【タイ料理】バンコク食堂 ポーモンコン

東京都/品川区

「バンコク食堂 ポーモンコン」は、タイ人の名シェフ・モンコンさんが始めた店の味とレシピを日本人の土谷栄一さんが受け継いで、本場の味を提供しています。ちなみにポーモンコンとは、タイ語で“モンコン父さん”の意味。タイの首都バンコクの街なかには、たくさんの食堂や屋台があり、なかでも東北地方の郷土料理であるイサーン料理は現地の人たちにも人気があります。今回は、一度食べるとやみつきになる、イサーン料理の人気メニューについて、土谷さんにお話をうかがいました。
 
クローズアップメニュー


カオソーイ 1,050円(税抜)
タイ北部の街チェンマイでポピュラーな麺料理、ココナッツカレーヌードルです。スープ麺の上に揚げた麺がのっているのでボリューム感があり、食べ応えも十分。辛味の少ない、マイルドなカレースープなので幅広い方に好まれています。現地ではバミーと呼ばれる卵が入った小麦粉の麺を使いますが、ポーモンコンでは中華麺を使用しています。麺にコシがある中華麺のほうが日本人の好みに合うようです。
技のポイント1

ベースの鶏ガラスープにフレッシュハーブを加える

ベースとなるスープは、鶏ガラスープ。アクを除いて澄んだスープになったところに、タイの醤油、レモングラス、カー(タイの生姜)、パクチーの根を入れて、沸かし過ぎないように熱します。ハーブ類はフレッシュなものを使用、ラオス産や日本産のものを仕入れています。
技のポイント2


レッドカレーペーストで作り出すオリジナルの味

赤唐辛子をベースにしたレッドカレーペーストに、ペースト状にしたフレッシュハーブを加えて、油を足しながら1〜2時間じっくりと炒めます。炒めることで油とペーストをなじませ、香りを引き出す。これがポーモンコンの味の基本となるレッドカレーペーストで、レッドカレーや、カレー炒めにも使います。グリーンカレーも同様に、オリジナルのペーストを使っています。
技のポイント3

 

スープとペーストを合わせ、ココナッツミルクを加える

鶏ガラのスープとレッドカレーペーストを鍋で合わせ、ココナッツミルクを加え、味を調えます。このとき、砂糖をほんの少し加えます。具は皮を除いた鶏もも肉。トッピングは揚げた麺と赤タマネギ、万能ネギ。食べるときにはお好みでレモンを搾って。タイではマナオ(小型のライムに似た柑橘)を使いますが、日本ではなかなか手に入らないのでレモンを使っています。
オススメメニュー1

ラープ・ムー M:680円、L:980円(税抜)

イサーン料理の中でもポピュラーな伝統料理です。日本ではひき肉のスパイシーサラダなどと言いますが、サラダのイメージとは異なります。ムーは豚肉のこと。ほかにも鶏肉や牛肉、魚などのラープがあります。塩気と辛味の強い料理なので、キャベツやレタスなどの生野菜と一緒に。ポーモンコンでは白菜を使っています。お酒に合いますし、蒸したもち米とともに食べるのもおすすめです。
ラープは炒った米の粉が入っているのが特徴。タイのもち米を2時間ほどじっくりとローストし、全体に火が通ったらミキサーにかけて粉状にします。香ばしさとアクセントになる食感が、この料理の魅力のひとつ。ナンプラーとレモン汁だけのシンプルな味付けですが、一度食べるとやみつきになる人が多いメニューです。
オススメメニュー2
ヤム・マクア 680円(税抜)
エビとナスのサラダ。ナスは味がしみ込みやすく、色も鮮やかになるので皮ごと高温でサッと揚げています。
味付けはナムプリックパオ、ナンプラー、レモン汁。ナムプリックパオはトムヤムクンにも使われているタイの代表的な調味料で、干しエビ、タマリンド、にんにく、唐辛子などを油で炒めて砂糖と塩で味付けしたもの。日本の味噌のようにさまざまな料理に使われます。
オススメメニュー3
カーオ・パット・クン 950円(税抜)
タイのエビチャーハン。ミニトマトを入れる、柑橘を搾って食べるなど、中国料理のチャーハンよりさっぱりと食べやすい。タイ産の高級香り米ジャスミンライスを使っているため現地同様の味と香りを存分に楽しめる、ポーモンコン自慢の一品です。
味付けのベースは、塩とナンプラー。隠し味に砂糖を少し入れています。途中でレモンを搾ったり、卓上にあるプリックナンプラー(唐辛子のナンプラー漬け)をかけてもおいしい。タイの食堂や屋台には必ず、4種類の調味料(ナンプラー、酢、砂糖、唐辛子)が置いてあり、麺類やチャーハンなどを好みの味付けにできます。ポーモンコンでも、各テーブルに4種類の調味料を用意しています。
 
  • お店紹介

    「タイ料理は苦手という人が当店で食べて『おいしかった』と言われることも。多くの人にタイ料理を好きになっていただけたら」と話す店長の土谷(つちたに)栄一さん(中)と、ポーモンコンのスタッフ

     タイ料理のシェフとして、タイ本国に本拠地を置く大手レストランに勤めていた土谷さん。首都圏のタイ料理店を食べ歩くなかで、当時荏原町(東京都品川区)にあったポーモンコンを訪問し、すべての料理が「本当においしくて」通い詰めた。しかしモンコン夫妻は、東日本大震災後タイに帰国することに。そこで土谷さんに店を譲りたいとの打診があった。タイ人の名シェフに直接料理を教わるというまたとない機会に一念発起、会社を辞めてモンコンさんに手ほどきを受け、土谷さんは店舗と屋号「ポーモンコン」を引き継いだ。その後、現在の会社(株式会社グランドサイドイノベーション)のバックアップを受けて、2017年、大崎広小路に移転して「バンコク食堂 ポーモンコン」を再オープンした。
     近年注目されるタイ料理のメニューのひとつであるガパオ(炒めたひき肉のかけご飯)も、ポーモンコンはひと味違う「白いガパオ」として雑誌などに取り上げられている。他店の茶色いひき肉に対してポーモンコンのひき肉は白っぽい。タイ東北地方の味そのままに、シンプルで飽きのこないガパオも、もちろんモンコンさんのレシピ。6種類あるランチメニューのなかで、オープン以来つねに一番人気を誇っている。
    「モンコンさんから引き継いだ味に加えて、現地で覚えた新しいメニューにもチャレンジしています」と話す土谷さんは、折々にタイを訪れ、ブラッシュアップを続けている。タイ料理は、生春巻き、春雨サラダ、空芯菜炒めなどが定番メニューだが、ポーモンコンでタイ料理の魅力に目覚め、ラープなどのイサーン料理や、季節のおすすめメニューを注文するようになる人も多いという。また、日替わりで提供するクラフトビールや、国産のフルーツを使ったドリンクやデザートも他のタイ料理店と一線を画する魅力だ。国産のマイヤーレモン(三重県産)や生パッションフルーツ(鹿児島県徳之島産)を扱うなど、新しい食材の開発にも余念がない。
  • 基本情報



    店名 ポーモンコン
    住所 東京都品川区大崎5-7-14 五反田ロイヤルハイツ105-2
    電話 03- 6417-9778
    営業時間
    ランチ  11:30~15:00 (L.O.14:30)
    ディナー 17:00~23:30 (L.O. フード22:30、ドリンク23:00)
    定休日

    火曜日

    席数

    30席

    主な客層
    ランチ 周辺で働く人、近隣住民
    ディナー 目的客、近隣住民
    予算の目安
    ランチ   〜1,000円
    ディナー 3,000〜4,000円
    1日の客数
    ランチ 40〜50人
    ディナー 20人〜
    開業 2017年7月
    HP http://www.phomongkon.com
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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