(神奈川県/大和市)
札幌ラーメンの銘店「札幌 すみれ」で15年間修業し、4軒めとなるすみれ店主から独立を認められた「ラーメン 郷」。看板商品はもちろんすみれ仕込みの味噌ラーメンで、本店の味を忠実に守っている。周囲は住宅街が広がる閑静な場所ながら、地元客だけでなく熱心なすみれファンが多数訪れている。
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クローズアップメニュー
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味噌ラーメン 800円(税込)
すみれオリジナル味噌を使った味噌ラーメン。香ばしさやスパイシーさが一体となったパンチのある旨みは同店でもしっかりと受け継がれている。表面をラードが覆い、とびきり熱々のラーメンに仕上げている点も変わりない。具材は刻んだチャーシューと粗挽き肉を合わせて盛り付けるすみれと同じスタイル。その他にはモヤシ、細切りしたメンマ、刻みネギ、おろし生姜。麺は「森住製麺」の中太ちぢれ麺。スープをしっかりからめながら、濃厚な味に負けないコシのある食感を表現する。
技のポイント1
豚のゲンコツを低温で炊いて一晩寝かせ、魚介系をプラス
ベースは豚のゲンコツに長ネギなどの野菜類を合わせ、沸騰直前の温度をキープしながら6時間加熱。一晩寝かせてから独自ブレンドした魚介系のだしを入れ、清湯を思わせる透明感のあるスープにするために沸騰させないよう細心の注意を払いながら加熱することで、すっきりとしながら深みのあるコクに仕上げる。
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技のポイント2
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味噌玉を中華鍋で溶きながら香ばしさを移す
すみれオリジナルの味噌玉は1玉4食分で、一度に4食分ずつスープをつくる。味噌玉をラードとともに中華鍋でじっくり炒めて香ばしさを味噌に移していくが、頻繁に火力を変えながら絶妙な焦がし具合に仕上げる様は熟練の技そのもの。味噌玉の製法は非公開だが、絶えず改良を加えて味を進化させている。
技のポイント3
極強火でモヤシを炒めてから煮込むことが独特な風味の秘訣
たっぷりのモヤシを味噌スープとともに煮込むのがすみれの味噌ラーメンのスタイル。まずモヤシをたっぷりのラードで炒めるが、鍋に火を移してモヤシの水分を飛ばさないように表面に香ばしさを移すのがポイント。これに溶いた味噌、ベースのスープを加え、ひと煮立ちさせて味をひとつにまとめていく。モヤシの甘みが味噌スープのカドを包んでまろやかさが生まれる。
技のポイント4
継ぎ足しの醤油ダレに短時間漬け込んで肉の旨みを表現
元食肉会社だった店主が肉の目利き力を生かして仕入れた豚バラ肉をしっかりと巻き、ベース・スープで約3時間下茹でした後にいったん冷まし、継ぎ足しで使用している醤油ダレに漬け込む。その漬け込み時間はわずか10分程と短く、豚肉の旨みを前面に出しながら醤油の香ばしさを加える程度。肉の食感と脂身の甘みをしっかりと残した食べ応えある仕上がり。味噌ラーメンにはこちらのチャーシューを刻んだものを入れている。
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オススメメニュー1
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特醸味噌ラーメン 1,000円(税込)
独立時にオリジナル商品の開発をめざして取り組んだのがすみれとは異なるタイプの味噌ラーメンだ。味噌スープは香ばしさやスパイシーさが一体となって独特なパンチ力をみせるすみれとは異なり、シンプルで優しい味わい。香ばしさは2センチ厚にカットしたチャーシューを中華鍋で表面を焦がしたもの、モヤシはシャキシャキとした食感が残るようにさっと炒めたものを盛るといった具合に異なる風味や食感のレイヤーを表現する。
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オススメメニュー2
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特正油ラーメン 1,000円(税込)
継ぎ足しながら作る自家製の醤油ダレの味を前面に打ち出す。限りなく黒に近い赤褐色のスープは、焦がし醤油ならではのビターな風味。シャキシャキ感を残したモヤシや白髪ネギを合わせることで後味をスッキリさせる。
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オススメメニュー3
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郷飯 360円(税込)
すみれ店長時代のまかないから生まれたご飯メニュー。ごはんの上に乱切りしたチャーシューとメンマをたっぷりのせて煎りゴマと刻みネギを天盛りする。これをラーメンのスープに漬けて食べるおじやスタイルがリピーターに人気の食べ方だ。
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お店紹介
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店主の郷 勇市さんは奄美大島出身
高校卒業後に神奈川の食肉会社に就職したが、営業先ですみれのラーメンに衝撃を受けて弟子入りを決意する。北海道出身者ばかりの職場でめきめきを力をつけ、神奈川・新横浜ラーメン博物館店、川崎ラゾーナ店、福岡・大名店の店長を歴任。弟子入りから15年めにして独立の許しを得て、奥様の実家のある神奈川・大和市内に「ラーメン 郷」を開業して独立を果たした。北海道外出身者で独立を許されたのは郷さんが初めてだ。小田急江ノ島線「高座渋谷」駅から徒歩10分ほどのロードサイド。周辺には住宅街が広がり、平日はサラリーマンや建築関係者、週末はすみれファンの目的客や家族連れで連日ピークタイムには行列ができる。カウンター4席、2人掛けテーブル3卓に加えて4人掛けテーブル2卓の小上がり席を設えて、子供連れの家族客も食事しやすい配慮をしている。「すみれは研究熱心で絶えず味を磨き続けています。だから何年も作り続けていても、これでいいということがない。そうした奥深さがつくる人も食べる人も魅了する理由なんです」と郷さんは語る。
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基本情報
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店名 |
ラーメン 郷 |
住所 |
神奈川県大和市渋谷2-15-10 |
電話 |
046-408-1906 |
営業時間 |
昼の部:11時30分~15時(L.O.)、
夜の部17時30分~21時(L.O.)
※火曜日は昼の部のみの営業 |
定休日 |
水曜日
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席数 |
18席(カウンター4席、テーブル2席×3卓、座敷小上がり席4席×2卓)
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主な客層 |
ラーメンファンの目的客、地元住民
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1日の客数 |
平日100人、週末160人 |
予算の目安 |
900円 |
開業 |
2017年2月1日 |
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※掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。