【和食】初代 割烹 高橋

(東京都/渋谷区)

「ミシュランガイド東京」のビブグルマンを7年連続で獲得している「初代 割烹 高橋」。コストパフォーマンスの良い店に与えられるビブグルマンに相応しく、本格的な割烹料理が手軽に楽しめる人気店です。美味しさの基本は、昆布とかつおの削り節でていねいに引いた出汁。お子さまからお年寄りまで笑顔になれる出汁作りのポイントと、素材や料理へのこだわりを伺いました。

 
クローズアップメニュー



初代 割烹 高橋 名物 鯛の釜炊き 5,500円(税込)※テイクアウト3,500円(税込)簡易容器での提供
夜のコースの仕上がりに、「釜炊き」と呼ばれる土鍋で炊き上げた季節のご飯が提供されます。具は筍や桜エビ、トウモロコシ、きのこなど、様々な旬の素材。リピーターの方達にも、「今日は何の釜炊きかな?」とコース料理の楽しみのひとつになっています。特に人気が高く、お祝いの席などに出されることが多いのが「鯛の釜炊き」。自慢の出汁で炊いたご飯は、香り高くやさしい味わいで、頬張ったとたんに誰もが笑顔になる美味しさです。食べきれない分は、持ち帰り用のおにぎりにしてくれます。

 
技のポイント1
  

かつお節と昆布でていねいに出汁を引く

各種メディアで高い評価を得ている出汁は、天然の日高昆布と枕崎のかつお節を使用。
煮物などに使う基本の出汁は、水3升(5.4リットル)に昆布約20gを入れ、60~70度位を保つように弱火で1時間~1時間半くらいゆっくりと煮出します。火を止めてかつお節100gを入れて1分半ほど置いた後、クッキングペーパーを敷いたザルで濾したら完成。お吸い物に使う一番出汁も引き方は同じ。昆布を倍の40gにして、血合いのないかつお節とまぐろ節をブレンドしたものを250g使用します。
 
技のポイント2

  

味が馴染みやすい大きさにカット

生臭さを取るために湯引きして、皮と骨をていねいに取り除いた新鮮な鯛の切り身を1.5センチほどの大きさにカット。サイの目に切ることで味が馴染み、お子さまやお年寄りにも食べやすくなります。
鯛を丸ごと入れて炊き上げると華やかですが、骨を抜いてご飯と混ぜて提供するのに時間が掛かってしまうため、炊きたてをすぐに食べてもらえるよう切り身を使用しているそうです。
 
技のポイント3

  

精米したての米をやさしく洗う

使用するのは小粒で水分量が多い島根県の仁多米(金賞受賞米)。玄米で保管し、使う分だけを毎回精米しています。
力を入れて研ぐと米が割れてしまうので、流水の下でやさしく擦り合わせるように洗米するのがコツ。3~4回研いだらザルで水を切り土鍋に入れます。

技のポイント4

  

適度な圧をかけながら土鍋で炊き上げる

土鍋に米を入れたら鯛、おろし生姜、細かく切った油あげと、基本の出汁に薄口醤油と酒を合わせた調味料を入れます。炊きムラがないよう、全体を均一に混ぜ合わせるのがポイント。土鍋の内蓋と外蓋の穴が重なると蒸気が抜けすぎるので、適度な圧をかけるために穴の位置を90度ずらします。土鍋の側面に当たるくらいの中火で13分加熱し、火から下ろし耐熱版に乗せて20分蒸らして完成。使用している伊賀焼・長谷園の土鍋は肉厚で蓄熱性が高いため、弱火でチョロチョロ炊く必要がありません。仕上げに三つ葉をたっぷり乗せるのが、料理長のこだわりです。
 
オススメメニュー1
前菜5種盛り合わせ 1,800円(税込)
コース料理でも出している前菜の5種盛り合わせ。上から時計回りに新玉ねぎのすり流し、春菊のおひたしイクラ乗せ、ナスの揚げ浸し、もずく酢、子持ち鮎の煮浸し。
新玉ねぎのすり流しは、玉ねぎとネギをじっくり炒めて、出汁と牛乳で味付けした自然な甘さ。ナスの揚げ浸しは、ナスが苦手だった料理長の友人が食べたときに、「これならどんぶり一杯でも食べられる。こんなに美味しく作れるのだから、早く自分の店を出せよ!」と独立のきっかけをくれたメニューです。いりこを入れた出汁と醤油、みりん、酒などで複雑な味わいが感じられます。もずく酢は、昆布が入っているとうま味が足されすぎるので、かつおだけの出汁に漬けて1週間くらい寝かせ、粘りを出して味をなじませています。日によってタコの柔らか煮やひと口サイズの天ぷら(栗の渋皮煮・いちじく・牡蠣)など、その時季に美味しいものを提供します。

 
オススメメニュー2
蓮根饅頭のズワイガニ餡かけ 1,000円(税込)
すりおろした蓮根を練り上げて団子にした人気のメニュー。蓮根の皮をむいて粗めのおろし器ですりおろし、すりおろした実と汁を全部鍋に入れ、中火にかけながらしゃもじで10~15分くらいじっくり練ります。蓮根のグルテンで粘りが出てきたら塩で下味をつけ、水分が出てきたらもう一度練り合わせ。火を止めて冷ました後で団子状に成形し、片栗粉をまぶして油で揚げます。練った蓮根にはあらかじめ火が通っているので、周りがキツネ色になればOKです。
昆布とかつおの出汁ベースに、葛でとろみをつけたズワイガニ入りの餡をかけ、わさびを添えて提供します。白玉粉やもち粉などのつなぎを入れないので、蓮根の味がしっかり感じられると評判です。

オススメメニュー3
豚の角煮 2,800円(税込)※テイクアウト1,200円(税込)簡易容器での提供
「初代 割烹 高橋」の味を自宅で楽しんでもらえるよう、2年前よりお弁当やお総菜などのテイクアウトメニューの販売を開始。その中でも人気が高いメニューのひとつです。豚の三枚肉は油が多いので、フライパンで皮目から焼きを入れます。焼くことで表面にザラメの甘みが乗りやすく、ツヤも出やすくなるので、出てくる油をペーパーなどで拭き取りながらしっかり焼くことがポイント。全面焼き目を付けたら、米のとぎ汁で柔らかくなるまで1時間ほど煮ます。とぎ汁が余分な油や臭みなどを吸着して灰汁を取ってくれます。柔らかくなったら水にさらして洗い、昆布とかつおの出汁とザラメ、濃口醤油、お酒などを入れて、煮ることさらに1時間で完成。リクエストがあれば店内でも提供していて、天ぷらにして出すこともあります。
  • お店紹介

    「これからも日本料理店・料理人としてできることを考え、百代続いていけるよう出汁を広めていきます」と、オーナー料理長の高橋豊和さんと女将の克(まり)さん。

    「日本料理を気取らずに召し上がっていただきたい」というオーナー料理長の高橋豊和さんが、渋谷・代々木上原に開店した割烹料理店「初代 割烹 高橋」。美味しい出汁を基本とした和食は身体にやさしいご馳走として、小さなお子さまからご年配の方まで年齢を問わず喜ばれています。
    豊富なメニューはいずれも評判ですが、迷ったら5,300円(税込)から頼めるおまかせコースがオススメ。旬の食材でていねいに作られた一品一品が、バランス良く楽しめます。
    料理とともに楽しめるお酒は、豊和さんの出身地である広島の地酒を中心に多数ご用意。豊和さんが独立前に洋食店で学んだ知識を活かしたワインも常時100本以上取り揃えています。
    「ミシュランガイド東京」2015~2021まで7年連続ビブグルマン獲得をはじめ、「Gault & Millau(ゴ・エ・ミヨ)」2017、「La Liste(ラ・リスト)」2018にも掲載されるなど世界が認める「初代 割烹 高橋」。テレビなどの各種メディアで出汁やお吸い物、釜炊きご飯などが紹介されたほか、レシピ監修やメニュー開発なども多くのオファーも。YouTube番組の「料理王国FOOVER Japan」では簡単だし巻き卵などの料理動画を提供し、再生回数が1万回を超えるという人気ぶりです。また、美味しい出汁を広めることを目的に、出汁料理教室を不定期で開催。デモンストレーション形式で、最後に仕上がった料理を食べられるという嬉しい構成です。出汁基礎編、すし酢活用編、おもてなし料理編があり、参加者からは「普段の料理のグレードが格段に上がった」と評判。本格的な出汁を毎日の食卓に取り入れることで、心も体も元気になりそうです。※現在4名ほどのグループでの貸し切りで開催可能。日程などご相談ください。

  • 基本情報


    店名 初代 割烹 高橋 
    住所 東京都渋谷区上原2-48-11ハニハラビルB1F
    電話 03-6407-0565
    営業時間 昼 11:30~14:00(要予約・1組のみの貸し切り)
    夜 18:00~22:00
    ※新型コロナウイルス感染防止対策などで、変更になる場合があるので来店前に確認を。
    定休日

    月曜日(年末年始ほか臨時休業あり)

    席数

    20席

    主な客層 30代~70代、ファミリー層、女子会、男子会、気心知れた接待、グルメ会など
    予算の目安 ランチ 3,600円~
    ディナー5,300円~
    開業 2012年10月4日
    HP http://takahashi104.com
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。