアルデンテの歯ごたえと濃厚な味が魅力。
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お店紹介
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「静かな環境で料理を楽しみ満足してお帰りいただければ」と語るオーナーシェフの深澤哲也さん
「たいそうなコンセプトなどはありません。自分が培ってきたものを出し切るだけ。折に触れて浮かぶ料理のアイデアを、そのときどきの食材を使ってつくっているのでコースの内容は常に変化しています」と語るのは、「リストランテYAMA」のオーナーシェフ、深澤哲也さんだ。
深澤さんは料理人として1989年にホテル椿山荘東京に就職。3年後に開業したフォーシーズンズホテル椿山荘東京に配属になり、そこのメインレストランがイタリアンだったことから、自然にイタリアンシェフの道に。後にスーシェフにまでなったが、通算14年勤務したところで早期退職。一年間の充電期間を経て開業した。
静かな環境を好み、あえて駅前を避けて住宅街の一軒家を借りて出店。「おいしいものを食べたいけれど都会に出るのは億劫という高齢者の皆さんが主なターゲットです」と深澤さん。メニューはコース料理のみでランチは1,940円、ディナーはメイン一種で5,400円、メイン2種で6,480円。都内で同じコースを出したら倍近い値段になるであろう内容とボリュームが喜ばれている。
庭で育てているフルーツや野菜、ハーブなども効果的に使う。
「フルーツはアイスにすることが多いです。春は紅白の梅、夏はラズベリー、秋にはブルーベリーとブラックベリーのアイスを用意しています。庭のレモンでつくるレモネードも好評です」
料理だけでなく内装も手づくりで、壁にテラコッタをはめ込んだり、暖炉を模した火鉢や天然木を使った照明などをつくったりと多くの作業を自分でこなした。「壁の絵は義理の父の作品です。ホールは妻が担当してくれています。ドアに飾った板金細工は私と妻で、同じ形のイラストをロゴにも使っています。テーブルクロスは妻の手づくりですし、娘もOPEN、CLOSEの札をつくってくれて……」と、お店づくりは家族ぐるみ。店内はその温かな雰囲気で満ちている。
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基本情報
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店名 |
リストランテYAMA |
住所 |
東京都多摩市落合4-7-3 |
電話 |
042-339-6676 |
営業時間 |
ランチ 11:30~14:30
ディナー 18:00〜22:00(L.O20:30) |
定休日 |
水曜
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席数 |
16席
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主な客層 |
ランチ 30〜40代の主婦層中心
ディナー 高齢の夫婦やグループ中心
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予算の
目安 |
コースのみ
ランチ:1,940円、
ディナー:メイン1種5,400円 メイン2種6,480円 |
開業 |
2004年9月 |
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※掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。