【みそ料理】ソイビーンファーム

東京都/武蔵野市)

みその量り売りとみそ料理の店として、吉祥寺で長年愛されるソイビーンファーム。ランチタイムにみそを使用した食事メニューと、ティータイムにはみそを使用したチーズケーキなどのデザートを提供しています。みそへのこだわりと、様々なバリエーションを展開するみそ料理の調理のコツを伺いました。

 
クローズアップメニュー



ロールキャベツ ごまクリームソース&赤だしワインソース(ミニスープ、ライス付き)1,250円(税込)
開店当時から変わらないレシピで作る定番の人気メニュー。柔らかく煮たロールキャベツを、みそベースのソースでいただきます。香ばしい風味の「ごまクリームソース」と、こってりしたコクの「赤だしワインソース」を選べますが、迷ったら2色がけにするのがオススメです。肉ダネにもみそを使用していて、肉の旨味とキャベツの甘みをしっかり感じながらも、まろやかな味に仕上がっています。
 
技のポイント1
 

キャベツは前日に茹でて一晩おく

一度にロールキャベツ40個分を仕込みます。キャベツはその時の大きさによって4〜6玉を使用。春は神奈川産、7月後半からは群馬県嬬恋産のキャベツを使っています。芯をくり抜いたキャベツを丸ごと茹でてから冷水にさらし、葉をバラバラにしながら、芯が太いところは削いでおく。保存容器に入れて冷蔵庫で一晩寝かせることで、キャベツの葉がしっとりとして巻きやすく、味がなじみやすくなります。
 
技のポイント2

  

肉だねにしめじを入れて優しい口当たりに

みじん切りにした玉ねぎとしめじを飴色になるまで炒めておきます。しめじを入れることで、柔らかい口当たりの肉だねに。

国産牛と豚の合挽き肉750g、「はんなり加賀みそ」65g、飴色に炒めた玉ねぎ600gとしめじ70g分、パン粉50g、卵3個をボールに入れ、ムラがなくなるまでよく混ぜます。「はんなり加賀みそ」は、大豆よりお米を多く使用して、力強い味に甘さとまろやかさがある中甘口の糀みそです。
 
技のポイント3

  
  

型崩れしないように煮過ぎないこと

小さな葉は重ねて巻きます。手前と左側の葉を内側に折り巻いていき、右側の葉は最後に横から内側に突っ込むと、楊枝などで止めなくても巻きがほどけません。

巻き終わりを下にすると水分が入ってきて煮崩れてしまうため、葉の先端が上にくるようにして鍋に隙間なく並べます。昆布と鰹節で取った出汁を注いで火にかけ、沸騰してから30分ほど加熱。煮過ぎないように火が通ったらすぐに火を止め、オーダーをいただいたら小分けにして温めて提供します。そうすることで柔らかくなり過ぎず、型崩れしないでキレイな仕上がりに。

技のポイント4

  
  

みそを使用してコクのあるソースに

『ごまクリームソース』 
白ごまをフライパンできつね色になるまで煎ったあと、あら熱を取り、フードプロセッサーに10分ほどかけペースト状にします。それに「信州高原白みそ」、マヨネーズ、砂糖を加えてさらに撹拌。この段階だと保存ができるので、ソースにする際は必要な分だけペーストを取り出し牛乳を加えて仕上げます。
  
『赤ワインソース』
「八丁赤だしみそ」、「合わせ白みそ」、砂糖、ピーナツバター、豆板醤、赤ワイン、お湯、コンソメキューブ、バターを鍋に入れ、煮立ったら完成。ワインとみそは、どちらも醸造品なので相性が良いです。半分にカットしたロールキャベツにソースをかけて、彩りに茹でたインゲンを添えて提供します。
 
オススメメニュー1
焼き茄子入りスープ(ロールキャベツ半分とのセットメニュー、ライス付き) 1,100円(税込)
ランチのセットメニューのひとつ。少食の人のためにロールキャベツを通常の半分の量にして、多めのみそスープとのセットなっています。みそスープは、ピリ辛の「信州辛子糀みそ」とまろやかな「はんなり加賀みそ」をブレンド。たっぷりの野菜やベーコンと、焼き茄子が丸ごと1本分入っています。お子様が食べる時は、辛さを控えめにして提供しているとのこと。一味唐辛子入りの「信州辛子糀みそ」は、ベーコンやハムなどの洋風食材に合うので、出汁ではなくコンソメでスープ仕立てにしています。
 
オススメメニュー2
みそかつ(ミニスープ、ライス付き) 1,100円(税込)
食べやすいように、やや薄めにカットした豚ロース肉をカリッと揚げて、オリジナルブレンドのみそかつソースをかけて提供しています。愛知県出身のオーナーが考案したみそかつソースは、「八丁赤だしみそ」と「合わせ白みそ」、ケチャップ、砂糖、コンソメ、赤ワインを鍋に入れて混ぜ、火にかけて煮立ったら完成。「甘さ控えめで食べやすい」と評判で、お客様の要望によりソースの店頭販売も行っています。

オススメメニュー3
みそ漬け豚ロース丼(ミニスープ、ライス付き) 1,100円(税込)
3ミリの厚さの豚ロース肉を、2種類のみそと赤ワインを混ぜて作ったみそ床に2日間漬け込み、油を引いたフライパンで焼きます。ご飯にきざみ海苔を掛け、焼いた豚肉を乗せ、その上にさらにご飯ときざみ海苔、豚肉を乗せて、二段仕立てにしています。半分食べた後に、ひつまぶしのようにお茶をかけると違った美味しさに。みそ床は、様々なブレンドを試して、肉のうまみに負けないしっかりした味が付く現在の「越後糀みそ」にたどり着きました。みそ漬けは、クリームチーズを西京みそに漬けたり、発酵黒にんにくをみそ漬けにしたりと、色々なバリエーションが広がります。
  • お店紹介

    「みそは、大豆の栄養と美味しさをそのまま利用した世界に誇る自然調味料です」と、左からスタッフのたまさん、オーナーシェフの土平哲生さん、スタッフのあけみさん。

    吉祥寺のみそ料理&量り売り専門店
    オーナーは、愛知県で明治30年創業したみそ屋の長男として生まれました。若い頃はみそ屋になるつもりはありませんでしたが、上京すると百貨店のみそ売り場の店長を命じられ、10店舗ほどの売り場を統括。当時はテレビショッピングも多く手掛け、スタジオで料理を作ってみその通販も担当していました。
    1979年、3代目だった父親が亡くなり、みそ屋の4代目に就任。1985年に渋谷東急プラザにみそ専門店「ソイビーンファーム」を開店、翌1986年には、吉祥寺にレストランを併設した2号店をオープンしました。建物の老朽化に伴い、2021年5月に現在の場所に移転。全国のみそを30種類以上取り揃え、量り売りとみそ料理の提供をしています。
    ロールキャベツをはじめ、ソースやドレッシングにもみそを使用していますが、それぞれ個性の異なるみそを使っているので、味が偏ることなく様々な風味が楽しめます。
    オープン当初より変わらない定番メニューも多いのですが、昨今の「塩分控えめ」の風潮を受け、みそ屋が段々と塩分を控えるようになってきました。同じレシピで作ると料理やソースの味が薄くなるため、みそをやや多めに配合して調整しています。

  • 基本情報



    店名 ソイビーンファーム
    住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-24-9-102
    電話 0422-21-0272
    営業時間 11:30~19:00
    ランチタイム 11:30~15:00(L.O)
    定休日

    月曜日

    席数

    12席

    主な客層 レストラン:30〜60代女性、みその販売:老若男女
    予算の目安 ランチ 1,000円〜1,300円
    ディナー 現在お休み中
    開業 1986年11月
    HP www.soybeanfarm.co.jp
  • 掲載内容は取材時点での情報であり、記事内容、連絡先、営業時間などが変更になる場合があります。