(東京都/港区)
辣油と芝麻醤を合わせた濃厚なタレに山椒をたっぷり振りかけて、「辛さ」と「しびれ」のインパクトが高い中毒性を発揮する「汁なし担担麵」。発祥は広島といわれるが、実際広島市内には25以上の専門店がひしめくほどの普及ぶりだ。 キング軒は2011年11月に広島市大手町にオープンすると連日行列ができる人気店になり、2015年5月には東京にも出店。2018年夏にはカップ麺が商品化され、さらに話題を呼んでいる。
-
クローズアップメニュー
-

-
広島式汁なし担担麺 普通580円/大盛680円(税込)
中細麺を硬めに茹であげることでタレがしっかり絡みつつ、麺がダレることなく小気味いい歯切れ感が特徴。やや甘さを強調した醤油や肉味噌が、山椒のしびれに負けない存在感をアピールしてぐっと旨みを感じさせる。 麺、醤油は広島の老舗メーカーに特注し、青ネギも広島産。味の個性を表現する五香辣油、芝麻醤、花椒は本店のある広島で独自製造し、品質においても〝広島式〟をしっかりとアピール。花椒は当日に使うぶんだけ店内で挽き、フレッシュな香りとしびれをもたらしている。 〝広島式〟は明確に定義されているわけではないが「青ネギを入れる」「しっかり混ぜて食べる」「麺を食べ終えたらごはんを入れて〆る」など共通する食べ方がある。 麺量140gの普通盛りで580円とリーズナブルな価格設定も魅力で、これも広島市民のソウルフードとして浸透した理由のひとつ。この価格設定は東京店でも踏襲している。
-
技のポイント1
-

-
自家製ラー油とオリジナルの醤油ダレで辛みと旨みの柱をつくる
自家製五香辣油は1ヵ月半寝かせて熟成させた自家製五香辣油を使用。複数のスパイスを配合して爽やかな香りが特徴、1ヵ月半寝かせて熟成させることでおだやかだが芯のある辛さに仕上がっている。
-

-
かえしとなる醤油ダレは、サラっとした透明感のある質感でありながら甘みとコクがしっかりとした味わいだ。
-
技のポイント2
-

-
香ばしい風味の芝麻醤、甘めに仕上げた肉味噌がクセになる味を支える
芝麻醤はブレンダーでなめらかに溶いて辣油やかえしと混ざりやすようにしている。肉味噌は国産の豚肉を使用し、粗挽きのものを複数の調味料で炒め煮して、独特の旨みと甘みが特徴。これが「辛い、しびれる」だけではない旨みを支えている。
-
技のポイント3
-

-
スープは味がブレないように沸騰させずに保温
スープは鶏ガラをベースに炊きあげた清湯で、材料をていねいに漉しとってすっきりと濁りのない黄金色のスープになっている。沸騰させない程度の温度で保温することでスープの味わいを維持する。スープはほんの少量を加えて、各種調味料と麺のなじみを良くする。
-
技のポイント4
-

-
茹で時間は55秒。小気味のいい歯ごたえで食が進む
性質の異なる小麦粉を独自配合した中細ストレート麺を使用し、茹で時間はわずか55秒。硬めのゆで加減で、歯切れのよさや、とろみのあるタレとあえてもしっかりと食感や風味を主張する。
-
オススメメニュー1
-

-
トッピング セロリ 100円(税込) トッピング 温泉玉子 50円(税込)
メニューは「広島式汁なし担担麺」のみで、トッピングも「ネギ盛り」「セロリ」「温泉玉子」の3品のみと絞り込んでいる。これが高速提供と品質の安定をもたらしているポイントの1つ。セロリは葉と茎の部分をみじん切りしたもので独特の香りとシャキシャキ感がアクセントとなって女性客を中心に好評。温泉玉子は競合店でも定番のトッピングアイテムだが、汁なし担担麺に投入して和えるのではなく、麺を玉子に付けながら食べるスタイルを提案して個性を打ち出している。
-
オススメメニュー2
-

-
超山椒的汁なし担担麺20倍 700円(税込)
青ネギ、山椒、唐辛子をたっぷり盛りつけて辛さとしびれを極めた一品。あえてごまだれを一切使用しないで仕上げることで辛さを和らげる要素がなく、刺激的な味に仕上げている。
-
オススメメニュー3
-

-
坦坦ライス(※半ライス 50円)(税込)
麺を食べ終えた後に白米を投入し、残った汁を混ぜ合わせて食べる坦坦ライスはご当地広島でお馴染みの食べ方。東京店でも人気で実に来店客の7割が注文する。卓上に置かれた醤油ダレ、酢、山椒、鷹の爪をお好みで加えて食べる。
-
-
お店紹介
-

-
「すべて本店と同じ食材を使用して広島の味を忠実に再現しています」と店長の原田紀明さん
東京・浜松町でも飲食店が集積するエリアから離れたオフィス街の真ん中にお店を構えるが、ランチタイムは15時の閉店時間まで客足が絶えない人気ぶりを見せる。近隣の会社員や学生が主客層だが、1km近く離れたところから昼休みにわざわざ訪れるほどのファンがいるほど。麺茹で時間55秒で、スープも再加熱の必要がないことから2分以内のスピード提供が可能なことも汁なし担担麺の利点で、来店客は着席から15分程度で食べ終えてしまう。行列ができていてもちょっと待てば順番が来る安心感がさらに行列を呼ぶ好循環がおき、ランチタイムだけで連日150人が訪れるという。汁なし担担麺の個性でもある山椒の香りとしびれは、女性にも人気が高く来店客の3割が女性という。
-
-
基本情報
-

店名 |
汁なし担担麺専門 キング軒 東京店 |
住所 |
東京都港区芝公園2-10-5 シグマビル1F |
電話 |
03-6452-9330 |
営業時間 |
11時00分〜15時、17時〜20時、日・祝日11時〜15時 |
定休日 |
土曜日
|
席数 |
12席(カウンター席のみ)
|
主な客層 |
近隣学生や会社員、目的客
|
1日の客数 |
200〜250人 |
予算の目安 |
680円 |
開業 |
2015年5月24日 |
HP |
http://www.kingken.jp/ |
-
※掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。