(東京都/渋谷区)
北海道・札幌で生まれたスープカレーは、今から14-5年前に第一次ブームとなり、「イエローカンパニー 恵比寿本店」もそのブームを牽引した店のひとつです。札幌スープカレーの特徴は、スパイスの効いたスープ状のカレーと、大きな具材。そのスープカレーが現在、第二次ブームを迎えています。薬膳にも通じる多種多彩なスパイス使い、たっぷりの野菜、一般のカレーに比べてカロリーが低い、などから再注目されているようです。「イエローカンパニー」のスープカレーは、32種類のスパイスが入って、北海道産の新鮮な食材をふんだんに使用しています。オープン以来リピーターが訪れ続ける、味の秘訣をオーナーシェフでスパイスマイスターの大竹雅人さんにお話をうかがいました。
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クローズアップメニュー
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豚角煮 スープカレー 1,100円
とろとろに柔らかく煮込んだ角煮がのったボリューム満点のスープカレーです。意外な組み合わせながら、スープカレーの辛みと角煮の甘みの組み合わせが、あとをひく味わい。角煮はスプーンひとつで崩して食べられるほどの柔らかさで、ライスとの相性も抜群です。「イエローカンパニー」のスープカレーは、ブイヨンスープと自家製トマトスープ、テンパリングオイルの3段階で構成されており、具材に応じてベースの味が異なります。
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スープカレーのベースとなるブイヨンスープと、角煮の仕込み
大山地鶏のガラ、鶏の挽き肉、牛スジ肉、新鮮な香味野菜をじっくり煮込みます。1日かけて、こまめにアクを除きながら肉と野菜の旨みを引き出します。仕込んだスープはその日は使わず、一晩寝かせたのちに味が馴染んでから使うようにしています。豚の角煮は、表面に焼き目をつけた豚ばら肉を3時間下茹でし、醤油、酒、スパイス、上白糖で味付けし、2時間置いて味を入れます。
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自家製トマトスープにスパイスと辛味を加える
トマトスープは炒めた玉ねぎをトマトと一緒に煮込み、スパイスを加えたもので、味の基礎となるスープです。玉ねぎは20kg用意して6kgになるまで時間をかけて炒めているので、野菜の甘味と旨味が出ています。オーダーごとに、鍋にスターターマサラ(調理の最初に使うスパイス)、ブイヨンスープ、トマトスープを合わせて火にかけ、カレーの本味を決めるガラムマサラを加えます。また、注文に応じて加える辛味調味料は、ピッキーヌ、赤唐辛子、青唐辛子、カイエンペッパーをオリーブオイルに溶かしたもの。「イエローカンパニー」の辛さレベルは10段階プラス圏外3段階あり、レベルに応じて辛さを調整します。

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技のポイント3

スープカレーの香りを決めるテンパリングオイル
具材を煮込んだら、テンパリングオイルで香りづけ。テンパリングオイルは、唐辛子、フェンネル、タイム、カルダモン、ローレル、クローブ、ターメリック、シナモン、ローズマリー、ブラックペッパー、にんにく、しょうが、カラピンチャ(カレーリーフ)を細かく挽いてオリーブオイルに合わせて乳化したもの。乳化することでスパイスの粉っぽい舌触りを感じないように配慮しています。テンパリングオイルは熱で香りが飛ばないよう、仕上げに加えます。
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オススメメニュー1
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イエカン スペシャルスープカレー“EBISU” 1,880円
大海老、ホタテ、牡蠣、白身魚、アサリが入った、ブイヤベースのスープカレーです。海老のスープを使って、魚介の旨味も贅沢な一皿、しかも野菜もたっぷり。サフランライスに添えられたレモンは、ごはんに搾って食べることで、また違った味わいを楽しむことができます。
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オススメメニュー2
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プレミアムベジタブル スープカレー 1,280円
基本の野菜(じゃがいも、にんじん、キャベツ、かぼちゃ、ピーマン、ナス)に、季節の野菜をさらに追加。素揚げした野菜は甘みが増して、スパイスたっぷりのカレーとよく合います。カレーには、チーズやソーセージ、ベーコン、野菜などを追加でトッピングすることができます。
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オススメメニュー3
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ザンギ 680円
鶏の唐揚げです。「ザンギ」の由来は、中国料理の「炸鶏(ザーチ)」が変化したという説や、肉を骨ごと切ることから「ざんぎり」のことだとする説、肉を細かく切る「千斬切(せんざんき)」を縮めたという説など、諸説あります。北海道をはじめ、中国地方、四国地方でも鶏の唐揚げを「ザンギ」と呼びます。「イエローカンパニー」のザンギは、にんにく、しょうが、醤油、ごま油、昆布茶で下味をつけて、薄力粉をまぶして揚げています。このレシピ、じつは大竹さんのご家庭の味だそうです。
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お店紹介
「お客様には、お店ごとに違うスープカレーを楽しんで欲しい。その上で、うちのリピーターになってくれたら嬉しい」と語る大竹さん
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恵比寿の駅からやや離れた場所にありながら、週末には数多くのリピーターが訪れる「イエローカンパニー 恵比寿本店」。札幌スープカレー専門店としてオープン以来15年、明るく広々とした空間に漂うスパイスの香りが訪れる人を迎えてくれます。オーナーシェフの大竹さんは札幌出身、スープカレーの本場で修行を積んだのち、東京に出店しました。
「イエローカンパニー」のスープカレーの特徴は、何といっても32種類のスパイスです。ホールスパイスを仕入れて自店で挽き、スパイスの組み合わせと使い方を独自に編み出し、作り上げた味わいは、決して他店では味わうことができません。また、薬膳でも用いられるスパイスは、それぞれに効能があります。例えば、唐辛子は発汗作用、ターメリックは肝機能強化、ポリフェノールを多く含むシナモンなど。また、ごはんと一緒に炊き込むサフランも血行促進に良いとされ、まさに医食同源を体験できる一食というわけです。
スープカレーが再び注目されている今、改めて大竹さんにスープカレーの魅力を尋ねると「札幌にはインドカレーの店が少なく、個性豊かなスープカレーの店がたくさんありました。スープカレーはお店によって味が全く違うのがいいところだと思います。お客様には、それぞれの味を楽しんで、好みのスープカレーを見つけて欲しいですね」。2018年10月には、新宿に2店舗目を出店、より多くの人に「イエローカンパニー」のスープカレーを楽しんでもらえるようになりました。
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基本情報
店名 |
イエローカンパニー 恵比寿本店 |
住所 |
東京都渋谷区東3-14-19 オークヒルズ 1F |
電話 |
03-5485-2723 |
営業時間 |
[月] 11:30~15:30(L.O)
[水〜日] 11:30~15:30(L.O) 17:00~21:00(L.O)
月が祝日の場合でもランチのみ
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定休日 |
火曜日
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席数 |
50席
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主な客層 |
近隣の会社員、近隣住民、休日は目的来店 |
予算の目安 |
1,000円〜3,000円 |
開業 |
2004年7月 |
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※掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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