【イタリアン】ポルトベッロ

(東京都/渋谷区)

東京・恵比寿の裏路地にある「ポルトベッロ」は2014年の開店以来、本場の味をカジュアルに楽しめる店として多くのファンを集め、コロナ禍の今でも連日満席の店です。人気の秘密は富士山の溶岩を使った溶岩グリルともちもち食感の生パスタ。常時7種類を提供する生パスタの中でも定番の自家製ボロネーゼは、粗挽き肉とトマトソースとのバランスが絶妙で、肉のおいしさが堪能できるとリクエストの多い一品です。
 
クローズアップメニュー


自家製ボロネーゼ 1,480円(税別) ※ディナーメニュー
細かい挽き肉で作るミートソースと違い、ポルトベッロの自家製ボロネーゼは本場イタリア・ボローニャで作られる「ラグー・アッラ・ボローニャ」そのもので、肉がゴロゴロ入った肉感の強さが特徴です。味つけはポートワインとホールトマト。そこに隠し味としてはちみつも加えてトマトの酸味が強すぎない円やかな味に仕上げています。じっくり煮込んで生まれる滑らかなソースがもちもち食感のパスタによく絡み、肉のうま味たっぷりの豊かな味わいはファンが多いのも頷けます。ディナータイムのアラカルトはパスタの上にスカモルツァ(燻製したモツァレラチーズ)をのせ、バーナーで炙って提供してランチメニューとの差別化を図っています。

技のポイント1
 

超粗挽きの肉を塩、黒コショウでひと晩マリネ。両面をしっかり焼きつけて肉のうま味を閉じこめる

肉感の強いボロネーゼには、牛肉と豚肉を6:4の割合で超粗挽きに挽いた肉を使います。挽き肉に対し、1.2%の塩と0.4%の黒コショウ(肉500gなら塩6g、黒コショウ2g)を揉みこんで平たくし、そのままひと晩おいて味をしみこませます。翌朝、平たい形のままオリーブオイルを熱したフライパンで焼きます。この時、肉を崩さず平らな面をフライパンに押しつけながら焼き色がつくまでしっかり焼くのがポイント。両面に焼き色がついたら肉を崩して全体を焼き、肉のうま味を中に閉じこめます。炒めるときに出てくる余分な脂をこまめに取り除くのも、肉のおいしさを引き出すコツです。
 
技のポイント2

 

炒めた肉にポートワイン、ローズマリー、ソフリット、ホールトマト、はちみつを加えて30~40分煮込む

肉全体に火が通ったらポートワイン(肉500gに対し100g)を注いでフランベしてアルコールを飛ばし、ローズマリー(同2本)、ソフリット(同100g)、ピュレ状にしたホールトマト(同250g)、はちみつ(同10g)を加えて30~40分煮込みます。ローズマリーは加える直前に粗みじん切りにして香りを生かします。ポルトベッロでは通常の赤ワインではなく甘みのあるポートワインを使うことでトマトの酸味との調和を図り、さらに隠し味としてはちみつを加えて円やかな味に仕上げています。(ソフリットとはみじん切りにした玉ねぎ、にんじん、セロリ、ニンニクなどの香味野菜をたっぷりのオリーブオイルでじっくり炒めて煮詰めたもの。パスタソースや煮込み料理などの調味料としてキッチンに常備されています。)
 
技のポイント3

  

提供前にホールトマトとバターを加えて、塩で調味しパスタと和える

フライパンにオリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子を入れて温め、ボロネーゼとピュレ状にしたホールトマト(レードル1杯)を入れて混ぜあわせ、バターを加えます。塩で味を決めたら茹で上がったパスタ(130g)を入れてソースをからませて皿に盛ります。

技のポイント4

  

スカモルツァをのせて炙り、ソースに香ばしさを纏わせて仕上げる

上にスライスしたスカモルツァをのせ、提供直前にバーナーで炙ってソースに香ばしさを纏わせます。
 
オススメメニュー1
砕いて食べる半熟卵のシーザーサラダ 1,280円(税別) 
シーザーサラダの構成要素をオリジナルに組み立て直した、見た目にもインパクトのあるサラダです。ロメインレタス、カリカリに炒めたベーコン、クルトンをドレッシングで和えて半熟卵をのせ、上に円形に焼いたパルミジャーノチーズを被せています。食べるときはチーズを砕き、半熟卵も崩して全体を混ぜ合わせていただきます。チーズのパリパリ食感も味わいのひとつ。おいしさに楽しさも加わったシーザーサラダです。
 
オススメメニュー2
本日の前菜盛り合わせ 1,580円/2p(税別)
できたてのおすすめ前菜を日替わりで華やかに盛り合わせたひと皿で、2人分から人数に合わせて供されます。この日は若鶏とパプリカのインボルティー二、マダラのエスカベッシュ、キノコとモルタデッラのクレープ仕立ての3品。クレープ仕立てはキノコとモルタデッラを甘くないシャンティクリームとグラナパダーノチーズで和えてクレープで巻き、上からたっぷりのパルミジャーノチーズを削っています。肉と魚をバランスよく組み合わせたボリューム感のある前菜です。
 
オススメメニュー3
国産黒毛和牛希少部位“ランイチ”の溶岩グリル 2,800円(税別)  
ややサシの入った国産黒毛和牛の赤身肉“ランイチ”の溶岩グリルは、熱した溶岩石が発する遠赤外線効果で表面はカリッと中は軟らかくジューシー。バターとコンソメでブレゼしたキャベツを付け合わせています。お好みで西洋わさび、ハーブソルトをつけていただくと、肉のうま味がストレートに感じられます。溶岩プレートで提供される肉はおいしいだけでなく時間がたっても冷めにくく、赤ワインのおともにぴったりです。
  • お店紹介

    「ボロネーゼは初代料理長から受け継いだレシピです。人気の味をしっかりと引き継いでいきたいですね」と語る料理長の宮崎哲也さん。

    都内屈指のおしゃれタウン恵比寿はじつはオフィスビルも多い町で、近隣に勤める人びとのお腹を満たす小さな飲食店がひしめき合っています。その中で、路地裏ながら昼夜ともに賑わっているのがポルトベッロです。イタリアの港町の食堂を思わせる一軒家で、1階がバール、2階はじっくり食事が楽しめる落ち着いた雰囲気の店です。丁寧な仕込みから生まれる本格イタリアンの味に加え、夜でも4,000~5,000円あればワインも飲んでお腹も満たされるという値段設定が30代~50代の女性客や、若いカップルの心をがっちりつかんでいます。特にランチの日替わり生パスタセットは前菜、サラダ、パン、ドリンクつきで1,000円(税別)とコストパフォーマンスの良さで毎日2回転半から3回転する人気ぶりです。メニューではボロネーゼやカルボナーラなど7種類のチョイスがある生パスタは不動の人気。富士山の溶岩石を使った溶岩グリルは黒毛和牛のほか、千葉県産“美桜鶏”、山形県産“米沢豚”、滋賀県産猟師直送“日本鹿”と肉好きにはたまらないメイン料理です。とりあえずのつまみに最適な「生ハムとサラミの盛り合わせ」ほか、バーニャカウダ、鮮魚のカルパッチョやアヒージョなどの前菜も充実。常連客はその日のおすすめを記した黒板メニューを参考にワインに合わせて食事を楽しんでいます。調理師専門学校時代からイタリア料理ひと筋という経歴を持つ料理長の宮崎哲也さんはソムリエも兼任。もう一人のソムリエと共に料理に合わせたワインの相談にも乗っています。店では敢えてハウスワインを置かず、イタリア各地から集めたワインの個性を味わってほしいとグラスで700~900円、ボトルでも4,000円台をボリュームゾーンとして提供。お食事のみのコースはアミューズからデザートまで9品で5,000円、3名以上からご利用可能なパーティープランは飲み放題つきで4,800円~6,800円とうれしい価格設定でグループ客を引き付けています。飲食激戦区にありながら、気兼ねなく通える店として変わらぬ支持を得ている理由がここにあります。

  • 基本情報


    店名 ポルトベッロ
    住所 東京都渋谷区恵比寿1-27-19 
    電話 03-6447-7557
    営業時間 11:30~15:00 (L.O. 14:30) 
    17:30~23:00 (料理L.O. 22:00)
    定休日

    不定休

    席数

    24席

    主な客層 30代~50代の女性客 ランチは近隣に勤める男性会社員もよく利用する。夜は近隣住民や女子会グループ、カップルも。
    予算の目安 ランチ  ¥1,000~
    ディナー ¥4,000~
    開業 2017年7月4日
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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