【博多もつ鍋】鳥小屋 本店

東京都/目黒区

今年も鍋の季節がやってきました。この季節、全国各地伝統の鍋料理を食べ歩くのも楽しいものです。中でも博多名物として知られる「もつ鍋」は、「安くておいしくて栄養がある」と根強い人気を誇ります。このもつ鍋を東京でいち早くメニューに取り入れ、長きにわたり変わらぬ味でファンを集め続けているのが「博多もつ鍋鳥小屋」です。東京・中目黒の本店を訪ねました。
クローズアップメニュー
もつ鍋 一人前 950円(税別)
専用の鍋にこんもりとセットした、モツ、キャベツ、ニラを、ニンニク、鷹の爪を効かせつつ、醤油ベースのスープで煮ながら食べる看板メニュー。訪れる人の8割以上、冬場には実に9割が注文する人気ナンバーワンメニューでもある。信頼できる業者から生で仕入れるモツには、マルチョウ(小腸)以外の部位もさまざま含まれ、味や食感の変化が楽しめる。スープのレシピは経営者のみぞ知る企業秘密だが、特別な醤油などは使っておらず、スープそのものの風味はとてもシンプルだ。食べるときに感じる甘味、コクは、鍋から溢れるほど入った野菜の汁とモツの脂によるものらしい。そのうまみを最後まで味わおうと、ほとんどの人がチャンポン麺や雑炊セットを注文しスープを使い切る。モツも野菜も増量可(有料)。ほかに「木の子盛り合せ」(500円/税別)、「豆腐」(250円/税別)なども追加注文できる。食べ頃になるまで、鍋の管理はスタッフが行う。一人前から注文できる。
技のポイント1
 

オリジナルのレシピで仕込むスープ

スープは醤油ベース。九州の甘口醤油ではなく、ごく一般的な醤油を使っている。スープの仕込みは経営者が一手に担っており、都内全3店鋪分を過不足なくつくり続けている(左写真)。もつ鍋に用いるときは、これを6.5倍に希釈。希釈したスープはポットに入れて準備してあり、足りなくなればいつでも注ぎ足すことができる(右写真)。
技のポイント2
 

複数種のモツで食感に変化

毎日、生で仕入れるモツの選択は、信頼できる専門業者に任せている。その日その日で良い状態のものが届けられるため部位もさまざまで、少しずつ違う味や食感が楽しめる。写真はマルチョウ(小腸)、シマチョウ(大腸)、コブクロ(子宮)、その他。
技のポイント3
 

締めは2種類を用意

もつ鍋の締めにはチャンポン麺と雑炊セットの2種類を用意。チャンポン麺は鹿児島から仕入れている乾麺を茹でて提供、一人前150g・250円(税別/左写真)。雑炊セットは、炊いたごはんを水洗いして刻んだニラを乗せたものと生卵の組み合わせで、一膳分400円(税別/右写真)。両方とも注文するグループも珍しくない。
オススメメニュー1
納豆天(納豆天ぷら) 550円(税別)
野菜のかき揚げに納豆が張り付いた様子がユニークなオリジナルメニュー。スライスしたニンジン、タマネギ、白ネギに天ぷらの衣をたっぷり絡ませ、その上に、味をつけずに適度に粘りを出した納豆を乗せて油で揚げた。固形分の多い衣は厚くもっちりしており、納豆はこうばしく、風味が凝縮され存在感たっぷり。天つゆ、ダイコンおろし、下ろし生姜をつけるとさっぱり感が出る。
 
オススメメニュー2
明太玉子焼き 600円(税別)
卵焼きの中にはみ出るほどの明太子を入れた一品。薄味でふっくらした卵焼きと、有名店から仕入れる、色、味ともに強い明太子の組み合わせが新鮮。マヨネーズと一緒に食べるとまろやかに。刻み海苔の放つ磯の香りも明太子にぴったり。
オススメメニュー3
手羽ぎょうざ 2本 600円(税別)
餃子のあんを手羽の中に詰めて揚げた。何もつけずに手羽肉やあんの味をストレートに味わうもよし、添えられたぽん酢やマヨネーズで食べるもよし。大人気おつまみメニュー。
 
  • お店紹介
    「おいしく食べて飲んで、思い思いに楽しんでいただければうれしいです」と話す店長の石塚研介さん
     東京・中目黒に開業して30年以上になる「鳥小屋」。いまでこそ博多もつ鍋のおいしいお店として知られるようになったが、もともとは焼き鳥と雑炊中心の居酒屋。店名はその時代のなごりだ。
     「たまたま博多出身のスタッフがいたときにもつ鍋を提供するようになり、それが評判を呼んでいつの間にか看板メニューになりました」と紹介するのは、「鳥小屋」に勤務して10年以上になる店長の石塚研介さんだ。「90年代のもつ鍋ブーム以前から独自のレシピで提供しています。その頃からたくさんの人に気に入って利用していただいて、いまなお多くの方々が支持してくださっているのは当店の自慢です」と石塚さんがうれしそうに語る。もつ鍋以外にも約80種のメニューがあり、どんな人でも楽しめる。「お客様は30代中心ですが、学生さんのグループから近所のおじいちゃん、おばあちゃん、小さなお子さまを連れたファミリーまで幅広くご利用いただいています」と言う。
     8年前に現在の場所に移転した本店の店鋪は3階建てで、1階はカウンター席メイン、2階には半個室やグループ向けの座敷があり、3階は仕切りがなく開放的で最大60人が座れる。豊富なメニュー構成と並び、多様な座席が用意されていることも、利用しやすさにつながっている。夕食の時間帯は予約なしでは入れないことが多く、秋から冬にかけてはますますにぎわうが、開店直後など早めの時間なら比較的入りやすいという。同じ中目黒と新橋に支店がある。
  • 基本情報
    店名 博多もつ鍋 鳥小屋 本店
    住所 東京都目黒区上目黒2-14-1
    電話 03-3710-6760
    営業時間 月〜土 17:00〜翌3:00(L.O. フード2:00、ドリンク2:30)日祝 17:00〜翌1:00(L.O. フード0:00、ドリンク0:30)
    定休日

    無休(年末年始を除く)

    席数

    140席

    主な客層

    30代のビジネスパーソン中心 大学生、高齢者、近隣住民

    予算の目安 3000〜3500円
    1日の客数 暑い時期/100人強 寒い時期/200人前後
    開業 1983年10月
    HP http://www.torigoya.co.jp
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。