【韓国料理】和韓

東京都/港区

鶏肉と野菜、トッポギを甘辛のタレで和えて鉄板で焼くタッカルビ。発祥の地は韓国の春川(チュンチョン)で、安価な骨つき鶏肉と野菜を使った学生向けの郷土料理が人気となり全国に広まった。そのタッカルビにチーズをのせた料理が「チーズタッカルビ」。近年、日本でもブームになっており、常連客のリクエストに応えて「和韓」でもおすすめメニューとして新登場。トロトロに溶けたチーズと甘辛ダレの相性がぴったりで、たちまち人気メニューになっています。
クローズアップメニュー
チーズタッカルビ 1,380円(税抜)※写真は2人前
鶏肉は国産の鶏モモ肉(2人分300g)、野菜はさつまいも、ねぎ、キャベツ、ニンジンを使用。これにトッポギ(韓国餅)が加わる。まずは、一口大に切った鶏肉、さつまいも、トッポギにサラダ油を加えて中華鍋で強火で炒める。鶏肉の芯まで火が通ったら、そのほかの野菜を投入し、自家製のタッカルビ用のヤンニョムジャンを加えてさらに炒める。最後に香りづけのごま油を加えて、軽く炒めてから火を止める。これをテーブル用の鉄板に移して敷き詰め、センターにチーズをたっぷりのせる。卓上コンロで加熱してチーズがとろりと溶けたらできあがり。
技のポイント1
 

チーズタッカルビ専用の自家製ヤンニョムジャンのベースは9種の調味料

和韓ではすべてのタレ、ソース類を店内で手作りしている。チーズタッカルビ専用のヤンニョムジャンももちろん手作り。材料となる調味料は(写真手前右から)唐辛子粉、おろしにんにく、おろししょうが、(中段右から)ごま油、砂糖(三温糖)、コチュジャン、(奥右から)塩、醤油、胡椒。これに隠し味となる数種の材料を加えて鍋で煮込むことにより特製のタレが完成する。李料理長が、子どもでも外国人でも万人に愛される味を目指して作り上げた甘辛く優しい味。
技のポイント2
 

鶏肉は最初に強火で炒めて臭みを取る

最初に一口大にカットした鶏肉を強火で炒めて臭みを取る。その際、火の通りにくいサツマイモとトッポギも同時に炒める。鶏肉の部位はモモ肉を使用すると食感が柔らかく仕上がる。
技のポイント3
 

チーズはナチュラルチーズとレッドチェダーチーズをミックス

チーズは、くせのないミックスシュレッドチーズとクリーミーなレッドチェダーチーズの2種を使用。焦げないように中火で熱するうちにとろりと溶けて混ざり合う。チーズが溶ける過程は視覚と匂いでも食欲を刺激される。甘辛の特製ヤンニョムジャンがチーズと混ざることでさらにまろやかになり、まさに日本人好みの味に仕上がる。
オススメメニュー1
豚カルビセット 1,580円(税抜)
豚カルビ専用のタレも自家製。材料は、醤油、砂糖(三温糖)、玉ねぎ、りんご、水飴、にんにく、生姜、長ねぎ、ごま油など。色づけ、香りづけのために隠し味にインスタントコーヒーを加える。これを大鍋で約1時間煮込んだものを2日間冷蔵庫で熟成させることにより甘みが増し味はまろやかになる。豚カルビセットに使用する肉は、国産豚の生のスペアリブをブロックで購入。店内で骨付きのまま豚カルビ用にスライスし、タレに1日漬け込んでおく。肉を焼く際はフライパンにタレも加えて両面を焼き、全体に火が入ったらハサミで一口大にカットしてさらによく焼き上げる。その際、強火で焼くことが色と味をよくするポイント。最後に骨だけ網を使って直火で炙り香ばしく仕上げる。テーブルに供する際は、熱した鉄板に別に火を通したキャベツ、ねぎ、ニンジンなどの野菜を盛り付け、その上に焼いた肉をのせるのが和韓流。これにより肉と一緒に野菜もたっぷり食べられる。野菜を炒める際に使う焼肉用のタレは豚カルビ用とは別物。醤油ベースでシナモンなどが入りあっさりとしている。セットには焼肉のつけダレ、韓国の白味噌にニンニク・ねぎ・唐辛子などを加えて作るつけ味噌、サンチュ、エゴマ、ねぎサラダが添えられる。
 
オススメメニュー2
参鶏湯 1,980円(税抜)
薬膳としても人気の参鶏湯。ていねいに下処理した丸鶏の中にもち米、高麗人参、種を取ったナツメ、にんにくを詰める。大鍋の中にすりおろした高麗人参、桑の葉、シナモン、甘草など多種の漢方とともに丸鶏を入れ、水からじっくり90分間煮込んだものを冷蔵保存しておく。大鍋では一度に24羽を調理できる。注文が入る度に一人前ずつ小鍋で温めて、最後に胡椒で味を整え、たっぷりのねぎとごまをトッピングして完成。高麗人参をはじめ、漢方の効いた薬膳スープと柔らかく煮込まれた鶏肉、もち米は優しい味で、体を芯から温めてくれる。お好みで炒めた塩や胡椒を肉につけて食べると味の変化を楽しめる。
オススメメニュー3
ホルモン味噌チゲ 1,280円(税抜)※写真は2人前
ホルモンは牛のハチノス、マルチョウ、ギアラを使用。下処理用のタレ(韓国白味噌、甜麺醤、生姜、ごま油など)に漬け込み、さらに水から2時間煮込んで臭みを消す。その後、ホルモン用のタレ(ヤンニョム、コチュジャン、味噌、砂糖、水飴など)に漬け込んでおく。注文が入ってから、長ねぎ、玉ねぎ、にんにくを使った醤油ベースの野菜スープに、味噌、3種のホルモン、木綿豆腐、アサリ、エホバ(韓国かぼちゃ)、玉ねぎ、ニンジン、エノキなどを加えて煮込む。使用する味噌は、しいたけのみじん切りやバターなどを加えて炒めて作る自家製味噌。韓国味噌は炒めることによりクセがとれ味がマイルドになる。そのままスープを味わいながら食べてもいいが、白いご飯との相性が抜群にいい。
オススメメニュー4
キムチ餃子 880円(税抜)
キムチ餃子もチーズタッカルビ同様、最近加わった新メニューのひとつ。具材は、豚ひき肉、刻んだ白菜キムチ、ニラ、豆腐、もやしを混ぜ合わせ、塩、コショウ、ごま油で味を付ける。ポイントは白菜キムチと豆腐の水気をよく切ること。皮で包んでから一ひねりして円形にするのは韓国流の包み方。蒸し立て熱々のままテーブルに。タレは、チヂミ専用ダレ(醤油、唐辛子、酢、刻んだねぎ、にんにく、ごま油、砂糖など)に、さらにごま油、酢、唐辛子を加え、キムチ餃子用にアレンジしたものを使用。
 
  • お店紹介
    「お客様に笑顔になってもらうことが一番嬉しい」と言う代表の金鮮珠さん(左)と李吉秀料理長(中央)。右はホールを手伝っている金さんの愛娘・ハンナさん。
    代表の金鮮珠(キム・ソンジュ)さんが、「和韓」という名の店舗が売りに出ているのを知り、居抜きで手に入れ、新たに新店舗としてオープンしたのは2016年9月のこと。それまで様々な料理店で働く中で、韓国料理と和食を融合した料理店を作りたいという夢を持っていた金さんにとって、日本と韓国を合わせた「和韓」という店名はまさに自分の思い描いていた店にぴったり。店名もそのまま継承することにした。
    当初、金さん本人が調理を担当する予定だったが、開業に際して李吉秀(リ・ギルス)料理長を紹介され、厨房を任せることにした。そのため、和韓は和食のテイストは入れずに韓国料理専門店としてスタートした。
    駅から離れているという立地条件もあり、オープン当初は客が入らず悩んでいた金さんだったが、一年も経たないうちに客数が増え、昼は常に満席になり、夜の客数も安定した。これは、一度来店した客がリピーターとなり、口コミで評判が広がっていった結果だという。
    その人気の最も大きな理由は李料理長が生み出す味にある。李料理長は韓国の料理学校を卒業後、様々な店で約10年間経験を積み来日、韓国料理の名店で長年腕を振るってきた。李料理長はそれぞれの料理専用のジャンやタレ、ソースなどを一から手作りして、満足のいく味を追求している。その数はサラダのドレッシングだけでも3〜4種あり、総数は20種類以上にもなる。また、素材にもこだわり、加工された材料は使わず、生で仕入れたものを厨房でさばいている。そこまでこだわる理由を李料理長は、味を追求する料理人としての「プライド」と明言する。さらに、お酒好きな金さんが、韓国のお酒だけでなく日本酒、焼酎、ワインの品揃えを充実させたことも人気の一端となった。そしてもちろん、金さんの明るい人柄が果たした役割も大きい。「お客様に笑顔になってもらうことが一番嬉しい」と言う金さん。すべての客にサービスでフルーツを出し、韓国のりをおみやげに渡すのも笑顔で喜んでくれるから。
    多くの常連に支持されて「おかげさまで毎日が楽しい」と自らも笑顔で語る金さんの新たな夢は焼肉店をオープンすること。李料理長の専門分野が肉料理であることもあり、実現した暁にはさらにこだわりの名店になるに違いない。
  • 基本情報
    店名 韓国家庭料理 和韓
    住所 東京都港区東麻布2-29-6 麻布Kビル
    電話 03-6441-3191
    営業時間
    日〜土・祝前日 ランチ 11:30〜16:00、ディナー 17:30〜翌0:00(L.O.23:00)
    祝日 ディナー 17:30〜翌0:00(L.O.23:00)
    定休日

    日曜日

    席数

    24席

    主な客層

    近隣で働く若いビジネスパーソン、ファミリーなど

    予算の目安 ランチ 1,000円 ディナー 2,500〜3,000円
    開業 2016年9月
    ホームページ https://akr9569665123.owst.jp/
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。