【ビストロ】ビストロ ソングラム 虎ノ門本店

(東京都/港区)

「気前が良い」を通り越したボリューミーなモツ&肉料理が人気のガッツリ系ビストロです。霞ヶ関の官庁街にもほど近い東京・虎ノ門ビジネス街の裏通りにお店を構え、日々ハードワークをこなすタフなビジネスパーソンたちの舌とお腹を満足させています。モツ料理を主体とするビストロは日本では馴染みが薄いところを、メンチカツやコロッケ、パスタといった日常食にアレンジするなどのシェフのセンスと技量でモツ料理の新しい魅力を発信し続けています。
 
クローズアップメニュー


大人のモツナポリタン ランチ950円、ディナー1,280円(税込)
鶏ナンコツや豚モツなど牛鶏豚から5種類の肉やモツを配合した自家製ナポリタンソースを1.9mmのパスタにしっかり絡めた食べ応えあるランチの名物商品。1日限定25食で、早いときには12時早々には売り切れてしまうこともある超人気メニューです。プレボイル麺による高速オペレーションで注文から5分程度で提供可能。これも忙しいビジネスパーソンの支持に繋がっています。鉄製のフライパンでしっかり炒めたパスタはうっすら焼き色がついて香ばしく、ビジネス街ではお馴染みのロメスパを彷彿とさせます。モツ入りのナポリタンソースは脂の甘み、ナンコツのコリコリ感、レバーペーストのクリーミーな風味など異なるモツのうま味が複雑に絡み合って、極めて中毒性の高い味を生みだしています。ややもすると胃もたれしそうな重厚な味わいにキレを利かせてまとめているのが隠し味のチリペッパーやハバネロソース。一見個性がバラバラに思えるモツたちをスパイスが一本芯のある味にまとめている点にシェフのセンスが光ります。
 
技のポイント1
 

5種類のモツや肉は8mmサイズからペーストまで異なる挽き方で用意

モツナポリタンのソースは1回でおよそ16kg仕込みます。手前右の銀皿は主原料となる豚粗挽き肉と、鶏ナンコツの挽き肉で4対3の比率で用意。小皿は手間右から左へ粗挽きした豚ハツ、塩、砂糖、手前から2段目がトマトペースト、ブラックペッパー、ナツメグ、3段目がペースト状にした鶏レバー、豚モツ粗挽き、ケチャップ、チリパウダー、ホールのトウガラシとローリエ、奥がみじん切りしたニンニク、赤ワインとブランデーを合わせたものです。豚粗挽き肉は8mm、鶏ナンコツの挽き肉は5mmで、独特な食感のもとになっています。
前日に鶏レバーや豚ハツは丁寧に血抜きし、豚モツは1回茹でこぼしたあと粗みじんにして用意しておきます。
 
技のポイント2

  

  

ブランデーを加えて煮込むことでモツ臭さを抑えます

サラダ油でニンニクを炒め、香りが出たところで豚粗挽き肉、鶏ナンコツの挽き肉、豚ハツ、豚モツ、鶏レバー、調味料を一気に投入。全体に熱が入るまでかき混ぜながら強火で炒めます。火が通ったら赤ワインとブランデー、水を注ぎ入れて弱火で煮込んでいきます。赤ワインとブランデーを加えることでモツの臭いを抑えます。また調味料では砂糖を多めに入れることでまろやかでまとまりのあるソースに仕上がります。水分が半分程度になるまで1時間ほど煮詰めたら味を調えます。完成後はひと晩冷蔵庫で保存して味を馴染ませます。

技のポイント3

  

フライパンで焼き絡めながらベストな水分に調整します

プレボイル麺は1日15kg分を朝に仕込んでおきます。標準茹で時間11分、1.9mmの乾麺を5分程度茹でてからサラダ油を絡め、麺どうしがくっつかないように下処理しておきます。調理は鉄製のフライパンにサラダ油を入れて煙が出てくるまで強火で加熱したら牛の小腸を入れて炒めます。牛の小腸の脂が出始めたところでプレボイル麺を投入し、鍋肌に押しつけながら炒めます。麺の表面に焼き目がついたら焼きそばの作りかたと同様に水を注ぎ入れて蒸し焼きにします。水分が飛んだところでピーマン、自家製ナポリタンソース、ハバネロソースを加えて全体的にソースが馴染んだら完成です。ポイントはソースの水分調整で、パサパサに感じる手前くらいまで炒めながら水分を飛ばすのがベストな食感の秘訣です。お皿に盛りつけたあとは、たっぷりのパルミジャーノチーズと刻みパセリを振って仕上げます。

 
オススメメニュー1
モツたっぷり!オニオングラタンスープ 1,880円(税込)
香ばしい焼き色のチーズの下には大ぶりにカットされた牛の小腸、トリッパ、ギアラがたっぷり150g隠れており、食べ応え満点です。5時間かけてとったブイヨンをベースに、さらに3時間かけて煮込み旨みを凝縮させた自家製のコンソメと1時間かけて炒めたあめ色玉ネギを合わせて作ったオニオングラタンスープはシェフの実力をしっかりと伝える一品です。
 
オススメメニュー2
特製!モツのジャンボメンチカツ&新鮮トリッパカツの盛り合わせ 1,980円(税込)
メンチカツは250g、トリッパカツは150gと、どちらも大人の手のひらほどもある圧巻のビッグサイズ。メンチカツには豚肉、牛サガリ肉、豚モツ、豚の背脂、鶏ナンコツ、鶏レバーの挽き肉が配合されており、噛みしめるたびにいくつもの味、風味、食感が襲ってくるウルトラヘビー級なおいしさです。トリッパカツはフランス・リヨンの郷土料理「タブリエ・ド・サプール」が本場ですが、タルタルソースではなく煮詰めたバルサミコ酢で食べるのがソングラムのスタイル。衣はザクザクとした硬めの歯ごたえですが、中のトリッパはトロッとジューシー。旨みがしっかり閉じ込められています。
オススメメニュー3
パテ・ド・カンパーニュ 880円(税込)
豚肉と鶏レバーを1対1の割合で使用し、さらに鶏と豚のハツ、豚の背脂も加えた独自性の高い味わい。芯温68℃を保ちながら加熱時間は1時間と低温調理に近い熱の入れ方をしており、鶏レバーのしっとりとなめらかな舌ざわりがレバー好きにはたまりません。お酒が飲みたくなる味を意識して塩分は1%とやや強めに仕上げています。
  • お店紹介

    写真左からホールの長島さん、シェフの松本さん、統括料理長の藤本さん、キッチンの川路さん、ホールの加藤さん。「モツ料理の幅広さをもっとたくさんの人に知ってもらいたい」と語る。

    モツ料理をメインに扱うイタリア料理店“トリッペリア”というユニークなスタイルで人気の東京・茅場町の「オステリア ウネット」。その2号店となる「ビストロ ソングラム」ではモツ料理をメインに扱うビストロとして2012年5月にオープンしました。開業から10年目を迎えますが、現在はモツ料理と炭火焼き肉料理の二枚看板を打ちだしてますます人気を高めています。
     日本ではあまりポピュラーではありませんが、モツを使ったフランス料理は多数あります。ソングラムでもモツのソーセージであるアンドゥイエットから着想した「モツ入り極太ソーセージ」やタブリエ・ド・サプールをアレンジした「トリッパカツ」といった伝統料理をベースにした料理も揃えていますが、誰でもわかりやすいストレートな料理名に替えて親しみやすさをアピールしています。
     ランチタイムは今回取り上げた大人のモツナポリタンなどパスタ6品を提供。小盛160g、並盛220g、大盛300g、虎ノ盛400gと麺の量が選べるスタイル(虎ノ盛のみ+100円)で、お腹いっぱい食べたい近隣ビジネスパーソンに人気です。大人のモツナポリタン以外のメニューも、激辛トマトソースの「カレッティエラ」850円や、豚挽き肉を白ワインとハーブで煮込んだ「定番!白いミートソース」900円など個性派揃いです。 昼夜ともユニークな料理と豪快なボリュームばかりが目立ちますが、料理はどれも仕込みから手間ひま掛けた本格派。メンチや煮込み料理に使うあめ色玉ネギやブイヨンは自家製、主力のモツも茹でこぼしたあとに柔らかく煮込むなど下処理も丁寧に行っています。現在は牛レバーやハツは岩手県産短角牛のものを直接仕入れるなど独自の仕入れ先の開拓にも注力しており、高品質な料理をリーズナブルに食べられることも高評価の理由です。
    70種類以上を揃えるワインがドリンクの主力。モツ料理に合うボトルワインも3,200円から用意しています。2017年3月には「ビストロ ソングラム新橋店」をオープン。ますますモツ料理ファンを増やしています。

  • 基本情報


    店名 ビストロ ソングラム 虎ノ門本店 
    住所 東京都港区虎ノ門1-12-5
    第二土橋ビル1F
    電話 03-3504-8101
    営業時間 11:30〜14:00(13:30L.O.)、17:30〜23:00(22:00フードL.O.、22:30ドリンクL.O.)※平常時(感染状況により変動あり。正しくはお店にお問い合わせください)
    定休日

    土・日・祝日

    席数

    29席

    主な客層 近隣会社員、カップル、外食好きの30代〜50代男女
    予算の目安 ランチ940円、ディナー5,500〜6,500円
    開業 2012年5月28日
    HP https://www.facebook.
    com/Bistro100g/
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。
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