【親子丼】鳥めし 鳥藤 分店

(東京都/中央区)

築地場外市場に店舗を構え、こだわりの親子丼で知られる鳥藤(とりとう)分店。築地交差点からほど近い路地にある小規模なお店ですが、早朝から開店時間を待つ人の列ができる人気店です。看板メニューの親子丼は、平日でも多い日には150食以上、観光客が訪れる土曜日には200食を超えることもあるそうです。鳥藤 分店は、運営母体が全国の銘柄鶏や地鶏などを扱う卸問屋であり、毎日、新鮮な鶏肉と卵を使った料理を提供しています。親子丼をはじめ、定食、一品料理など、多様なメニューの全てが鶏肉料理。鶏肉の種類と部位に応じた味を引き出し、それぞれを生かす味づくりの秘訣について、お話を伺いました。

 
クローズアップメニュー


親子丼 950円(税込)
鳥藤 分店の看板メニュー。味付けは「醤油だれ」「しお」「しお2号」の3種類から選べます。いずれも鶏白湯(パイタン)スープをベースにした独自の味わいで、クセになるおいしさ。とろとろの半熟卵としっかり味付けされた鶏肉がごはんと一体になり、最後のひと口まで満足できる一品です。熱々のとりスープとともにいただきます。
 
技のポイント1
  

新鮮な鶏もも肉を鶏白湯ベースの割り下で煮る

鍋に割り下と鶏もも肉を入れ、煮込みます。鶏肉はその日の仕入れによって産地は異なりますが、大山どり、清流どり、信玄どりなど銘柄鶏を使用します。割り下は、定番の醤油味と、柚子胡椒・塩で味付けした「しお」、かつおだし・塩で味付けした「しお2号」の3種類で注文に応じて割り下を変えます。(写真右は「醤油味」「しお」の割り下)割り下のベースとなる鶏白湯スープは鳥の頭と足を強火で煮出して乳化させたもので、前日から仕込み、スープとして提供するときには随時調味します。
 
技のポイント2

  

じっくりと時間をかけて乳化するまで火を入れる

煮立ってきたら肉をトングで返しつつ、割り下が乳化するまでじっくりと火を入れます。乳化が進むと、とろみが出て飴色になり、割り下がしっかりと肉に絡んできます。
 
技のポイント3

  

手早く卵を入れて余熱で仕上げる

鍋に卵を入れます。卵は黄身を崩す程度で、撹拌しません。これは、白身のコシと黄身の甘みを味わって欲しいという考えから。卵を入れたら蓋をし、火を止めて余熱で全体が温まるまで置きます。

技のポイント4

  

出来上がったトロトロ熱々の具を丼へ

半熟状態の具をごはんにかけ、三つ葉をのせて、とりスープとともに供します。お好みで、卓上にある鳥藤オリジナル「ゆず入り七味」「ゆず一味」をかけていただいても。
 
オススメメニュー1
親子カレー 1,050円(税込)
まかないから誕生したメニュー。親子丼の具と、カレーを合いがけにしたボリュームのあるひと皿です。カレーも白湯スープをベースとしたオリジナル。別々に食べ進めてもよし、混ぜて食べてもまたよし。甘みのある親子煮とスパイスの効いたカレーの組み合わせは最強です。
 
オススメメニュー2
とり弁当 900円(税込)
照り焼き、鳥そぼろ、ぼんじり、きんかん(未成熟卵の黄身になる部分)がのった、鶏づくしのお弁当。そぼろは、産卵を終えた雌鶏の肉を細かくミンチにして使うことで若鶏にない旨味を引き出したもの。部位ごとに味付けを変え、鶏肉専門店のこだわりが詰まっています。
 
  • お店紹介

    「鶏肉専門店の直営ですから、鳥にこだわったメニュー、鳥を活かした味を追究し、提供しています」と、主任の正野輝久さん。

    鳥藤は明治40年創業、創業100年以上にわたって鶏肉、鴨肉を専門に扱ってきた業務用卸問屋です。昭和10年に浅草から築地に移転以来、現在も築地場外市場に店舗を構え、地鶏、銘柄鶏をはじめ、惣菜などの加工食品も扱っています。鳥藤 分店は鳥藤の直営一号店で、鶏肉料理の情報発信を行う目的で運営している飲食店です。専門店の強みを生かした品揃えによって、親子丼をはじめ鶏肉にとことんこだわったメニューを展開しています。看板料理である親子丼は、醤油だれと2種類の塩味、さらに高級卵としゃも肉を使用した親子丼など9種類も揃った魅力的なラインナップ。さらに「シンガポールチキンライス」、「チキンキーマカレー」、「とりから揚げ」や「とりシュウマイ」など、多彩なバリエーションで幅広いファンに支持されています。また、今回ご紹介した「とり弁当」は近隣の劇場などで楽屋弁当としても人気があるとか。築地観光のお土産としても喜ばれそうです。市場が豊洲に移転した今も、築地場外には専門店や卸問屋が数多く営業しており、朝早くから各種の飲食店も営業しています。食のプロたちが集う築地で長年愛されてきた、専門店のこだわりが詰まった鳥料理は、メニューひとつひとつに美味しさの喜びと発見があります。

  • 基本情報



    店名 鳥めし 鳥藤 分店 
    住所 東京都中央区築地4-8-6
    電話 03-3543-6525
    営業時間 8:30~13:30(当面の間)
    ※営業時間についてはHPにてご確認ください。
    定休日

    日・祝・休市日

    席数

    16席(カウンター席含む)

    主な客層 平日 市場の買い出し人、周辺で働く人
    土曜日 観光客、目的客
    予算の目安 ランチ 〜1,000円
    開業 2003年
    HP https://www.toritoh.com/
    contents/category/branch/
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