【ラーメン】町田汁場 しおらーめん進化 本店

  1. (東京都/町田市)

 2007年秋、当時はまだ珍しかった塩ラーメン専門店として、最寄りの町田駅から1.5kmほども離れた場所にオープンした「町田汁場 しおらーめん進化」。当初はなかなか客足が伸びず苦労したといいますが、次第にファンが増え、2009年の「町田私の好きなお店大賞」受賞をはじめ各方面で高い評価を獲得。2014年には2号店出店。さらに2015年からは本店正面に新設した製麺所でオリジナル麺の製造を開始し、スープと麺のバランスを追求しながら、店名通り、日々進化を続けています。
クローズアップメニュー

しおつけ麺 900円(税込)

自家製麺の製造を始めたのを機に、「麺が主役のつけ麺」として開発。看板メニューである「しおらーめん」と同じスープと塩ダレを用いるが、茹で上がった麺に水だしした粘りの強い昆布だしと水塩をからめるといった工夫で、独特の食感と風味をプラスしている。まずはつゆをつけずに麺の豊かな風味を味わい、その後つけダレに軽くひたして食べるのがおいしい食べ方。高知県四万十産のブシュカン果汁を麺にからませるのもおすすめだ。
技のポイント1
 
 

スープは鶏ガラ、丸鶏、鶏肉、豚足、豚ゲンコツのうま味を凝縮

基本のスープは50ℓの寸胴鍋に、豚ゲンコツ、鶏ガラ(甲州地鶏)、丸鶏(山水地鶏)、鶏肉を、この順番で鍋の半分くらいまで重ね、 π(パイ)ウオーター浄水器を通したRO水(RO膜処理をした限りなく純水に近い水)を入れて6時間半程度炊いて作る。炊き始めて1時間ほどした段階で、RO水で水だしした昆布だしを、炊きあがる1時間半ほど前に同じくRO水で水だししたアゴだしをそれぞれ加える。これを冷まして1日寝かすことで味を安定させ、翌日から用いる。RO水は魚介系のだしをとるのに適し、 π(パイ)ウオーターは動物系のだしに“厚み”を与える効果があるという。
技のポイント2

 

 
麺に昆布だしと水塩をからませ「海の風味」を演出

麺は、メニューそれぞれに最も合った素材、サイズで製麺し、冷蔵庫で寝かせてよく締めたうえで提供している。しおつけ麺の麺は、希少な国産小麦「はるゆたか」を用いた16番平麺で、つるつるもちもちの食感が持ち味。茹でた麺に羅臼昆布のだし、石川県輪島沖の海水を濃縮させた「わじまの水塩」をからめるのが、はるゆたかの風味を引き出すポイント(左上写真はオリジナル麺を作る製麺所)。
技のポイント3

 

つけダレは鶏油、塩ダレ、スープを混ぜて具を加える

どんぶりに鶏油、しおらーめんと共通の塩ダレ(後述)、スープを注ぎ、塩をすり込んで一晩置いてからオーブンで焼き上げた豚肩ロースのチャーシューのスライス、刻みネギなどを入れればつけダレの出来上がり。つけ過ぎないのがおいしく食べるコツ。
 
おすすめメニュー1

しおらーめん 750円(税込)

宗田節、サバ節、昆布でとった和風ダシを白醤油、味醂などで軽く調味し、高知県産の4種類の塩(完全天然天日塩、藻塩、釜炊き塩、天日塩)と、ベトナム産天日塩、計5種類を加えて溶かした特製の塩ダレは、甘味、辛味、苦味、うま味、コク、まろやかさなど、一つひとつの塩が持つ個性を引き出し、補い合ったほかにない味が魅力。これを丁寧に炊いた鶏ガラスープで割り、自家製の細麺(22番)を合わせた。
おすすめメニュー2

白醤油鶏チャーシュー 1,100円(税込)

七幅醸造の生の有機白醤油を活かした一品。鶏ガラスープにこの白醤油を加え、本みりんやサバ節で調味したスープは、だしの風味をベースに醤油の味がしっかりと調和している。麺はかなり細かくした全粒粉を使った18番平麺で、こちらも小麦粉の味が引き立っている。鶏チャーシューは、鶏もも肉を塩味ベースでマリネしたうえで真空パックにして低温調理したもの。しっとりした食感が人気だ。
おすすめメニュー3

煮干塩・しお味玉のせ 900円(税込)

カタクチイワシとマイワシの煮干しがベース。カタクチイワシは脂の乗ったタイプとあっさりしたタイプの2種類を使用する。麺は全粒粉を使った低加水の四角い麺(20番)で、かみごたえがあり、小麦粉の風味もスープに負けないくらい強い。どんぶりのふちに添えたホースラディッシュは、麺につけてもスープに溶かしてもよい(しお味玉はトッピング)。
  • お店紹介

    「地元のお客さんを大事にしながら、20年、30年と続けていきたい」と語るオーナーの関口信太郎さん

     「とにかくシンプルに、素材の味を活かすことを考え続けています。ほぼ100%不純物を取り除いたRO水や、πウオーターを使い分けているのも、食器をすべて有田焼で揃えているのも、よりおいしく食べていただくためです」と、ラーメンづくりに向き合う自らの姿勢を語るのは、「町田汁場 しおらーめん進化」のオーナー、関口信太郎さんだ。
     「麺固め」や「大盛り」といった注文は断っているが、これにも、「当店のように国産小麦を使った自家製麺の場合はよく茹でたほうが絶対おいしい」という明確な理由がある。煮干しや節類、塩などの産地による特徴、老舗メーカーが誇る調味料の特徴などにもくわしく、その知識もまた、おいしさの追求に活かされている。
     関口さんは19歳で飲食業界に入り、「せたが屋」グループの塩ラーメン専門店、「ひるがお」の店長などを経て2007年10月、「進化」を開業。「先輩方から教えていただいたことに自分なりの工夫を加えてオリジナルの味をつくりあげました」と語る。2015年に開設した製麺所には、「開業するのと同じくらいの費用がかかりました」と苦笑するが、すべてを自分で作れる環境があるのは大きな強み。「これからも、よりおいしくする方法を探っていきたい」と言う。
     2号店は2014年2月に町田駅近くに出店済み。すでに3号店のイメージも膨らんでおり、「学生時代から慣れ親しんだ町田の人々に、おいしいものを幅広く提供したい」と、「塩以外のラーメン店」を考えている。
  • 基本情報



    店名 町田汁場 しおらーめん進化
    住所 東京都町田市森野3-18-17
    電話 042-705-7122
    営業時間 11:00〜15:00 
    18:00〜21:00
    定休日

    月曜(祝日の場合営業、
    翌日休業)

    席数

    9席

    主な客層

    幼児から高齢者まで幅広い

    予算の目安 950円
    1日の客数 昼100人 夜50人 
    開業 2007年10月19日
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。