【そうめん】阿波や壱兆

東京都/渋谷区)

徳島産半田そうめんを提供するそうめん専門店、「阿波や壱兆」。250年の歴史を持つ半田そうめんをアレンジした、バラエティ豊かな創作そうめんが人気のお店です。同店では地元徳島の魅力を発信するため、半田そうめんのほか、徳島の名産も提供。今回、半田そうめんの特徴やこだわりの創作そうめんについて、店主の田中嘉織さんにお話をお聞きしました。
 
クローズアップメニュー



豚しゃぶ出汁カレーそうめん 1,280円(税込)
阿波や壱兆のこだわりが詰め込まれた気まぐれメニュー、「豚しゃぶ出汁カレーそうめん」。“温かい”といったイメージのカレーを、夏場に麺類でさっぱりと食べられるようにアレンジした創作そうめんです。冷たいそうめんと合わせてもカレーが固まらないよう、カレー粉から手作りするこだわりのメニュー。そうめんと具材、おだし、カレーの味わいがバランスよく調和した、暑い季節にぴったりな一品です。
 
技のポイント1
  
  

半田そうめんはたっぷりのお湯で茹でる

使用するそうめんは、徳島県の名産「半田そうめん」。ひやむぎほどの太さがあり、通常のそうめんと比較してコシともちもち感が強いところが特徴です。お店では、よりコシの強い手延べの半田そうめんを使用。半田そうめんを茹でる場合は、100gに対して2リットル程度のお湯で茹でるところがポイントです。少ないお湯で茹でてしまうとそうめんの塩分が抜けきらないため、たっぷりのお湯を使用します。半田そうめんの茹で時間は、規定通りの時間を守ること。そうめんを茹でた後は、冷水でしっかりと麺を締めることでコシが戻ります。
 
技のポイント2

  
  

すっきりとごくごく飲み干せる”おだし”

おだしは、店主・田中さんの母親のレシピを基本にしたもの。ベースとなるだし原料は、「煮干し・かつお節・干し椎茸・こんぶ」の4種類です。これらの材料をブレンドした、お店オリジナルのチップを前日から水出しし、翌日鍋で沸かして、漉します。この時、雑味とにごりを出さないよう煮込み過ぎないことがポイントです。これを、徳島県産の薄口しょうゆをベースに、酒、みりんを使用した“かえし”と合わせることでおだしが完成します。最後に盛りつける具から出る甘みを考慮した、甘みのない、すっきりとした“ごくごく”飲み干せる仕上がりです。
 
技のポイント3

  
  

カレーは冷えたそうめんと合わせるため一から手作り

カレーは、動物性脂肪が多く含まれるルーは不使用。動物性脂肪は冷たいそうめんと合わせると凝固するため、口当たりが良くなくなることを防ぐ目的です。「カレー粉・玉ねぎ・にんにく・ショウガ」をベースに、サラダ油など植物性の油を使用して一から手作り。玉ねぎをじっくり炒めた後、カレー粉などを加えてさらに炒めます。その後、おだしを入れることでそうめんに合う“和風カレーだし”が完成です。お店では、このカレーだしを冷やした後、具材が盛られたそうめんに直接かける“ぶっかけスタイル”で仕上げます。カレーに使用するサラダ油を、ごま油やオリーブオイルなど他の植物性の油に変化させたり、にんじんやリンゴなどを使って味のアレンジも可能です。
 
オススメメニュー1
丸ごと食べるすだちそうめん 980円(税込)
都内で食べたすだちそばから着想を得た一品、「丸ごと食べるすだちそうめん」。徳島県産のすだちを極薄にスライスすることで、皮や種を気にせずに丸ごと食べることができます。レモンと比べてすだちの酸味はやわらかなため、すっきりした味付けのおだしと良く合います。心地よい苦味も後味をさっぱりさせてくれるポイントです。
 
オススメメニュー2
田舎ぶっかけ 1,080円(税込)
「田舎ぶっかけ」は、店主の田中さんが実家で食べていたそうめんをアレンジしたもの。どんぶりには、おだしと湯がいて締めた半田そうめん、錦糸卵にしいたけの甘煮、カニカマ、鳴門わかめなどを乗せる、“ぶっかけスタイル”が特徴です。ちらし寿司のような豪華な見た目でありながら、体にも優しい仕上がりになっています。

オススメメニュー3
鶏むね豆乳出汁そうめん 1,280円(税込)
ホワイトソースに豆乳を使用した経験から着想を得たユニークなそうめん、「鶏むね豆乳出汁そうめん」。濃縮されたおだしを無調整豆乳で割ることで、すっきりかつコクのある味に仕上がります。具材はたんぱく質をヘルシーに摂取することを目的に、鶏胸肉を使用。大豆の植物性たんぱく質と動物性のたんぱく質を、美味しくかつ罪悪感なく食べられる一品です。
  • お店紹介

    「これからは全国の人に阿波や壱兆の味を伝えていきたい」と語る、田中嘉織さん

    「阿波や壱兆」は、徳島県出身の店主・田中嘉織さんが2009年7月8日に東中野にオープンさせたそうめん専門店。数多くの常連客に愛された、創作そうめんで有名なお店です。
    田中さんがそうめん専門店を出してみたいと考えていたのは、上京したばかりの19歳の頃だったそう。専門学生の友人たちにそうめんを地元の食べ方で振る舞った時、「またあのそうめんを食べたい」と言われたこと。また、炎天下の中、信号待ちをしていた汗だくのサラリーマンを見て、「この人たちに冷えたそうめんを汁ごと飲ませてあげたら、きっと生き返るのではないか」といったエピソードが原体験になっているといいます。
    そして、20年後についに念願のそうめん専門店「阿波や壱兆」がオープン。しかし、当時は「そうめん」を主体にする飲食店は珍しく、家族や知人など、ほとんどの人から“経営は難しいのではないか?”と言われていたといいます。開店から3年間はアルバイトを掛け持ちしつつの経営ながら、着実に常連客を増やしていった田中さん。ひとりのお客さんでも「美味しい」と言ってくれることを励みに、“絶対に成功できる”といった思いから日々努力し続けたといいます。
    当時、常連のお客さんの中には週4回以上通われる方も多く、“飽きずに毎日食べてもらいたい”という思いから日替わりメニューに着手。半田そうめんは太麺でコシがあることから、「温・冷」問わずに美味しく食べることができるほか、具材に負けない力強さもあることがアレンジしやすい特徴です。
    カレー味、トムヤムクン味、スンドゥブ味など、さまざまなメニューにチャレンジし続けたそう。
    結果、お客さんも日替わりメニューを楽しみに訪れるようになり、これをきっかけにさまざまな創作そうめんが誕生。今やなんとそのメニュー数は500を超え、自分でも数えることができないほどの数になったといいます。
    そんな多くの方に愛され続けられた「阿波や壱兆」ですが、2021年8月にひと区切りつける意味でも閉店。現在は、新宿のシェアキッチンを拠点に、デパートの催事へ出店するなど積極的に活動の場を広げています。
    また、2022年7月15日(金)からは、2022年8月14日(日)までの期間限定(延長あり)で、カップそうめん専門店「SO.WA.香」を新大久保のシェアダイニングに出店しました。

    今まで東中野に訪れることができなかったお客さんに、“自分たちから会いに行けばいい。この状況を前向きに捉えている”と田中さん。今後は自分たちも楽しみながら、日本全国の人たちに、「阿波や壱兆」の味を伝えていきたいとのことです。
  • 基本情報
    店名 阿波や壱兆
    住所 東京都渋谷区代々木2-2-1
    新宿小田急ホテルセンチュリーサザンタワー19F
    「スカイ レストラン デコレーション キッチン」内
    電話 03-3376-1230
    営業時間 [水~日]11:00~15:00(L.O.14:30)
    定休日

    月曜・火曜(2022年7月末まで)
    月曜・金曜(2022年8月より)

    ※スカイレストランデコレーションキッチンはいくつかの店舗が出店するシェアレストランです。出店する店により定休日が異なります。

    【スカイレストランデコレーションキッチン営業時間】
    [月~金]11:00~15:00(L.O.14:30)17:00~23:00(L.O.料理22:00、ドリンク22:30)
    [土・日・祝]11:00~23:00(L.O.料理22:00、ドリンク22:30)
    席数

    100席

    主な客層 近隣オフィスワーカー、目的客
    開業 2021年5月12日
    HP https://awayaicchofun.blog.fc2.
    com/
    その他 ネットショップ
    https://awayaicchou.thebase.in/
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